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新妻聖子と蘭寿とむが“ワンちゃん”と共演!『101ダルメシアンズ』

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ミュージカル「101ダルメシアンズ」制作発表記者会見より、左から)石丸さち子、新妻聖子、蘭寿とむ、ジミー・グライムス

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2022年にロンドンで初演されたミュージカル『101(ワンオーワン)ダルメシアンズ』は、現在もイギリス全土で大人気の話題作。原作は、イギリスの作家ドディー・スミスの児童文学「ダルメシアン 100と1ぴきの犬の物語」で、絵本やアニメ映画、実写映画などさまざまな形で愛されてきた本作が、ロンドン発らしい刺激的でセンスあふれる世界観と奥行きある物語のミュージカルとして舞台上に立ち現れる。
その日本版初演で主人公となるクルエラ・ド・ヴィルをWキャストで演じるのは、新妻聖子と蘭寿とむ。数多の名舞台を世に送り出してきたふたりだけに、世紀の悪女でファッショニスタのクルエラをどう演じるのか注目だ。さらにクルエラが追い掛け回す“ワンちゃん”たちは、役者と、役者自身が動かすパペットで演じられるのも見どころ。8月28日に新妻と蘭寿、訳詞・翻訳・演出の石丸さち子、そしてパペットクリエイターでパペットディレクターのジミー・グライムスも加わっての制作発表が行われた。

制作発表が始まると、会場のドアが開いて父犬ポンゴと彼を操るグライムス(本番では村井良太)が登場。本物の犬さながらのなめらかな四肢の動きで駆け回り、司会者からエサをもらって嬉しそうに吠えたり、抽選で選ばれたオーディエンスや取材陣がいる会場中を興味深げに見回したり。その息遣いあふれる様子は“キャラクター”を超えて、まさに“生きている犬”そのもの。次いで、ポンゴの息子で子犬のパッチと彼を操るパペットアシスタントのJIJO(本番では山本咲希)も登場。ポンゴとパッチは鼻づらを突き合わせ、臭いをかぎ合うなど犬特有の繊細な動きを見せる。

すると、突然ポンゴがステージ上手を警戒し、ポンゴを守るように唸り声を! 何が起きたのか見守っていると、白と黒のヘアスタイルに同じく白と黒のゴージャスな毛皮、そして真っ赤なグローブをはめた新妻クルエラと蘭寿クルエラがステージに登場! 逃げてゆく2匹を不敵な笑みを浮かべて見つめながら、そのまま“私は動物好き”と歌うナンバー「アニマルラバー」のお披露目へ。ジャジーでゴージャスな曲調とふたりの歌声に聴き惚れていると、“いつも(動物と)一緒にいたいの”という歌詞は、次第に“靴や毛皮にして”へと移り……。不穏さが増す中、最後にクルエラふたりが“欲しいのよ、ダルメシアンー!”と歌い上げると、観ているこちらも恐怖と興奮が入り交じる複雑な心境に。さすがはヴィラン(個性とカリスマ性のある、物語の中で重要な役どころの悪役)! と、早くも大満足の歌唱披露となった。

その後は新妻と蘭寿、そして石丸と、ポンゴを携えたグライムスも登壇し、挨拶と質疑応答へ。

石丸は「たくさんの魅力が詰まっているミュージカル。(犬役の俳優たちと、かれらが動かす)たくさんのパペットたちがグルーブ感満載で歌う様子は本当に可愛らしいですし、そんな犬たちが冒険をしていく物語と、犬だからこそ歌えるまっすぐな歌詞には心が打たれます」と本作ならではの魅力をアピール。
「そしてクルエラは、日本版では、よりかっこよく、よりロンドンのファッション界のトップランナーとして“欲望に忠実に生きて美しくなる女”としました。お稽古でこのおふたりが演じてくださるのを見て、最高のヴィランになると確信しました!」と石丸は熱く語る。

次いで、穏やかな笑みを浮かべたグライムスが「日本に来て稽古場で皆さんと過ごしていて、本当にワクワクしています。犬役の皆さんには何週間もパペットトレーニングをしてもらいました。走り回り、吠えて、遊びまわる犬たちを表現するトレーニングは大変だったと思うのですが、皆さんが早く習得してくださったので、来日前の不安は吹き飛びました」と満足げにコメント。
「そこからさらにパペットを息づかせて、それぞれのキャラクターの魅力が備わっていくことをとても楽しみにしています」と話した。

