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中居正広と岡村隆史は“時代に選ばれた”エンターテイナーだ 共通点多い二人のラジオを聞いて

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リアルサウンド

 中居正広が、5月2日深夜放送の『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にゲスト出演した。ふたりのトークは古くからの友人同士が飲んでいるところに、同席したような気分になるもので、“いつまでも聞いていたい”と、思ったリスナーも多かったことだろう。

(関連:中居正広、ナインティナイン岡村と『ANN』で久々の再会 20年以上に渡る2人の関係を振り返る

 責任感が強くてストイックな性格。テレビと共に駆け抜けてきた月日。それぞれが愛を持って向き合ってきた長寿番組との別れに流した涙……アイドルとお笑い芸人とジャンルは異なるが、ふたりには共通点が少なくない。

 たとえば、独身生活を楽しんでいることもそうだ。レモンの冷凍方法にこだわりがあるなど、几帳面なところも、ふたりはよく似ている。岡村が「大きな音を立ててドアを締めるようなガサツな人も苦手」と話せば、「大きな声で質問返しされるのが苦手」と答える中居。苦手な人のタイプを聞いていれば、最近までガラケーを使い続けてきた“物を大事にする中居”、思わず中居がモノマネしたくなるほど“普段は声が小さい岡村”と、お互いに居心地のいい人であることも頷ける。

 「キラキラした話を!」と何度、軌道修正しても、ふたりの話は気のおけない仲間同士の会話になってしまう。だが、それこそがラジオリスナーの大好物でもある。『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)で過酷な状況を乗り切った話、遊びに行った先で中居のヤンキー気質が炸裂した話には、頬が緩むのをおさえられない。ゆるいトークをしているようで、そこからふたりの生真面目な仕事観や、愛情深さが見えてくるのがたまらない。

 思い出話は、初共演となった『夢がMORI MORI』(フジテレビ系/1992~1995年)にまで遡る。SMAPがプロデューサーに叱られ、ナインティナインのふたりがビビりまくったこと。そして、ナインティナインが「矢部浩之(大きい方)、岡村隆史(小さい方)」とメモして実家の電話番号を渡したこと。「かける用がなかった」という中居に対して、木村拓哉は電話をしてきたこと……。

 尽きない内輪ネタでひとしきり盛り上がると、中居は「やっぱアイドルって不思議ね」と語り始めた。歌手やダンサー、俳優といった、いわゆるその道のプロにはかなわないのに、人々を魅了する力を持つアイドルという存在。中居にしては珍しいフワッとした問いかけに、岡村は「時代に選ばれてしまうねん。選ばれた人は、そこで頑張っていかなあかん」と、まっすぐに答える。

 1990年代以降、バブルが終わったものの、まだその余韻を感じられる、テレビが元気な時代にふたりも「選ばれた」のだ。大きな時代の流れに振り落とされないように必死に食らいついてきた約30年間を思うと、胸が熱くなる。そして、唐突に岡村がこう切り出す。「どうすんの? これからの中居正広はどういうアレになるの?」。

 中居ファンのみならず、多くの人が気になっていたところではないだろうか。その質問に中居は、「ボヤッともしてないですよ。定めるゴールがあって登ってもいくわけですし、武器を探すわけじゃないですか。でも今、ピンが見えてないっていうのがありますよね。フォーカスが合ってない」と、答える中居。すると、岡村は「小さいピンあるで! そろそろ踊りたいやろ、オーディエンスの前で。体が疼いてんちゃうん?」と、けしかけるのだった。

 思わぬ展開に「どうしました?」と動揺する中居。「横浜アリーナで……」と切り出したところで、同番組のヘビーリスナーならニヤリとしたはずだ。岡村がオファーを出したのは、毎年秋に行なっている『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭 in 横浜アリーナ』への出演。これまでも、星野源や三浦大知、久保田利伸、DA PUMP、aiko、Toshl(X JAPAN)……などなど、錚々たるメンバーが出演をしてきたイベントだ。

 筆者はプライベートで、この『歌謡祭』に欠かさず行っているのだが、“まさか中居を誘う日が来るとは”と、それだけでお腹いっぱいに笑えた。岡村が自分で言うように、これは岡村の、岡村による、岡村のためのカラオケ大会。豪華ゲストが出演する一方で、一般人(岡村の同級生)のステージあり、番組スポンサーである高須クリニック院長・高須先生の指揮者タイムありと、いろいろと“アレ”な展開も。だが、そんな“アレ”なところを愛するステージなのだ。

 もちろん、中居がこれまで経験してきたステージとは全く異なるイベント。岡村が詳細を説明するほど、「え、どういうこと?」と、中居が混乱するのも無理はない。「もし、踊りたいねやったら、前座やけど!」(岡村)、「それは違うだろ、前説ダンスってなんだよ。やだよ、やるんならシッカリやるよ」(中居)と、意味深なやりとりが繰り広げられたが、果たして出演となるのだろうか。中居が久しぶりにステップを踏むとなれば、今年の競争率は恐ろしいことになりそうだが、果たして夢のステージ実現となるのか!? と、ゲスト出演にとどまらず、まだ見えない未来にもワクワクを残してくれるところも、やはりふたりは「時代に選ばれた」エンターテイナーなのだと思わずにはいられない神回だった。(文=佐藤結衣)