朗読劇『たもつん』猪塚健太×和田雅成×落合モトキインタビュー
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インタビュー
左から、猪塚健太、落合モトキ、和田雅成 ©︎GEKKO
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すべて見る取材・文:くろずなおき
NHK連続テレビ小説「虎に翼」の脚本家・吉田恵里香がラジオの連続ドラマのために書き下ろした脚本を朗読劇として上演する『たもつん』が8月5日(水)より開幕する。昨年5月の初演に続く再演で、かつて同じ高校の野球部に所属した“ちょいダメ”な男たちの友情を描く本作。Aチーム、Bチームの2チーム体制で上演されるが、Bチームで主人公のユーキチを演じる猪塚健太、同級生のしゅうまいを演じる和田雅成、ヤベ先輩を演じる落合モトキが稽古場で本作の魅力について語り合った。
――最初に今回の朗読劇『たもつん』への出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
猪塚 僕は去年の初演を観客として見させてもらったんですが、すごく面白くて、演出の今井(隆文)さんは、劇団(※劇団プレステージ)にいた頃からの付き合いなので、すぐに連絡して「すごく面白かったです。もし再演があったら、絶対出たいです!」とお伝えしたんです。そうしたら今回、こうしてお声がけいただけて、メチャクチャ嬉しかったですし、初演で自分が感じた面白さを超えるものをお届けしなきゃいけないという気持ちになりました。
和田 僕はお話をいただいて、チームのメンバーを知らされた時に「面白いものができそうだな」とワクワクしました。「はじめまして」の方が多いのも楽しみでしたね。
――落合さんは、昨年の初演に続いてのヤベ先輩役となります。
落合 僕は個人的に、去年のお仕事の中でも指折りの“最高に楽しかった仕事”だったので、マネージャーさんにも「またやらないかな?」って言っていたんです。それが1年後にこうやって、できるというのが嬉しかったですね。同じ本で、別の方とやるというのは、新しい発見にもつながると思いますし、純粋に楽しみでした。
――吉田さんによる戯曲の面白さはどういう部分にあると感じていますか?
和田 本当に優しい本だなって思います。吉田さんの他の作品も見させていただいていますが、本当に愛があるんですよね。僕自身、世の中やいろんな人たちに対して「愛を大切にしたい」という思いを強く持って生きているんですけど、すごく愛にあふれた物語で、人間としてこうありたいなというものが描かれている作品だなと思います。
猪塚 僕は、会話がすごく面白くて、男子3人の会話ですけど、吉田さんが女性だからなのか…? ワードのチョイスなどが絶妙なんですよね。自分にはないもの、感性が描かれている感覚があって、衝撃を受けました。見る側の“ツボ”をしっかりと押さえた戯曲で本当にすごいセンスだなと思います。10年ほど前にも、吉田さんの脚本の朗読劇(「僕とあいつの関ヶ原」「俺とおまえの夏の陣」)に出演させていただいたことがあるんですけど、その時も時代劇なのに会話のテンポとやりとりがメチャクチャ面白くて、本当にすごいなと思ったんですよね。

――この“男子の会話”というのは、もちろん男性が見たら「あぁ、わかる。いつもの感じ」という懐かしいような感覚があると思いますが、女性が見ても楽しめるものなんですよね。
猪塚 そうなんです。「男子校とかで、こういうやりとりがあったんだろうな…」という男子の内輪のワチャワチャを絶妙なセンスで膨らませていて、変に“男子男子”し過ぎていないというか、嫌な気持ちになるようなこともなく、面白い部分だけにじみ出てくるような感じなんですよね。正直、(男子の気持ちが)なんでそんなにわかるんだろう?って思います。
落合 最初に散らかした言葉たちを回収していく中で、この3人が集まって、余興の練習ややりとりを通じて、彼らの成長の過程も見えてくるし、最後のシーンに関しては集大成というか、前回の初演では、あそこで涙する人も多かったんですよね。演じている側としても、新しい感じで舞台に立てている感覚があったし、それをお客さんにも感じてもらえていたのかなと思います。これは体験してもらわないとわからない感覚、面白さなのかなと思いますね。

