GLAY、『HEAVY GAUGE』アンソロジー盤がランクイン 今なお積極的な活動続く理由
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参考:2019年5月20日付週間アルバムランキング(2019年5月6日~2019年05月12日・ORICON NEWS)
今週7位のback numberの『MAGIC』がチャート初登場1位に輝いたのは4月8日付ランキングのこと。初週で軽く16.6万枚(!)を突破するぶっちぎりのセールスでした。そこから次週も1位、4月22日付ランキングでは4位となり、この時点で23万枚を軽く売り上げていました。
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そして驚くべきは、それから4週間が経っても『MAGIC』がまったくチャートから消える気配を見せないこと。1位→1位→4位→7位→10位→7位→7位と、今なおロングセールスを更新中。先月が終わった時点ですでに25万枚を突破しているので、これはもう年間チャートの上位に食い込むかもしれないレベル。すでに国民的バンドの地位は彼らのものになっていたのでした。今後どこまで数字を伸ばしていくのか、しっかり追いかけていきます。
25万枚で大ヒットと断言できるこの時代、かつてミリオンヒットが当然だったCDバブル時代のアーティストは何を思うのでしょう。なんてことを考えてしまうのは、back numberに続いて今週8位に登場するのがGLAYの名前だったから。タイトル『HEAVY GAUGE Anthology』にピンと来る人も多いでしょう。これは1999年、絶頂期にあったGLAYが伝説の20万人ライブ『GLAY EXPO ’99 SURVIVAL』を行ったあとにリリースした、メジャー5枚目のアルバム『HEAVY GAUGE』の特別アンソロジーです。ちなみにオリジナルの『HEAVY GAUGE』は235万枚のセールスを叩き出しました。
20年も経てばCDという音楽メディアの扱いは激変しており、今回の『HEAVY GAUGE Anthology』、初登場で約5,600枚です。数字だけを比べると厳しいと思えるかもしれませんが、出しても出してもミリオンなど生まれる時代ではないことはアーティスト本人が一番よくわかっているはず。だから考えるべきは、なぜ彼らは今なおGLAYとして活動を続け、作品のリリースやコンサートツアーに積極的でいられるのか、という疑問。見えてくる答えとしては、やはり、「彼ら自身がGLAYを愛しているから」になるのだと思います。
GLAYは今年でデビュー25周年。売れると関係性の壊れるバンドも多い中、メンバーの仲良しぶりはよく知られています。過去最大規模の20万人ライブに挑戦しながら作った『HEAVY GAUGE』は、なかでも思い入れの深い、4人にとって大切な記録になっているはず。もちろん20年経ったから見えてくることもあるし、笑えることも多々あるのでしょう。
オリジナル盤にリミックス・リマスタリングを施したDISC 1、当時の希少な歌詞違いのデモ音源を収録したDISC 2、MVのメイキングやライブの裏側、当時を振り返るインタビューなどを収めた映像作品のDISC 3、さらには当時の写真や掲載誌、直筆の歌詞などを収めたブックレット。この豪華4点セットで構成される『HEAVY GAUGE Anthology』は、いわば、家族だけが知っている出来事や歴史を一冊に凝縮した、何度も手にとって見返したくなるフォトアルバムのようなもの。楽曲だけのCDアルバムとは重みが違います。
本当にコアファン向けのアンソロジー(値段も8,281円とゴージャス!)が、今なお5000枚以上も売れること。これは凄い事実だなと思います。1つの時代を極めるというのは、こういうことですね。私も久しぶりに「Winter, again」が聴きたくなりました。(石井恵梨子)