BTS、BLACKPINKらK-POPグループのワールドツアー相次ぐ 欧米での公演が盛り上がる背景
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5月4日、アメリカのロサンゼルス、ローズボウルスタジアムでBTS(防弾少年団)のワールドツアー『BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF:SPEAK YOURSELF’』が幕を開けた。今回のワールドツアーは、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本などを回る大規模なツアーとなり、話題を呼んでいる。
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BTS以外にもBLACKPINK、MONSTA X、NCT127など様々なK-POPグループたちのワールドツアーが相次いでいる。今回は、アメリカを中心としたワールドツアーを行うK-POPグループの海外人気について考察してみたい。
■アメリカのスタジアムを埋めたBTS
BTSがワールドツアーの最初の場所に選んだのは、アメリカ、ロサンゼルスだ。今までもBTSはこまめにアメリカに渡りコンサートを行ってきたが、今回は規模が全く違う。会場となったローズボウルスタジアムのキャパは約9万人だ。日本の日産スタジアム(約7万人)以上の規模ということになる。このコンサートのチケットは完売し、BTSのアメリカでの人気の高さを見せつけることになった。
また、イギリスでは有名なウェンブリースタジアムでコンサートを行うことになっている。ウェンブリーもローズボウルと同様、約9万人のキャパを誇る大きなスタジアムだ。しかし、このスタジアムは大きいだけではない。今まで大物アーティストやQueenの映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも話題になった『ライヴエイド』コンサートを行ってきた伝説的な場所なのだ。その場所で韓国のアイドルグループが単独でコンサートを行うというのは、とんでもない偉業だと言えるだろう。
アジアのグループが何万人も入るスタジアムでコンサートを行うこと自体が驚くべきことだが、大規模なワールドツアーというあたりも、現在のBTSの世界的な人気のか高さをうかがわせる。もはや彼らは韓国の1アイドルグループではなく、BTSという1つのジャンルになったのかもしれない。
■なぜ欧米のK-POPファンたちはコンサートで熱狂的なのか
冒頭でも触れたように、今、BTS以外のK-POPグループたちもこぞってワールドツアーを行っている。もちろん、BTSの人気の流れに乗っている部分もあるかもしれないが、世界中の人々がK-POPグループの魅力を感じているからこそ、様々な国に呼ばれツアーを行うことができるのだろう。遠く離れた日本に届く情報だけで見ていると、欧米では“K-POPブーム”が訪れているように感じるが、本当はどうなのだろうか?
アメリカに暮らす日本人のK-POPファンに話を聞いたところ、チケットが完売しているコンサートは実際まだ少ないという。以前と比べると若い世代を中心にK-POPのファンは増えているというが、その8割くらいはBTSのファンだという。
ファンの数はまだまだ日本ほど多くはないものの、コンサートやイベントにおけるファンの盛り上がりは日本にも負けていないという。会場では、コンサート前にファンたちが集まり、K-POPグループの楽曲によるランダムダンスが始まり、知らないファン同士で踊ったりするのだという。“特定のグループのファン”というよりも“K-POPのファン”が多いのが特徴なのだそう。コンサート中も韓国語の楽曲を大合唱し、曲中の掛け声も完璧だというから驚く。
欧米から見ると、アジアの一国である韓国は遠い国だ。そう簡単に行ける距離ではない。つまり彼らにとって韓国のアイドルを見ることは容易ではないという事情がある。そのため、リアルに見聞きできるコンサートには計り知れない熱い想いで挑んでいるのだろう。国民性の違いも多少あるかもしれないが、なかなか見られない、会えない“憧れのアイドル”という希少性もあり、熱狂的に盛り上がるのかもしれない。
■ワールドツアーを定着できるかが今後のポイントに
日本国内においてK-POPという言葉が使われるようになったのは1990年代だという。それから約20年の月日が経ち、日本ではすっかりK-POPというジャンルが定着し、多くのグループやアーティストたちが日本でコンサートツアーを行い、アリーナやドームクラスの会場を埋めるまでになった。しかし、こうして定着するまで誰もが最初は小さなライブハウスから始まっていた。
欧米ではBTSが起爆剤となってK-POPブームが起きている。BTS以前よりK-POPグループたちは幾度となく欧米進出を試み、ツアーなども行ってきたが、なかなか定着しなかった事実がある。今回のブームをきっかけに多くのグループがワールドツアーを行うことが当たり前になり、それがしっかり根付くようになれば、日本のようにK-POPというジャンルが欧米にも根付いていくのかもしれない。
BTSをきっかけにワールドツアーを行っていく中で、世界の多くの人たちに彼らのパフォーマンスの魅力を知らせていくことは、世界進出の大きな一歩になるのかもしれない。(西門香央里)