人気の韓国ドラマ『39歳』が音楽劇に! 劇中と重なるキャスティングにも注目
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音楽劇『39歳』稽古の様子 左から)夢咲ねね、朝夏まなと、七海ひろき (撮影:藤田亜弓)
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すべて見る2022年に動画配信サービスでオンエアされると、“いま一番泣ける韓国ドラマ”として日本でも話題になった『39歳』。高校生の頃に出会い、さまざまな人生の節目を励まし合って進んできた3人が、39歳という年齢を迎えて抱いた想いとは……。今回は世界初の舞台化、さらに音楽劇として贈る。
出演は、皮膚科医のチャ・ミジョに朝夏まなと、演技指導者のチョン・チャニョンに七海ひろき、そして百貨店の美容部員チャン・ジュヒに夢咲ねねという、こちらもほぼ同時期に宝塚歌劇団に入団した3人。今は俳優として活躍する3人が、劇中の関係性そのままにどう役どころを演じていくのか注目だ。それぞれの“相手役”として相葉裕樹、前田一世、高橋健介という演技巧者に加え、小島聖、あめくみちこ、佐戸井けん太ら実力派キャストも出演。確かな人間描写で多くの作品にひっぱりだこの小山ゆうなが演出を、韓国ミュージカルで躍進中の若手キム・ヒョウンが音楽を手掛けるなど、スタッフ側も贅沢な顔合わせが実現した。8月に行われた稽古場取材会の様子をお届けする。
稽古場に足を踏み入れると、演出家と出演者たちは和やかな雰囲気で談笑中。朝夏がウォーミングアップしながら「緊張する~」と言うと、周囲の共演者も思わず笑顔になるなど、稽古場の温かさが早くも垣間見える。
この日の稽古披露は3場面で、まずは1幕プロローグ。献花のシーンでは全出演者が次々に登場し、物語の行方を静かに暗示する。続く回想の場面では、高校生のミジョ(朝夏)とチャニョン(七海)の出会いが描かれる。財布を落として落ち込むミジョも、ぶっきらぼうに助けるチャニョンも初々しい可愛さだ。2人はミジョのまだ見ぬ母親に会いに、とある飲食店へと出かけるのだが、そこで出会うのが店主の娘ジュヒ(夢咲)。性格もキャラクターも違うものの、同学年と知り意気投合する3人。あなたの母親は私じゃないと優しく諭すジュヒの母・あめくの存在感で物語は奥行きを増していた。



そのまま時は現代に移り、39歳になった3人がなじみの店で乾杯をするシーンへ。楽曲「To be best friends-そばにいて-」は、ドラマの色調をそのまま表すかのような繊細で温かいトーンが印象的だ。
2つ目の披露場面は、1幕3場。それぞれの日常と淡い恋模様、そして不安の始まりのシーンだ。医師となったミジョは、あるコンサートで同じ皮膚科医のキム・ソヌ(相葉)と出会う。ラフマニノフや芍薬など、原作ドラマでもポイントとなったキーワードは本作でもしっかりと登場。朝夏ミジョの生き生きとした瞳と、相葉ソヌの穏やかな声と佇まいが、大人の恋の予感を感じさせる。
美容部員の後輩の言葉から年齢のことが気になり始めたジュヒと、中華レストランのオーナーシェフ、パク・ヒョンジュン(高橋)との偶然の出会いの場面も楽しい。まっすぐに夢咲ジュヒを見つめる高橋ヒョンジュンの爽やかさ。その後、3人で「あの人とはどうなったの?」とつつき合うやりとりは、女友だちならではだ。
一方で、チャニョンと、仕事仲間の芸能事務所代表キム・ジンソク(前田)の関係性は少し複雑だ。考え込む七海チャニョンの横顔が切ない。それでも、ミジョのモノローグ「いつものおしゃべり、いつものお酒。そんな毎日が続くと思っていた」というのは、多くの“39歳”にとってごく当たり前の感覚だろう。

