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『東京独身男子』AK男子の課題点が明らかに 仲里依紗と小野武彦の鋭い指摘にうなる

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リアルサウンド

 高橋一生、斎藤工、滝藤賢一の3人がアラフォーの“AK男子=あえて結婚しない男子”を演じる『東京独身男子』(テレビ朝日系)、第5話は彼らがAK男子たる所以に切り込んだなかなか示唆に富んだ放送となった。

 まずメインストーリーの太郎ちゃん(高橋一生)。ようやくかずな(仲里依紗)に落ち着くかと見えた彼の元に突如現れた元カノ舞衣(高橋メアリージュン)。慣れない海外での新婚生活、旦那とのすれ違いから起こった喧嘩をきっかけに急遽帰国したという舞衣は行くあてもなく、太郎宅を訪ねてきたのだった。そこからかずなと舞衣と奇妙な3人での共同生活が始まる。

 他人との、しかも3人での生活に太郎は思わず「朝食に好きでもないメニューを食べさせられ、洗面所も順番待ち。仕事だって自分のキャリアなのに自分だけでは決められない」とこぼし、「結婚したらずっと空間そのものを他人と共有し合うことになるんだろ」と早くも結婚に対して及び腰である。

 そんな太郎の様子を見かねたかずなから鋭い指摘が入る。「太郎ちゃんが好きなのは私でも舞衣さんでもない。結局自分なんだよ」「だから他人といると息が詰まる、1人が良い」と。

 これは巷に溢れるAK男子にとっては耳の痛い一言だろうが、的を射た真理だ。第1話で三好(斎藤工)も「結婚は女に自由を与え、男から自由を奪う」なんて声高らかに叫んでいたが、その考え自体に首を傾げたくなる。他人との共同生活においては互いの歩み寄りが大前提であり、自分ばかりが制限される側だと考えるのはいかがなものか。

 同じく第1話で太郎ちゃん自身が今後の自分の身の振り方について力説していた際「1人で生きていく覚悟(=独身)」をとるのか「誰かと一緒に生きていく責任(=結婚)」をとるのかという二択を掲げていた。今の太郎ちゃんの考え方は後者で言うところの「責任」をはなから放棄しているようにも見える。

 さて、サイドストーリーとして展開しているのは透子(桜井ユキ)を巡る三好と岩倉(滝藤賢一)の三角関係。透子が東京タワーをバックに今晩一緒に過ごす相手をコイントスで決める。この設定、絵面ともにトレンディーそのもので、優柔不断な太郎のドタバタ物語とはまた違った大人な風情を楽しめる良いスパイスになっている。

 岩倉の父・和雄(小野武彦)が危篤騒動を起こし、たまたまそれに立ち会った透子。透子へのお礼がしたいとゲストルームで食事会を開くが、そこで彼女が結婚に興味がないAK女子であることが発覚。

 かねてから「ここまで独身を貫いてきたんだから、この女性と巡り合うために俺は独りだったんだって思えるような素晴らしい女性と結婚したい」と熱望していた岩倉にとって、透子はようやく出会えた貴重な該当女性。だが皮肉なことにその透子には結婚願望がないと知り、「老後を考えると結婚できないなら意味がない」とすぐに引き下がろうとする。

 そこで和雄が断言した一言「結婚してようがしてまいが、子どもがいようがいまいが、結局人は1人さね。でもこの身体になって思うが、今まで自分に嘘付かんと踏ん張ってきたから胸張れるさね」。

 太郎はネガティブな意味で、岩倉は希望を込めてポジティブな意味合いで、それぞれ「結婚」が大きく自分の人生や生活を変えるものだと思い込んでいる節があるが、和雄の一言がそれを一蹴してくれている。

 さて第2話でのアジェンダが自分の身にも降りかかった三好の元に、今度は招かれざる客・元妻が現れる。さらに、今回第5話のアジェンダ「尽くすと相手は戻ってくる 恋のブーメラン現象」なのか、舞衣から「やっぱり友達じゃ嫌」だと迫られた太郎ちゃんは一体どうするのか!?

 最初は「俺らが本気出せば結婚なんてすぐ出来る」と言わんばかりの余裕を見せていたAK男子3人衆の課題点も明確になってきたところで、彼らはそれをどう乗り越えていくのか。ここからお手並み拝見だ。(文=楳田 佳香)