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後日談描いた『コンフィデンスマンJP 運勢編』はオマージュの嵐! ダー子の弟子・モナコの奮闘も

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リアルサウンド

 2018年にフジテレビ「月9」枠にて放送されたドラマ『コンフィデンスマンJP』が、スペシャルドラマとして帰ってきた。5月17日に公開された映画『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』に続き、5月18日に放送された『コンフィデンスマンJP-運勢編-』は映画の後日譚が描かれた。

【写真】リチャード(小日向文世)が本気で惚れた波子(広末涼子)

 運勢編はその名の通り、詐欺師たちの運勢についての話がテーマだ。運勢最悪のダー子(長澤まさみ)は、リチャード(小日向文世)、ボクちゃん(東出昌大)を巻き込み無茶を強いてしまい、3人は仲違いしてしまった。しかしダー子には秘策があった。今回もハラハラする展開が続くが、ここで終わらないのが本作のポイント。最後まで観ていると、思わずダー子の詐欺手口に騙されてしまう。ちゃんと最後はいつもの大どんでん返しが待っていた。ラストの種明かしのシーンでは、ボクちゃんがダー子に「君の手口は無駄が多すぎる」と告げる。しかしダー子は占いの結果に合わせ、わざと苦労するように仕向けていたという。最後には神様までも騙し、再度強運を手に入れたのであった。華麗な手口でついには神までも欺いたダー子。次は詐欺の手口としてアイドルになると天真爛漫な姿を見せていた。

 作品の序盤から、相変わらずの破天荒ぶりを見せるダー子と、有名作品や著名人へのオマージュたっぷりの演出でSNSを沸かせる本作。今回は、『君の名は。』や『ラ・ラ・ランド』、サンシャイン池崎や黒柳徹子、ムツゴロウのモノマネなど王道のパロディを貫いた。さらに今回はゲストで登場した女優、広末涼子にあやかってタコ公園を出演させるなど凝った演出になっている。ボクちゃんが電話をしているシーンで映るタコの滑り台は、過去に広末がドコモのCMで滑っていた滑り台をオマージュしたものだ。広末ファンにとっても嬉しい演出になっただろう。

 豪華ゲスト俳優陣は広末だけではない。運を吸い取ると言われる悪徳投資家には北村一輝が、ボクちゃんが働き始めた遺品整理会社の社長を中山美穂が演じ、それぞれ妖しい魅力を放った。これだけの役者が揃うと、画面は一気に華やかになり、テンポのいい会話劇に個性的な役者のスパイスが加わり、ちょっとしたシーンですら思わず画面を見入ってしまう。広末の悲哀に満ちた表情や、中山の悪女ぶりは眼を見張るものがあった。しかしそんな中でも、ひときわ目立ちしっかりと先頭を走る長澤は、名実ともに『コンフィデンスマンJP』シリーズを引っ張る座長として申し分ないだろう。

 長澤といえば、清純、真面目といった印象の役が多いが、本作では思い切った顔芸やモノマネを見せている。今まで別の作品で見てきた長澤とのギャップに、『コンフィデンスマンJP』シリーズを観慣れていない人は驚くだろうが、”ダー子”という役は実はかなりのハマり役なのではないかと感じる。長澤の同世代でここまで思い切った芝居ができる女優はなかなかいない。さらにあれだけの俳優陣が出演していても、自身の力で作品を引っ張る度胸も素晴らしいと感じた。本作と映画では、ダー子に織田梨沙演じるモナコという弟子が出来ていた。作品、若手の役者たちを引っ張り続ける存在としてもこれからも輝き続けていくに違いない。

(Nana Numoto)