作家の契機となった幻の作品を原寸大で再制作 『多田美波―光、凛と ゆれる』 東京都現代美術館で8月29日から
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《周波数37306505》1965 アクリル樹脂、アルミ、鉄 東京都現代美術館蔵 「MOT コレクション Eye to Eye—見ること」(2024)展示風景 Photo: Masaru Yanagiba
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すべて見る戦後日本において、抽象彫刻家・造形作家として多様な領域で活躍した多田美波(ただみなみ/1924–2014)。その創作の軌跡をたどる没後初の大規模個展が、8月29日(土)から12月6日(日)まで、江東区の東京都現代美術館で開催される。
台湾の高雄に生まれ、朝鮮で育った多田美波は、1944年に女子美術専門学校(現・女子美術大学)西洋画科を卒業した。1962年に多田美波研究所を設立。工業素材や加工技術を芸術表現に積極的に取り入れた先駆的な作家として、美術館やギャラリーという枠にとどまらず、公園や駅、市庁舎やホテル、劇場などに立体作品を設置し、人々の生活空間の一部をかたちづくってきた。生涯で手がけた彫刻作品は約200点、建築関連作品は約500点に及ぶ。

同展は、多田美波研究所の全面的な協力のもと、約70年にわたる多田の仕事を改めて俯瞰するものだ。大きな見どころは、外光が差し込むアトリウムを含む約1,500㎡の地下展示室と、隣接する屋外展示エリアをもつ同館の大空間を活かした展示。初期の絵画から、ステンレスをはじめさまざまな素材を用いた彫刻、レリーフ、緞帳(どんちょう)、ビルのファサード、そして本人が「光造形」と呼んだシャンデリアを含む照明器具まで、約70点の作品群が建築造形のパーツ、写真、スケッチなどのアーカイブ資料とともに展示される。

光の反射や透過、屈折、揺らぎといった有機的な要素を作品に取り込むと同時に、移ろいゆく周囲の環境や鑑賞者の動きと呼応して表情を変える造形を生み出してきた多田は、美術、建築、デザインの領域を往還して活躍した。その多田の多彩な仕事を、素材、光、空間との関係を軸として、ダイナミックに総覧するのが今回の展覧会となる。

また、現存しない作品や建築と不可分な照明作品を一部再制作・再構成し、美術館の空間で改めて展示するのも、見どころのひとつだ。1973年作のシャンデリアの一部を、当時のクリスタルガラス・パーツ約3,000個を用いて再構成するといった試みは、多田が追求した光の造形を間近に体感する機会をもたらしてくれることだろう。
〈開催概要〉
『多田美波―光、凛と ゆれる』
会期:2026年8月29日(土)~12月6日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
※11月の毎金曜日は20:00まで開館
休館日:月曜、9月24日、10月13日、11月24日(※ただし9月21日(月)、10月12日(月)、11月23日(月)は開館)
料金:一般1,600円、大学生・専門学校生・65 歳以上1,100円、中高生640円、小学生以下無料
※10月10日(土)~12日(月・祝)は中高生・専門学校生・大学生は無料
公式サイト:
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Tada-Minami
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