そして3つ目の場面は、2幕4場。病に侵されて残り少ない余命を生きることになったチャニョンが、ウィッシュリストの1つとして、両親の経営する店を改装しようと仲間たちと集まったシーンだ。そこへ呼んでいなかったヒョンジュンが現れる。恋人がいると思って呼ばなかったと言うジュヒに、もう別れたとサラリと告げるヒョンジュン。嬉しさを隠せない夢咲ジュヒの笑顔がなんともキュートだ。さらにカラオケを見つけたミジョが歌い出すと、6人の歌の輪が広がってゆく。そんな友愛の温かさがじんわりと広がるシーンの後、ミジョと2人きりになったチャニョンは、自分がいなくなった後の“送り状リスト”をミジョに渡す。大切な友人に気持ちを伝える七海チャニョンと、想いが溢れる朝夏ミジョの表情が胸に迫った。


ドラマと同じ関係性の演者たちの提案を取り入れて
シーン披露を終えた後、朝夏、七海、夢咲と、演出の小山、音楽のヒョウンの5名で取材会がスタート。
全12話の原作ドラマを約2時間半の音楽劇にまとめるにあたって、小山は「(エピソードの)どこを取ってどこを残すかというのは、演者の3人とも相談しながら進めました」と明かす。
「高校時代からの友情という説得力は、もう稽古を一度見たら“すでにある”と分かったので、そこのところをより素敵な形でお客様に届けられたらいいなという気持ちです。観た方にはそんな素敵な“何か”をたくさん持って帰っていただければと思っています」と小山は続けた。
朝夏も「やっぱりチャニョンとジュヒと一緒にいるシーンがすごく心地が良くて、なんだか家に帰ってきたみたいな安心感があるんです(笑)。だからその空気感から生まれたものを、小山さんにご提案しています。スタッフの皆さんが柔軟性のある方たちばかりなので、稽古場で皆で作っている感じがあり、とても充実しています」と話す。
隣で七海もうなずきながら、「3人で一緒にいるときの、この安心感(笑)。気持ちが穏やかになる瞬間ですよね(笑)。それが舞台を通してお客様に届けばいいなと感じています。他のキャストの皆さんとも日々お芝居の話ができているという充実感があるので、9月5日の初日に向けて、このまま精一杯頑張っていきたいです」と語る。
夢咲は、「本当に12話もあるドラマをどうやって1本に? と思っていたんですけど、(物語がテンポよく進むために)登場人物がずっと舞台上にいる感じなんです。私の出番も思ったより多くて、今はいっぱいいっぱいなんですが(笑)、ドラマを愛してくださっている方にも観たことのない方にも楽しんでいただけるよう、稽古していきたいです」と本作への想いを語った。
また、楽曲制作について問われたヒョウンは、「(音楽劇ということで)これは舞台版だけの魅力をお伝えできる機会だなと感じました。もちろん原作ドラマもとても素敵で、私の中でも大切な作品として記憶に残っていますが、この日本版の台本から私たちの舞台『39歳』を作っていこう、この感性を大切にしていこうと言い合って、日本のクリエイターの皆さまたちと一緒に作業を進めました(脚本・坂口理子、作詞・長田育恵)。それが非常に(楽曲制作の)力になったと思っていますし、作品に寄り添って奏でられるような音楽をという気持ちで制作しました」と明かした。
ヒョウンの言葉に、「素敵な曲ばかりで、歌わせていただけて幸せ」(朝夏)、「身体にすっと入ってきて優しい気持ちになる」(七海)、「役の心境を歌で表現できるのは、音楽劇ならでは」(夢咲)と、それぞれに曲の味わいを噛みしめている様子の3人。ますます期待の高まる稽古場取材会となった。

取材・文:藤野さくら 撮影:藤田亜弓
<公演情報>
音楽劇『39歳』
原作:SLL ユ・ヨンア
脚本:坂口理子
作曲・編曲:キム・ヒョウン
作詞:長田育恵
演出:小山ゆうな
出演:
朝夏まなと 七海ひろき 夢咲ねね
相葉裕樹 前田一世 高橋健介
篠山輝信 伊島青/
小島聖 あめくみちこ
佐戸井けん太
ほか
【東京公演】
2026年9月5日(土)~13日(日)
会場:IMM THEATER
【大阪公演】
2026年9月18日(金)~24日(木)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/39yo/
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