――この“ちょいダメ”な3人の男子たちのやりとりを見ていて、共感を抱いたり、身につまされたり、身に覚えがあったりする部分はありますか?
落合 共感もありつつ、やっぱり理想でもありますね。こんだけキャッチボールがたくさん続く会話なんて、飲み会とかでもしたことがないから(笑)。
和田 確かに(笑)。
落合 この3人の空気感に憧れますね。
猪塚 共感ということで言うと、メッチャ細かいんですけど、僕が演じるユーキチは観葉植物の営業マンで、成績が悪いから苦肉の策として、あわよくば同級生に売れないかなという気持ちで、野球部の集まりに参加するっていう設定なんですけど、それを読んだ時に自分が劇団にいた頃のことを思い出しました。僕もチケット売れないから、友達に連絡して…。はじめのうちは見に来てくれるけど、公演を重ねるごとにだんだん返信がなくなって、友達が減っていくという…。だからその頃のことを思い出しながら「ユーキチもキツいだろうなぁ…」って(苦笑)。
和田 僕が演じるしゅうまいって、基本的には明るいキャラクターなんですけど、終盤にかけて、しゅうまいはなぜここに来たのか? しゅうまいは、自分の人生をどうしたいのか? という思いを吐露するシーンがあって、それがいまの僕自身の人生とドンピシャでハマったんですよね。「そうだよな、周りからこう見えていたとしても、自分はこうありたいし、こうしたい」と思っているけど、それがわかってもらえなかったり、理想と現実の違いにぶつかる瞬間があったり……僕はいま、そこにメチャクチャ自分の実感が乗っています(笑)。
猪塚 そうなんだぁ…メッチャ良いこと言うんだよね、しゅうまい。
和田 そうなんですよ。とてもこの役が好きです。

――大人になると、なかなか深い友情を育むような新しい友達はできにくいものですが、若い頃から仲の良い友達と、大人になってから知り合ったり、年を経て改めて仲良くなった友達の違いはどんなところにあると思いますか?
和田 やっぱり、若い頃から知っていると、一瞬で心を裸にできるところはありますよね。大人になって出会うと、その時点で自分というものを作っちゃっているけど、昔から知っている友達は、そうやって自分を演じていることすらも知っているので「ここで裸になっても大丈夫なんだ」という感覚はありますよね。
落合 僕はどちらかというと、20歳を過ぎてできた友達のほうが頻繁に連絡を取ったり、ごはんに行くことが多いかな? 逆に昔からの友達って、なにか行事――結婚するとか、子どもができたとか――がないと、あまり連絡を取らなかったりして。それでも、何か重大なことが起きた時に、連絡を取れるのは、昔からの友達なのかもしれないですね。
猪塚 改めて言われると、確かに、大人になって知り合った人とは、そこまで深く仲良くならないかもしれないですね。自分で「仲いいな」と思える人って、最初はメッチャ嫌いだったけど、何かのきっかけでお互いを知って、メッチャ好きになって…みたいなことが多いし、大人になって知り合う人って、どうしても良い部分しか見ないし、見せないし、そこから深く入り込むって、よっぽどじゃないと難しいですよね。逆に昔からの友達は、嫌な部分もちゃんと知っていて、それでも繋がっていられるんですよね。そういう意味で、まさに『たもつん』の3人はそういう関係ですよね。
――最後に公演を楽しみにされている方に向けて、メッセージをお願いします。
猪塚 朗読劇とは思えないぐらいのアグレッシブな舞台になっています。難しいことは考えず、ただただ笑って、最後にちょっと感動できる舞台ですので、ぜひみなさま、楽しみにチケットを握りしめて来ていただけたらと思います。
和田 劇場に来ないと見られないというのは、舞台の最大の魅力だと思うので、ぜひ劇場にお越しいただき、『たもつん』の空間を一緒に作ってほしいなと思います。お待ちしております。
落合 朗読劇でありながら立ち上がったり、僕らも何が起こるかわからないという新鮮な気持ちで舞台に立っています。この時期、どこに行っても混んでいると思いますので、ぜひ涼しい劇場に遊びに来てください!
<公演情報>
朗読劇『たもつん』
日時:8月5日(水)~11日(火・祝)
会場:IMM THEATER(東京)
劇作・脚本:吉田恵里香
演出:今井隆文
出演:
【Aチーム】濱田崇裕/浜野謙太/コッセこういち/今井隆文/渡邉美穂
【Bチーム】猪塚健太/和田雅成/落合モトキ/今井隆文/渡邉美穂
問:公演事務局■0570-200-114
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2669865
公式サイト:
https://tamotsun.jp/
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