【Setlist】
1.many many
2.金魚
3.踊るなら凛として
4.CIDER
5.無重力
6.革命
7.SHARON
8.夜市
9.MUSICA(きんとき cover)
10.SANZ DANCE
11.真夜中のダンス~恋する爪先~
12.有酸素狂想曲
13.JADE
14.swimmy
ENCORE
15.color
16.サーチライト
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『GOODWARP ONE MAN LIVE真夏の強化合宿-POP TRAINING-』
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すべて見るText:石角友香 Photo:タチバナ ジン
「ポップミュージックを通じてポジティブを強化する」――こんなテーマを掲げ、夏休みの強化合宿めいたライブを展開できるのはGOODWARPだけだろう。5月にリリースした「有酸素狂想曲」、7月リリースの「CIDER」を軸に据えた東阪ツアー『GOODWARP ONE MAN LIVE真夏の強化合宿-POP TRAINING-』は8月という季節とワンマンならではの趣向でテーマを存分に表現してくれた。

東京公演の8月22日。夕刻の渋谷は豪雨に見舞われたが、ファンは続々と会場に吸い込まれ、ぎっちり詰まったフロアの湿度が高まっていく。相反してステージ上のバンドネームをあしらったネオン管やライティングは真夏の光を思わせる白色で、気分を上げる演出の中、メンバーが登場するとオープナーは夏らしさ100%、ブライトなメロディの「many many」がさっそくフロアのハンドワイパーを巻き起こす。吉﨑拓也(vo/g)の「会いたかったよー!」の第一声にファンもビビッドに反応し、四つ打ちのビートから緩く乗れる「金魚」にシームレスに繋いでいく。POP TRAININGとは、ダンスチューンをメインにステップを止めないということなのだろうかと、うっすらライブのテーマを想像していると、藤田朋生(g/cho)のギターソロと萩原“チャー”尚史(b)のベースソロを挟んで、さりげなくGOODWARPらしいショーの始まりを告げるのだ。部活っぽさとポップなソウルショーが矛盾せずに共存している。さらにシンセのスペイシーなイントロから始まる「踊るなら凛として」は大人っぽい夜のムードのアレンジの中で、ちょっとしたことで落ち込みがちな君やアナタに寄り添いステップを踏ませてくれる。




豪雨の中、渋谷でも少し駅から遠いこの場所に集まってくれたことに吉﨑が謝辞を述べたあと、「渋谷DIVEでやりたかった今日のために作った曲」!という振りから藤田が“1 2 3&for a run、1 2 3 & 4 dive“と声を上げ最新曲「CIDER」へ。自然にクラップが起こり、大人だからこそ描ける青春の情景が広がる。ソウル/ファンク寄りの踊れるナンバーの中で前へ前へ進むビート感が新鮮だ。後半ではファンも“1 2 3&for a run、1 2 3 & 4 dive“のコールを上げる。キラキラした音像から雷鳴のSEに移り変わると、気のせいか? 吉﨑が苦笑いしていたように見えてくるからライブは面白い。萩原が体から生み出すように蠢くベースラインでポストパンクっぽいこの曲に色気を添えるのもいい。踊れるナンバーの間に景色を変えるオルガンと鐘の音が神聖なムードを作る「革命」へとつなぎ、場の空気はグッと温かくなる。サビの転調やギターソロも曲のスケール感を拡張するが、さらにもうひとつの山場をスネアのドラムロールで作り出すコウチケンゴ(ds)の確かなプレイが光る。ニューオリンズっぽいビートから怒涛のドラムソロに展開し、ツアーのテーマでもあるポジティブさを演奏のスケールで表した印象。また、「SHARON」は真夏に聴くウィンターソングもオツだった。

この頃には湿気と熱気が水蒸気になって天井から水滴が落ちるほど。吉﨑のシャツは早くも色が変わりつつあるが、フロアに向けて「POP TRAINING、まだ鍛え疲れしてないですか?」と問いかけると誰もが頷いたようで、「飛ばして行くぜ!」と、さらにギアアップ。和のメロディが、まさに『夜市』へと紛れ込んだような感覚にさせる。情感豊かな間奏のギターソロを時に背面弾きもさらっと交える藤田のギターヒーローぶりにも大いに沸いた。夜市やこの世とあの世といった歌詞の内容も日本の夏らしさとリンクして、今の季節にハマる。と、ここで吉﨑がワンマンならではの趣向で「一発、カバー行ってみましょう」と、楽曲提供でもお馴染みのきんときの「MUSICA」のカバーをダークファンタジーのムードもあるバンドアレンジで披露してくれた。少年っぽい素直な声質は両者に共通するところだなと改めて思った。


