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映画『うちの執事が言うことには』監督「特に苦戦したのは“子犬”」、その理由とは?

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久万真路監督 (C)2019「うちの執事が言うことには」製作委員会

若くして日本有数の名家の当主に任命されてしまった花穎(かえい/永瀬廉)と、彼に仕えることとなった新米執事の衣更月(きさらぎ/清原翔)。映画『うちの執事が言うことには』は、先代の命により不承不承主従関係を結ばされた反りの合わない青年ふたりが、互いに成長しながら周囲の陰謀や難事件に立ち向かっていく物語だ。花穎と同じくセレブで大学生企業家の赤目役には、永瀬の僚友であるKing & Princeの神宮寺勇太もキャスティング。フレッシュな若い俳優が顔を揃えたこの現場を率い、メガホンを取ったのは『白鳥麗子でございます! THE MOVIE』の久万真路監督。この企画のオファーを受けた当初は、てっきり恋愛ものだろうと思ったのだとか。

「原作を読ませていただいて、恋愛の要素が全然ないことにまず驚きました。最近の若者向けの映画で、それはすごく新鮮だし冒険じゃないかと思って。でも、恋愛要素なしでみんなに観ていただける作品を作ることに挑戦できるんだったら、それはすごくありがたいなと思いました。原作を読んで最も惹かれたポイントが、恵まれているけど弱さを持った花穎という主人公像だったので。まだ頼りないけど心優しい彼の人間性、そこに寄り添う人たちとの成長ストーリーなら撮ってみたいな、と」

今回心がけたことのひとつに、“和やかな現場に”というのがあった。「永瀬くんをはじめ、みんなそんなに芝居の経験がないって分かっていたので。追い込んで熱くさせるやり方もありますけど、今作に関しては、和やかな空気の方が彼らの良さを生かせるんじゃないかなって」と監督。永瀬からも「監督はすごく優しい方で相談しやすかった」との証言が。

「いや、永瀬くんはちょっと相談しすぎでしたよ(笑)。まぁそういう素直さ、無邪気さは花穎に通じるところもあるし、それはそれでいいかなと思ってましたけど……最初はテクニック的な答えをすごく求めてきたんです。“どうやればいいんですか”って。その都度“そうじゃなくて、いかに花穎になるか、ってことじゃないの?”と返してるうちに――だんだんそういう質問はしなくなってきた。“全身でこの瞬間の花穎になればいいんだ”っていうのが、だいぶ分かってきたんじゃないかな。そうなってからは、演技もだんだんと良くなっていったと思います」

一方、永瀬よりは演技に覚えのある清原も、執事独特の所作に大苦戦。

「まず手袋をしたまま物をつかむだけでも、慣れるまでは大変そうで。本物の執事の方に手取り足取り指導してもらったんですが、思うようにいかずもどかしそうにしてる清原くんを見ているのは心苦しかったです。モデルさんなので形から入るのは得意じゃないかと予想してたんですけど、本当に難しいんですね。ただこちらも彼が執事らしく見えないと作品が成立しないので、そこは容赦なくダメを出しまくりましたけど(笑)」

花穎の住む大邸宅のロケ地は、実はとある病院の外来病棟。できるだけ広い所を!とこだわりのロケハンが行われた。屋敷内のセットにしても、監督の指示により通常より壁を高くしつらいゴージャスさを演出している。

「大富豪の生活を覗けるっていうのも、こういう映画を観る上でのひとつの楽しみだと思うので。スタッフには苦労と負担をかけましたけど、皆さん期待に応えてくれて、なかなか日本ではないような大富豪の世界が撮れました」

撮影期間中、最も大変だったことを尋ねると「犬!」とちょっと意外な答えが。劇中には花穎に拾われる子犬が登場するのだが……。

「いや~、永瀬くんに懐かなくって苦戦しました! いくら呼んでも来なくて(笑)。だから合間の時間は“ほら、もっと積極的に仲良くなってよ”ってけしかけてたんですけど、最後までダメで(苦笑)。かと思えばその犬、庭師役で大の犬好きである村上(淳)さんにとても懐いちゃって。村上さんと子犬のしっくり来すぎな2ショットにも注目してください(笑)」

取材・文:上甲薫

『うちの執事が言うことには』
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