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二階堂ふみと八木優希が示した“姫川玲子”の強さ 『ストロベリーナイト・サーガ』第4話は「右では殴らない」

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リアルサウンド

 姫川玲子(二階堂ふみ)の過去が詳細に描かれた『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)第4話。今までは、2時間スペシャル、前・後編で作ってきた長編のストーリーから変化し、今回は1話で完結する短編を扱った。原作は誉田哲也の姫川玲子シリーズの『シンメトリー』に収録されている「右では殴らない」である。ドラマでは女子高生の絡んだ薬物事件を追いながら、丁寧に姫川の過去をなぞり、”姫川玲子”という存在の力強さと信念を浮き彫りにした。

【写真】二階堂ふみ演じる姫川玲子

 第4話ではゲストに山田杏奈が登場し、殺人事件の容疑者の女子高生という難しい役にチャレンジした。山田は2019年に5月に公開の『小さな恋のうた』でヒロインを務める、注目の若手女優である。2019年2月に公開された『21世紀の女の子』にも出演し、テレビドラマでは2018年夏ドラマの『グッド・ドクター』(フジテレビ系)でも2話にゲスト出演。本作では、清楚な見た目ながら挑戦的な態度と煽るような瞳で姫川に食ってかかる強気な女子高生を演じ、二階堂とのもみ合いのシーンも。山田は、意思の強そうな瞳と可憐な表情で、生意気な容疑者の女子高生像を作り上げた。そこに、社会のあり方を説く、圧倒的オーラの姫川玲子こと二階堂が登場する。2人はテンポのいい掛け合いでハラハラする関係を見せた。

 さらに第4話でとくに注目したいのが、姫川の過去である。キーマンとなる佐田倫子を演じるのは吉谷彩子だ。姫川に対しておどけてみせ、話題を積極的に振るなど、優しい女性刑事像を表現した。姫川の気を引こうと一生懸命になっている姿には好感が持て、姫川が佐田を慕っている気持ちも手に取るようにわかるシーンとなった。そして姫川の学生時代を演じるのは八木優希である。八木は実は10代の若手女優でありながらかなりの芸歴を持つベテランだ。2008年に香取慎吾主演の『薔薇のない花屋』(フジテレビ系)で雫役を演じ、一躍話題に。その後も『ひよっこ』(NHK)など数々の作品に出演し、キャリアは途切れなかった。そんな八木は姫川が法廷で証言する重要なシーンを見事に演じきる。第4話は10代の女優が牽引するフレッシュな回となった。

 事件要素は今までより薄く、姫川の過去に重点を置いた第4話。國奥先生(伊武雅刀)と姫川の関係や、姫川の家族とのやりとり、姫川の過去などプライベートな部分がいつも以上に盛り込まれている。そんなシーンを第4話で多く取り入れることで、1~3話の関係性の整頓と、5話以降の物語をわかりやすくする効果があるのではないだろうか。複雑な事件が多い刑事物だが、事件以外の部分を詳細に描くと、実は事件部分も自然と頭に入ってきやすくなる。『ストロベリーナイト・サーガ』中盤戦に向けて、物語はさらに加速していきそうだ。

(Nana Numoto)