“ワンちゃん”たちのエネルギーに負けないように

傍らで聞いていた新妻は、「クルエラを演じられることにとてもワクワクしています。素敵な蘭寿さんや石丸さん、ジミー(・グライムス)さんらスタッフさんたちと一緒に日本初演を作っていくことにも燃えています。初めての本読みでは、私は悪いクルエラでいないといけないのに、自分が出ていないシーンで4回泣きました。鬼の目にも涙です!」と話し、会場中から笑いが起きる。
「とにかくこのミュージカルは本当にいい作品。私は嘘を言えない性格なので、信じてくださいね(笑)。これは犬目線で描いている“家族”の物語なんです。誰もが持っている心の温かい場所をチョンとつつかれて泣いてしまうと思いますし、お子さんもご覧になったら、クスッとかアハハと笑ってしまうのではないかと想像しています」と本作への想いを語った。

蘭寿も、「あの“ワンちゃん”たちの世界観がミュージカルになると聞いて、『これは絶対楽しい』と思いましたし、素直に『出たい!』と感じました。さらにクルエラ役ということで、“世紀の悪女”。これも『究極の美を追求する悪女を作り込みたい……!』とすごく思ったんです。石丸さんとご相談した際に、クルエラは規格外の大きさの女、想いの大きさを持っている女だというのを言っていただいたので、そこを念頭に置いて作っていきたいと思います」と楽しげな表情を見せる。

質疑応答では、「犬役のパペットトレーニングではどんなことをするのか。またパフォーマンスではどんな点を意識して操作しているのか」という質問に、グライムスが急きょデモンストレーションを披露。
「トレーニングの1日目は犬の走り方です」と、広い草原を駆けるような走り方(フロントバックラン)と、街中で軽く駆け寄るような走り方(バックフロントラン)をやってみせる。たしかにその違いは明白で、オーディエンスからも思わず「おおー!」という声が。
他にも、ちょっと地面をかくような脚の仕草や、頭を低くして警戒するような体勢など、私たちが普段見ているはずなのに、意識しなければ思い出せないような繊細な動きを次々と繰り出すグライムス。また、犬が耳をそばだててからそちらの方向を見る動きや、ふと立ち上がって様子をうかがう動きなど、思わず「あるある」と言いたくなるようなワンちゃんの仕草が目白押し。“息遣いや感情をいかに表現して、パペットに魂をいかに込められるかということが大切”というグライムスの言葉が印象的だ。

その様子を見守っていた新妻は、「稽古場で他の共演者さんが、パペットは目の色を変えることが出来ないのに、ジミーさんのパフォーマンスに対峙していたら、悲しいという感情が伝わってきて涙がこぼれた、と言っていました。そういう風に役者さんとパペットがガチッとハマったら、本当に大きなエネルギーになってクルエラに向かってくると思うので、こちらもちゃんと強く立っていないと! って思っています」と語る。
蘭寿が「“ワンちゃん”たちが、もうそこに存在しているんですよね。個性豊かでいろいろな性格のワンちゃんたちが歌っているのを見て、私も涙が止まらなくて」と話すと、石丸も「クルエラのふたりが一番泣いていたね(笑)」と稽古場の様子を明かす。
続けて蘭寿が「そうなんです(笑)。今でさえこうなので、これからさらに(お役とパペットに)命が吹き込まれたら、どれだけ大きな力が生まれるのだろう? と期待が膨らんでいて。私もクルエラとして太刀打ちできるのだろうかと、少し不安になったくらいなんです」と率直な心境を語ると、隣で新妻も大きくうなずいていた。
クルエラに楽曲に、それぞれの犬の役に、そのパペットパフォーマンスにと、本作でしか観られない見どころがぎっしり詰まった本ミュージカル。興奮のうちにいっそう期待の高まる制作発表となった。

取材・文/藤野さくら

<公演情報>
ミュージカル『101ダルメシアンズ』

原作:Dodie Smith
作詞・作曲:Douglas Hodge
脚本:Johnny McKnight
舞台版脚色:Zinnie Harris
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子

出演:
クルエラ・ド・ヴィル:新妻聖子/蘭寿とむ(Wキャスト)
ポンゴ:村井良大
パーディ:土井ケイト
トム:鈴木勝吾
ダニエール:川添野愛
キャスパー:島田惇平
ジャスパー:永田崇人

リンダ:高橋 愛

パッチ:山本咲希
スパッド:山城 力
ボタン:有馬爽人
ハムレット:風間由次郎
タビー:可知寛子

石井千賀、小原悠輝、坂田隆一郎、谷口あかり、舩山智香子、宮河愛一郎

※Wキャストの出演回は公演オフィシャルサイトをご確認ください。

【東京公演】
2026年10月13日(火)~29日(木)
会場:日生劇場
【大阪公演】
2026年11月7日(土)~15日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/101dalmatians/

公演オフィシャルサイト:
https://www.umegei.com/101dalmatiansjp/