【パン屋巡り】昔ながらの惣菜パン屋を取材!行列ができるパン屋の厨房紹介&揚げたて4種を実食レビュー
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【写真】青木屋さんに密着!「絶品コロッケパン」ができるまで&実食!(ウレぴあ総研)
ラードで揚げたコロッケが大好物。芳醇で、香しいラードの香りが漂っている肉屋があると、ついコロッケを買食いしてしまう。
もちろん、ラードで揚げたコロッケをはさんだパンも大好き。銀座の裏通りにある某肉屋には、かれこれ40年以上お世話になっている。眼の前で揚げたコロッケを食パンやコッペパンにはさみ、ソースをかけて手渡してくれるのだ。
つい最近、荒川区南千住にもコロッケなどの惣菜パン専門店があることを知った。肉屋ではないが、揚げたてのコロッケをコッペパンにはさんで売っているというのだ。
できたてのコロッケパンを買おうと行列ができていた
【青木屋】 コロッケを中華鍋で揚げている店は珍しいかも
日比谷線の三ノ輪駅から徒歩10分。11時半頃、おめあての「青木屋」に到着した。4〜5人の先客が、コロッケパンなどの惣菜パンを注文していた。
【青木屋】 長い行列ではなかったけど、並びます
順番を待っていると、ラード特有の芳しい香りが鼻腔をくすぐった。眼の前の大きな中華鍋でコロッケを揚げていたのだった。
【青木屋】 ラードでコロッケを揚げている智美さんの姿を外から見ることができます。ラードの香りを体験しよう
青木屋が肉屋ならラードで揚げているに違いないと踏んでいた。なぜなら豚肉を枝肉で仕入れている可能性が高いからだ。
枝肉をロースやヒレなどの部位ごとに切り分ける際、脂肪が出る。それを鍋で溶かして作った自家製ラードでコロッケなどの惣菜を揚げるのが、むかしながらの肉屋だからだ。
興味がある方は、『美味しんぼ』の「トンカツ慕情」をご覧いただきたい。トンカツ屋の話だが、YouTubeの「美味しんぼ 公式チャンネル」で観ることができる。
「昭和32年の創業以来、ラードで揚げてきました」
肉屋ではない青木屋が、なぜラードを使うのか。青木屋2代目の青木健志さんに尋ねた。
「昭和32(1957)年の創業以来ラードを使っています。他の油を使ったことがないので比較できませんが、ラードのほうがカラッと揚がる気がします。やっぱり揚げ物にはラードが一番です」
むかし荒川区内にある有名な商店街でコロッケを買い食いしたことがある。肉屋を数軒はしごしたのだが、どの店のコロッケもラードの香りがしなかった。
ラードを使わない肉屋が増えているなかで、肉屋ではない青木屋がラードでコロッケを揚げていることは、ある意味奇跡かもしれない。
【青木屋】 これが青木屋のメニュー表です
肉屋であればイカフライやアジフライなども揚げているが、青木屋が作っているのはコロッケ、ハムカツ、メンチカツ、トンカツのみ。つまりメニューは、「コロッケパン」、「メンチパン」、「ハムカツパン」、「とんかつパン」の4種類。
注文すると揚げたての惣菜をコッペパンにはさみ、ソースをかけたものをビニール袋に入れて渡してくれる。
【青木屋】 青木屋自慢の惣菜パン。並んでまで食べる価値があります
コロッケを2個はさんだコロッケパンは1本330円。メンチカを2個はさんだメンチパンは1本380円。ハムカツを2枚はさんだハムカツパンは1本330円。トンカツを1枚はさんだとんかつパンは1本380円。
「諸物価高騰もあり、昨年30円値上げさせていただきました」
値上げした理由を心苦しそうに語ってくれたが、けっして高くないし、手頃な価格だと思う。
家族3人と従業員で手作りしています
4種類の惣菜パンをすべて購入。揚げたてを即いただいたが、実食レポの前に、惣菜パンを作っている青木屋の厨房を紹介しよう。
【青木屋】 向かって右が柱の陰になっていますが、奥様の智子さん
厨房では4人の女性が仕事をしていた。向かって一番右が奥様の智子さん。コロッケなどのタネをバッター液と呼ばれる小麦粉、鶏卵、水などを加えた生地をくぐらせた後、パン粉を付ける。
【青木屋】 智子さんが、昨日仕込んだコロッケのタネにバッター液と生パン粉を付けています
智子さんが準備した惣菜を、中華鍋で揚げているのが娘の智美さん。智美さん左隣の女性が、揚がったばかりの惣菜をコッペパンにはさみ、ソースをかけて袋に詰めていた。
【青木屋】 揚げたての惣菜をパンにはさみ、ソースをかけていきます
一番左の方が接客係だ。4人が連携プレーで惣菜パンを作り、客に手渡しているのだった。
【青木屋】 ソースを充填中の青木さん
このとき、ご主人の青木さんは、厨房の裏でソースを別の容器に充填する、裏方に徹していた。
閉店後、コロッケのタネを仕込みます
営業は朝7時から。その日用意したコッペパンが売切れたら閉店。
「コッペパンは、うち用のレシピで製パン会社に焼いてもらっています。今日は、700本が12時半頃完売しました。950本用意してもらう日もあります」
営業が終わり、昼食後、コロッケのタネを作り始める。
「コロッケ以外のタネは当日作りますが、コロッケは時間がかかるので前日仕込みます」
