ハンガリー国防軍が全面協力!『オペレーション:カブール 極限救出48時間』監督が追求した“リアリティ”
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インタビュー
『オペレーション:カブール 極限救出48時間』 A SARKANYOK PRODUKCIO KFT es az MTVA (C) 2025
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すべて見る2021年8月、米軍がアフガニスタンからの撤退を開始。多くの人々がカブール空港に押し寄せ現地からの脱出を試みる中、ハンガリー軍は自国民と現地協力者200名を救出すべく兵士を送り込んだ。タイムリミットは48時間! という実際の作戦をハンガリーの監督ゾンボル・ディガがハンガリー国防軍の全面協力を得て映画化したのが『オペレーション:カブール 極限救出48時間』。すべての撮影を国内で行ったというが、アクションも風景もそうは見えないリアリティ! ディガ監督に舞台裏を訊ねてみた。
──この企画はあなたのアイデアから始まったんですか?
ディガ いや、脚本家(アーロン・ホルヴァス)から始まったプロジェクトなんだ。彼はこの脱出作戦を聞いていたく感動してしまい、ぜひとも映画化したくなった。で、とにもかくにもまず脚本を書いてみた。それをあるプロデューサーに持っていくと興味をもってくれて、今度は彼がハンガリー国防軍に持っていった。彼らの答えは「これは絶対に映画化すべきだ!」だったそうだ(笑)。その後だよ、私が参加したのは。そのプロデューサーが連絡してきてオファーされ、引き受けたんだ。
──こういう戦争映画というかアクションが得意だったんですか?
ディガ アクションの経験はたくさんある。でも、私が得意なのは人間を描く方。たとえアクションであってもキャラクターを中心に考えるので、そこが評価されたんだと思っている。初めて脚本を読んだとき、真っ先に頭に浮かんだ映像は、山と積まれたバッグから水のペットボトルをかき集め、それをみんなに配る少女だった。そのときカメラ位置まで決めちゃっていたから(笑)。
もうひとつは、ひとりの兵士が少年を抱え、降りていく壁の間をスライディングして通り抜けるシーンかな。実はこの兵士、最初の脚本だと男性だったんだけど、私が女性に変更したんだ。そのとき頭に浮かんだのが女性兵士だったからだよ。
もうひとつ理由があるとすれば、私は現場のコミュニケーションをとても大切にする。映画を作る上で重要なのは、コラボレーションだと考えているから。

──軍が全面協力してくれたそうですが、それはハンガリーの映画界ではよくあることなんですか?
ディガ いや、ハンガリー国防軍がここまで協力的だったのは後にも先にもこの映画だけだと思う。そもそもこの手の映画がハンガリーで作られることが稀だというのもあるけれど、私も驚くほどの協力っぷりだった。たとえば、もうちょっと派手な爆破シーンがほしいというと、すぐにOKしてくれて翌日には準備してくれるという具合。まあ、映画の核になっているのは彼らの英雄的な脱出作戦なんだから、当然と言えば当然なんだがね(笑)。しかも、彼らは何ひとつ口出ししなかった。要求に応えてくれて口出しもナシ。素晴らしいよ。軍と撮影クルーが一緒になってゴールを目指した感じで、本当の意味での協力体制が生まれたと思う。
ハリウッド映画製作の経験を活かし、ゼロからつくり上げた世界観

──ハンガリーでは近年、ハリウッド映画の撮影がよく行われていますが、それに関わることで映画製作の意識が変わりましたか?
ディガ その影響は大きいと思う。私自身はそういうプロジェクトには直接的には参加していないんだが、この作品のスタッフの多くは、そういう撮影現場を経験した者たち。ハリウッドの映画製作で学んだことを、爆破やVFX、スタント等で活かしてくれた。それがなかったら、おそらく生まれなかったと言ってもいいくらいだ。

──すべてのシーンを自国で撮影したと伺っています。あの世界を創り上げるのは大変だったのでは?
ディガ 一番大変だったのはまさにそこなんだ。一からつくるのではなく、ゼロからつくらなきゃいけなかった。最初、私と助監督、撮影監督、プロダクションデザイナーの4人で集まり、いろんなことをチェックした。
たとえば、こういうセットを作れるかと聞くと「無理」。じゃあ、こういうのは?と聞いても「無理」。既存のものは何ひとつなかったと言ってもいいくらい。それを丁寧にひとつひとつクリアして、当時のカブールの“空気感”を再現できるまでになった。スタッフには感謝しかないよ。
そういう中、もっとも大変だったのはエキストラを集めることだった。少なくとも500人は欲しかったんだけれど、ハンガリーにアフガン人はそんなにいない。隣国に声をかけ、最後には中近東の人なら誰でもいいとなり、それでも足らないので自国の少数民族にまで加わってもらった。結果的に多国籍のエキストラになったけれど、数を諦めなかったおかげで臨場感が出たと自負している。

──ちなみに、もっとも好きな戦争映画は?
ディガ 私はジャンルを問わず観る方なんだけれど、戦争映画といわれて最初に頭に浮かぶのはロシアの『炎628』(1985)だね。今回、参考にしたわけではないとはいえ、あれは本当に凄い映画だと思う。
取材・文:渡辺麻紀
<作品情報>
『オペレーション:カブール 極限救出48時間』
9月11日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
A SARKANYOK PRODUKCIO KFT es az MTVA (C) 2025
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