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『誰もがそれを知っている』P・クルスとJ・バルデムが作品について語る 新場面写真も公開

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リアルサウンド

 6月1日公開の映画『誰もがそれを知っている』で主演を務めたペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが、本作について語った。

参考:場面写真はこちらから

 アスガー・ファルハディ監督が15年前のスペイン旅行で目にした行方不明の子供の写真に着想を得て、じっくりと構想を練り上げた本作は、クルスと、実生活で夫でもあるバルデムに当て書きでオリジナル脚本を完成させ、オール・スペインロケに挑んだヒューマン・サスペンス。スペインの故郷で久々に再会した家族と幼なじみが、結婚式で起きた娘の失踪をきっかけに、隠していたはずの真実をめぐって家族の秘密と嘘がほころび始める。 

 クルスは「私は彼(アスガー・ファルハディ監督)の作品がとても好きで、中でも『別離』は傑作だと思う」と語り、自身が演じた、幸せな里帰りから一転、娘の失踪により絶望の底に落とされる女性ラウラについて「間違いなく、今まで演じた中で一番複雑なキャラクターよ」と話す。「100パーセント彼女を理解することが必要だったの。それができたのは、彼女という人間がとてもよく描かれていたからだと思う。どのキャラクターも複雑で繊細で複数の顔を持っている。良い人も悪い人もいない。現実において物事が見た目ほど単純ではないのと同じよ」と、ファルハディ監督がリアリティたっぷりに多面的な人物像を書き上げた、緻密な脚本を絶賛。また、「彼が物語を通して伝えたいことがとても面白いと思ったわ。この家族は、普段の私たちの生活で起きていることの隠喩のような面を持っていると思う」とコメントしている。

 バルデムはファルハディ監督の撮影現場での演出手腕について、「彼が役者たちを導き作品を作る手法は天才的だ。リハーサルの時、彼は役者たちに彩りと輝きをもたせる才能があることに気づいた。皆と集まってどのようにアスガーが各キャラクターを描写したかを聞き、キャラクターを特徴づける詳細部分に集中するよう指示を受けた。これは本当に素晴らしい経験だった」と語る。

 さらにクルスは、「彼から多くの刺激を受けたわ。彼は自分が求める方向に役者を導くの。鮮やかにね。だって彼は真の芸術家だから。彼は他の人にはない優れた感受性を持った天才よ。彼みたいな人は珍しい。彼は自分の物語やそのメッセージを通じて人を深く感動させることができるの。すごく謙虚な姿勢でね。私にとって彼は映画監督以上の存在よ」とファルハディ監督の魅力を語った。

 また、新たに場面写真も公開。公開された場面写真では、現在シャネルやスワロフスキーの広告塔も務めるクルスのイメージに合った、ゴージャスで美しい妹の結婚式でのドレス姿、それとは対照的にすっぴんで髪は乱れ、ゲッソリと憔悴しきった様子やバルデムが学生向けにワインの講義をするシーンなどが切り取られている。 (リアルサウンド編集部)