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泉澤祐希×柄本時生『わたし、定時で帰ります。』対談 「人は人に助けられて生きてる」

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 回を重ねるたびに、話題を集めている火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)。仕事へのモットーも、働くスタンスも違う、個性豊かなキャラクターが登場し、誰かしらに共感せずにはいられない。

 そんなリアルなお仕事ドラマにおいて、「辞めようかな」が口グセの新人・来栖泰斗、そして職場に住み着く非効率男・吾妻徹を、それぞれ演じている泉澤祐希と柄本時生が対談。前編・後編でお届けするインタビューの後編は、ふたりの「働くとは?」に迫る。

【前編】現場の雰囲気や関係性が語られた前編

■泉澤「働く=やりたいことをやってやる」

――おふたりは、早くから俳優さんを始められたという共通点もありますね。

柄本時生(以下、柄本):泉くんは、何歳からだっけ?

泉澤祐希(以下、泉澤):5歳くらいからです。だから、本当に小さいころは仕事という認識がなかったんですよ。本当に遊びに行く感覚だったと思います。中学生になるタイミングで、ちゃんと学校に行きたいって思って、一旦セーブして。大学もちゃんといって、経営学部を専攻して。普通の仕事をしてもいいかなって思ってたんですけど、やっぱりちょっと刺激がたりないなと思って、俳優をまたやりたいって。

柄本:僕も10代のころから始めて、この仕事をちゃんと職業として意識したのは、大学受験に失敗したころでしたね。職業・学生から、職業・俳優になるんだって。

――泉澤さん演じる来栖泰斗は、すぐに「辞めようかな」という口グセがありますが、現実ではそういう気持ちになることはありますか?

柄本:泉くん、「辞めたい」とか絶対に言わなそうだよね。どちらかというと、ちゃんと頑張るっていう。

泉澤:まあ、小さいころはありましたけど、最近はちゃんと頑張っていますね(笑)。時生さんはあります? この仕事を「辞めたい」と思ったこと。

柄本:逆に、いつ辞めてもいいとは思ってはいる。

泉澤:あ~! それは、俺もあるかもしれないですね。

柄本:でしょ? ちょっと、そこはあるよね?

――それは俳優という職業には固執していない、ということですか?

泉澤:結局、働くことそのものは「嫌だ」とは思っていないので。なんか、なんでもできる気がしますよね。働く=やりたいことをやってやるぜ! みたいな感じです。

柄本:ほかに、やってみたいことある?

泉澤:俺は、洋服とか作ったりもしているので。

柄本:え? 洋服作ってるの? すごい! なんて言う名前?

泉澤:『id』っていうブランド(参照:Doi chang)です。『XLARGE』のデザイナーさんをやってる友だちと一緒に、ふたりで遊びで始めたんです。

柄本:いいなぁ! 楽しそう!

泉澤:本当にやりたいことをやっているだけなので。それが一番楽しいかなって。実は、YouTubeでゲーム実況も最近始めちゃったんですよ(参照:YouTube泉澤祐希チャンネル)。

――そうなんですか!

泉澤:この間もYouTubeで生放送したり。今度、時生さんも参戦してくださるんですよね?

柄本:そうなんです、そうなんです。

――柄本さんは、俳優業のほかにやりたいことはあるんですか?

柄本:僕は宮大工になりたい! ずっとやりたかったので、今でもなりたいですね。

泉澤:え~! じゃあ、結構得意なんですか? DIYとか?

柄本:全然! 得意でもなんでもないのよ。ただ憧れているだけなの。

泉澤:趣味からやってみたらどうですか?

柄本:どうしようかな。なんかね、自分のために頑張る気力はないのよ。だからね、DIYとか全く興味ないのよ。なんだったんだろうね? 宮大工になりたい理由って。

泉澤:でもかっこいいですよね。大工さんとかって。俺も一時期すごい大道具さんに憧れていたので、なんとなくわかります。

柄本:そう! かっこいいの。 1番の理由は、神輿だったんですよ。僕、毎年神輿を担ぐんですけど。その中心にいる人たちって、そういう職人系の人たちなんですよ。2代目、3代目みたいな。だけど俺、その世襲制には入っていないから。だったら、宮大工になればその輪に入れるんじゃないかって思って(笑)。

■柄本「それぞれのストレスが少ない形で楽しめたら」

――『わたし、定時で帰ります。』は、働き方に向き合った作品ですが、世代間ギャップなど感じることはありますか?