【青木屋】ジャガイモをゆでるのは青木さんの担当でした
コロッケのタネ作りを見せてもらった。さっきまで惣菜を揚げていたガスコンロに別の鍋をセット。この大鍋で30~40キロのジャガイモを二度にわけてゆでる。
ゆで上がったジャガイモの皮を素手でむく。ゆでたてのジャガイモの皮をむいたことある人ならわかると思うが、めちゃくちゃ熱い。尋常ではないぐらい熱い。
【青木屋】ゆでたてのジャガイモの皮を、素手でむいていました
皮をむいたジャガイモを機械でつぶす。手でつぶすよりも早いし、キメが細かくて滑らかに仕上げることができるそうだ。
【青木屋】 皮をむいたジャガイモを挽き肉を作る機械にかけてつぶしていきます
青木屋独自のレシピでコロッケを作っています
拙宅でもときどきコロッケを作るが、挽き肉とタマネギを炒めたものをつぶしたジャガイモに混ぜる。でも、青木屋のレシピはちょっと違った。
「うちでは、挽き肉もタマネギも使いません。みじん切りにしたキャベツとニンジンを炒めたものをつぶしたジャガイモに混ぜます」
【青木屋】 キャベツとニンジンを中華鍋で炒めます。味付けはしていませんでした
なぜ挽き肉を使わないのか。
「使うと高くなるから。誰でも食べてもらえる値段にしたいので肉は使いません」
まだジャガイモが熱いうちに、炒めたキャベツとニンジンに混ぜたら塩コショウをし、隠し味にカレー粉を少々。
「キャベツとニンジンを使うことで旨味を出すようにしています」
【青木屋】 キャベツとニンジンを混ぜたジャガイモを成形機にかけると、コロッケのタネが出てきます
これを成形機にかけたものが、青木屋のコロッケのタネになる。冷蔵庫でひと晩寝かしたものを翌日揚げる寸法だ。
「4種類の惣菜パンのなかで、コロッケパンが一番出ます」
ひとりで5本買う人もいた。けっしてアクセスがいいわけでもないのに、並んでまで食べたい人がいるのはなぜだと思うか、青木さんに尋ねた。
「うちでしか作っていないからではないでしょうか」
先述したようにコッペパンは、青木屋オリジナル。色合いも美しく、ふっくらでフワフワで見るからにうまそうだった。
青木屋の惣菜パンをいざ実食!
さあ、それでは青木屋でしか作っていない惣菜パンの食レポをお届けしよう。
【青木屋】 青木屋で人気ナンバー1のコロッケパン
コロッケパンのコロッケは、舌触りが滑らかで、ホクホク。ジャガイモが自己主張するコロッケ。細かく刻んだツブツブのニンジンが入っていたが、キャベツはほぼ感じなかったし、カレー粉も気づかなかった。
【青木屋】最後の晩餐はコロッケと決めている私にとって青木屋のコロッケパンは最高のご馳走でした
銀座の裏通りにある肉屋でもコッペパンにはさんだコロッケパンを出しているが、コロッケは1個しか使っていないはずだ。青木屋のは、2個はさんであるのでボリューミー。少食の女性なら1本で十分かも。
【青木屋】 青木屋のメンチパン
メンチパンは、豚バラ肉の挽き肉にタマネギが混ぜてあった。タマネギが割と大きく切ってあり、食感が愉快だった。つなぎにつぶしたジャガイモを使っているとのことだったが、まったく気づかなかった。しっかりとした味付けで、大好きな味だった。
ハムカツパンは子どもに大人気
【青木屋】 青木屋のハムカツパン
ハムカツパンは、まわりが赤いハム(チョップドハム)を1枚揚げたものが2枚はさんであった。3枚付けしたハムを揚げている肉屋もあるが、青木屋のハムカツは1枚。
「ハムカツパンは子どもに人気があります。おやつ感覚で食べてくれるみたいです」
3代目を継承する予定の智美さんが教えてくれた。
【青木屋】 青木屋のとんかつパン
最後はとんかつパン。細長く切った豚肉ばら肉のトンカツは厚くもなく、薄くもなく、噛み切りやすい厚さだった。
全国的に肉屋が減っていることから、コロッケはスーパーで買う人が増えていると思う。しかし、スーパーの惣菜コーナーでは、まずラードを使っていないはず。そのためラードで揚げたコロッケの、芳しい香りをかいだことがない人が大半ではなかろうか。
青木さんが教えてくれたように、ラードで揚げたほうがカラッと揚がるのだ。
【青木屋】 並んでいるとき、ラードで揚げる芳しい香りを満喫できます
青木屋の惣菜パンを買いに行く際は、コロッケをラードで揚げている香りを思いっきり吸い込んでほしい。とても貴重な体験ができると断言できる。営業終了後は鍋の火を止めるので、営業時間内に買いに行くべき。
12時前に行かないと売切れているかもよ
【青木屋】 青木屋2代目の青木健志さん、澳様の智子さん、3代目を継ぐ予定の智美さんと、女性スタッフで店を回しています
営業終了後、コロッケを仕込んでいるとき、「まだありますか」と訪ねてくる人が数名いた。
「遅くても13時までに来てください。12時前であれば確実です」
【青木屋】
住所/東京都荒川区南千住6-47-14
電話/ 03-3807-4517
営業時間/7:00~売り切れ次第終了
定休日/日祝日。2026年8月9日(日)から16日(日)までお盆休み
(うまいめし)
中島 茂信
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