『インハンド』松下優也が山下智久に最後に投げかけた言葉 遂に紐倉の過去が明らかに
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山下智久が主演を務めるドラマ『インハンド』(TBS系)が、5月10日の放送で第1章の完結を迎えた。第5話では、紐倉哲(山下智久)の義手の謎、そして第3話より紐倉の回想に登場していた入谷廻(松下優也)との過去が一気に明らかとなる。
第5話のおよそ半分をも占める紐倉たちの過去は、CDC(アメリカ疫病予防管理センター)時代の元上司・福山和成(時任三郎)から話される。フィリピン沖のマリアナ海に浮かぶ小さな島を舞台にしたこの物語は、生物兵器としてエボラウィルスを輸送していたアメリカ軍、島民を全滅させたウィルスを持ち帰り研究を続けた入谷、彼の本当の思いを知らずに自分を責め幻肢痛と戦う紐倉によるものだ。
これまでのエピソードの中で断片的に登場していた紐倉と入谷が笑いあうシーンでは、2人が兄弟のように仲の良い、心の底から分かり合ったコンビであることを示していた。屋上で紐倉が入谷を追いかけ伸ばした手から血痕が飛び散るシーンは、ウィルスの研究を嗅ぎつけたアメリカ軍が彼らを追い詰め紐倉の右腕を撃ち落とすことで入谷を屋上から落下させるというものであった。死の直前、入谷が英語で「お前が憎い!」と叫んでいたことはマスコミに「紐倉が自殺に追い込んだ」と黒い噂を立たせ、紐倉をも自責の念に苛ませることとなるが、それは、紐倉を研究の共犯者にしないための、アメリカ軍へのアピールだった。
「紐倉哲の助手でよかった。哲、ありがとう」「いつか新しい助手を見つけてくれ」。ずっとノイズで聞こえることのなかった入谷の最後の言葉は、紐倉を感動の涙と共に幻肢痛からも解放させていく。第4話で紐倉が現在の助手・高家春馬(濱田岳)に言っていた言葉「感情の奴隷になるな」は、もともと入谷に向けたセリフであったこと、入谷の遺品として残っていた島での集合写真にこっそり高家の写真が貼られていることは、亡くなった彼の意思が息づいていることを感じさせる。
沖縄で大規模ロケを敢行し撮影したという今回のストーリーは、フィリピンという設定上、話す言葉は英語がメインだ。改めて驚くのが、演じる山下智久、松下優也の流暢な英語による会話だ。山下は『山Pのkiss英語』(フジテレビ/2014年~2015年)で来日したアンジェリーナ・ジョリーに英語でインタビューするほどに英語が堪能だ。昨年出演した『another sky-アナザースカイ-』(日本テレビ系)では、アメリカ・ロサンゼルスに訪れ、英語の発音練習の先生と再会したり、親交の深いウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスと笑顔で会話を楽しんでいた。
一方の松下優也で思い出すのが、朝ドラ『べっぴんさん』(NHK総合/2016年)で演じていた岩佐栄輔。ヒロインのすみれ(芳根京子)に恋するピュアな役柄が印象的であったが、アメリカから帰国後、英語でスピーチするシーンも存在していた。『インハンド』の公式Twitterでは、松下の完璧な英語にスタッフが驚いたこと、山下はスタンバイ中に英語で話していたことが明かされており、『インハンド』において2人は適役であったことが伝わってくる。正義感が強くて明るく、情に厚い入谷を、感情むき出しにして演じていた松下の演技も印象的であった。
次週からは再び1話完結の物語が再開していくが、第5話のラストでは福山が研究室に保管されていたエボラウィルスを持ち出す姿が。これが新たな伏線としてどう機能していくのか。(渡辺彰浩)