柄本:ある? でも、思うけど泉くんも5歳からやってるじゃん? 逆に昔のやり方というかさ、根性論全盛のころから現場を経験してるわけだから。俺も、泉くんも、もしかしたら。

泉澤:たしかに、あんまりギャップは感じないかもしれない、仕事に関しては。

――「定時に帰りにくい」とか働き方についての悩みも聞かないですか?

泉澤:聞いたことないですね。たぶん、僕がこういう仕事してるから、みんな相談しても意味ないって思うんじゃないですかね。ご飯とか遊びの誘いも、事前に予定を合わせることってほとんどないですし。

柄本:俺もそう! 逆に、予定を組みたくない。

泉澤:そうなんですよ! 逆に「いついつ空いている?」って聞かれるのイヤですよね。

柄本:イヤ! あと、当日に行きたい気分じゃないかもしれないし(笑)。だから「当日連絡ちょうだい」って言う。

泉澤:言います(笑)。「当日になったら連絡するね」とも言いますし。「まだわからないから保留で」みたいな。めんどくさいヤツだなって、自分で思うんですよ。でも、そっちのほうがいい。

柄本:そう、めっちゃわかる! 俺も、全部保留です。予定がキッチリ決まっていないとストレスを感じる人がいるように、こっちは決められちゃうのがストレスだから。

――なるほど! それぞれの適性があるわけですね。

柄本:そういう感じで、ストレスが少ないところを、それぞれが受け持っていけばいいと思うんですよ。

――『わたし、定時で帰ります。』はスタッフさんにも働き方改革が導入されていると聞きましたが。

泉澤:何時までに帰るって人がいるみたいですね。

柄本:だから何人かいつも帰っていってるのか! なんでかなと思ってた(笑)。

泉澤:我々はやり終わるまで帰れないけれど、それがいい。

柄本:じゃないと、変な体力余っちゃうから。

泉澤:ハハハ。

柄本:でも、現場そのものも、サクサクいくから楽しいですよね。

――最後に、おふたりが仕事で感じる「やりがい」についてお聞きしてもいいですか?

柄本:あー。俺、映画を見ることが趣味なんですけど、自分の好きな監督の作品に携わることができたときは、めちゃくちゃやりがいに感じました。現場に行って、カメラワークとかみながら「あー、ここで寄るよねー」とか、「このワンカットあるよねー」みたいなのを「黒澤清監督は、ここで絶対ゴミ袋出てくるよね」とか。

泉澤:そうなんだ!

柄本:黒澤清監督は、なんかわからないけど、ゴミ捨てたがるの。絶対、どこかで。

泉澤:へぇ~!

柄本:で、この前、黒澤清監督の映画に出たんだけど、ゴミ捨てたの、俺! 「え? やっていいんすか? 俺があのゴミ捨てるのやっていいんすか」って(笑)。 そういう贅沢なご褒美みたいな仕事があったりするんですよ。だから、そういうの好きですね。

泉澤:やっぱり、出会いかもしれませんね。この作品を読んだときにも、やっぱり人は人に助けられて生きてるんだなと感じたんですよ。来栖も問題を起こして、落ち込んでいるときに結衣さん(吉高由里子)が来てくれて、救われて、また会社に行く形になったじゃないですか。そういう自分だけでできないことも、別の部分が得意な人の助けがあれば解決できることもありますし。

柄本:たしかに。泉くんと出会えたのも、うれしいよ。

泉澤:本当ですか? じゃあ、YouTubeでゲーム実況、絶対やりましょうね。

柄本:気をつけなきゃ。いつものボイスチャットみたいな感じで話しちゃいそう。「今日も内田(有紀)さん超キレイだった」みたいなノリで!

泉澤:アハハハ。

(佐藤結衣)