メロディの良さや楽器が何を演奏しているかが明快なのはGOODWARPのライブがあっという間に進む理由のひとつだが、この日も早くも9曲終了していることに驚く。先ほどは吉﨑がフロアをさらに焚き付けたが、今度は体育教師ばりの口調で藤田が「渋谷のみんな、熱い中盛り上がってるね。でも正直まだまだです。これからもっとPOP TRAININGして行こう」と、ギターリフの後に掛け声を要求するも「東京の人って静かな人多いのよねえー」と不満げな態度を見せると、火がついたフロアは最初の10倍ぐらいのボリュームで応戦。パワーヒットなドラムから「SANZ DANCE」に突入。洒脱な16ビートのカッティングがマイケル・ジャクソンやダフト・パンクを思い出させるだけじゃなく、徐々にミクスチャーロックの厚みまで1曲に内包する多彩さで、フロアをグルーヴさせていく。やはり今日のセットリストはダンスデイなのでは?という思いが強くなる。踊ることで鍛えてポジティブになる、というニュアンスだ。


ベースラインとビートで「「真夜中のダンス~恋する爪先~」」と分かると歓声が上がるのだが、すぐに歌が始まるわけではなく、吉﨑が「さっきはちょっとスパルタだった。ここからは優しくいきますね」と、サイドステップをファンに指導、そこにクラップと“Woh, Woh, Woh”のコーラスを加えて本格的に曲に入っていく。この一体感は激しい曲とはまた違う参加型の楽しさに満ちている。曲中、萩原がそそくさとステージ脇にはけていく様子にすでに笑いが起きているが、果たして今日の余興はなんだろう? といい意味である意味、予定調和だと分かっていながらサイドステップを続けるフロア。なんでも世界を駆け回る多忙なダンストレーナーがPOP TRAININGのために来日したんだとか。と、そこに『スリラー』期のマイケル・ジャクソンのコピーにしか見えない“チャイケル・チャクソン”と名乗る男が登場し、GOODWARPのファンをポップクルーに育てるべく渾身のフリップ芸(?)を披露。いわゆるゼロ・グラビティは自立できずに吉﨑に支えてもらうという、およそキング・オブ・ポップ・トレーナーの名が怪しいパフォーマンスを見せた。チャイケルが去った後、吉﨑がGOODWARPのワンマンの特徴を説明する際、この余興が一番に出てきてしまうことに苦笑しながらも、当初のけん玉からここまで成長したことをバンドの個性として肯定している感じだ。「来年、15周年なんですけど、真面目なこともそうじゃないことも全力でやっていきたいのでよろしくお願いします」と、さらにラストスパートへ。


ダンスナンバーとワークアウトが合体したような歌詞を持つ「有酸素狂想曲」のアイデアの面白さはもちろん、バックで鳴るビート感がセットリストに幅を持たせている。何よりツアーのテーマであるPOP TRAININGを体現したナンバーだ。疲れ知らずのフロアは懐かしさのあるポップなソウル「JADE」でさらに沸き立ち、ちょっと複雑だが思わず歌いたくなるサビメロのシンガロングもボリュームアップしていく。若さだけで見る夢とは違う、まだ叶えられていない夢を抱えた大人にも刺さる歌詞であることも、メロディの洒脱さと相まって他のバンドでは感じ得ないものがあるのだ。「今日はみんなと過ごせて幸せでした!」、大きな笑顔でそう言う吉﨑をはじめ、最後のパワーを振り絞ってジャンプするフロントの3人、それにつられてフロアもジャンプする本編ラストの「swimmy」。いつまでも踊ろう、この世界をどこまで泳いでいこう、とこの先の毎日につながっていくエンディングだった。

アンコールの前にはバンド過去最長の全国4都市を巡る『GOODWARP 15th Anniversary No You No WARP Tour “景色の探検”』も発表され、この日最大の歓声と拍手が起こる。来年結成15周年を迎えるバンドが現在最も精力的に活動している事実が何よりも、やりたいことを辞めない、諦めないメッセージに感じられる。アニバーサリーイヤーに向けた所信表明をした4人はさらに解放された笑顔で「color」、そして続いていくバンドワゴンをイメージさせる「サーチライト」をここにいる全員で祝うように鳴らしきった。

<公演概要>
『GOODWARP ONE MAN LIVE真夏の強化合宿-POP TRAINING-』
8月22日 東京・渋谷DIVE
1.many many
2.金魚
3.踊るなら凛として
4.CIDER
5.無重力
6.革命
7.SHARON
8.夜市
9.MUSICA(きんとき cover)
10.SANZ DANCE
11.真夜中のダンス~恋する爪先~
12.有酸素狂想曲
13.JADE
14.swimmy
ENCORE
15.color
16.サーチライト
<公演情報>
『GOODWARP 15th Anniversary No You No WARP Tour "景色の探検"』
2027年2月27日(土) 宮城・仙台 enn 2nd
2027年3月7日(日) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
2027年3月14日(日) 愛知・名古屋 Shangri-La
2027年3月27日(土) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
▼オフィシャルサイト真夏の最速先行:〜8月31日(月)23:59まで
https://w.pia.jp/t/goodwarp-tour/
フォトギャラリー(15件)
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