国宝・重文など皇室ゆかりの名品が集結 『美を紡ぐ 日本美術の名品』展、開催中
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《唐獅子図屏風》(右隻)狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 (左隻)狩野常信筆 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
東京国立博物館にて開始中の『美を紡ぐ 日本美術の名品—雪舟、永徳から光琳、北斎まで—』展。宮内庁、文化庁、そして東京国立博物館の所蔵品から厳選された41点が6月2日(日)まで展示される。
会場に入ってすぐ目を奪われるのが狩野永徳、狩野常信による《唐獅子図屏風》だ。永徳といえば織田信長や豊臣秀吉に取り立てられ、安土城や大坂城などの障壁画を手がけた絵師。約2.2m×4.5mという特大サイズの金屏風に力強い筆致で描かれた唐獅子は大迫力で、続く永徳晩年の作の国宝《檜図屏風》とともに豪壮な桃山文化に圧倒される。
同じく第1会場内では、室町時代に活躍した雪舟による水墨画《秋冬山水図》や、江戸琳派の絵師・尾形光琳による《伊勢物語 八橋図》、葛飾北斎による肉筆浮世絵《西瓜図》を展示。さらに、平安時代に和様書道の礎を築いた小野道風《屏風土代》や、江戸時代に京焼を大成した仁清による《色絵若松図茶壺》など、日本特有の美意識を感じさせる作品が続く。
第2会場では、各国の博覧会に出品され、日本の美を世界に伝えた近代の工芸家4人の作品を展示。明治時代に皇室の保護を受けた帝室技芸員たちによる超絶技巧をじっくり鑑賞したい。
第3会場では室町時代に描かれた「やまと絵」の優品《浜松図屏風》や、江戸後期を代表する画家・円山応挙による《牡丹孔雀図》、第4会場では明治から大正にかけて活躍した洋画家・黒田清輝の《舞妓》や、近代日本画を牽引した横山大観による《龍蛟躍四溟(りゅうこうしめいにおどる)》など、最後の最後まで見逃せない作品がそろう。
「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』—皇室の至宝・国宝プロジェクト—」の一環として開催される同展。屏風や絵巻、絵画、書画、工芸と、豊かに紡がれてきた日本美術を、令和改元を機に一望してみてはいかがだろうか。
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