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「俺はなっちゃんが好きだ」 『なつぞら』吉沢亮が告げた広瀬すずへの最大のエール

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リアルサウンド

 NHKの連続テレビ小説『なつぞら』第8週の初日。昭和31年春、アニメーターになる夢を叶えるため、上京を果たすことになるなつ(広瀬すず)と家族との別れが描かれた。

 まずは先週北海道大学への受験に臨んだ夕見子(福地桃子)の合格発表から。大学から合否を知らせる書類が届き、柴田家はワクワクした様子で合否の知らせを待つが、夕見子は「1人で見る」と言ったっきり部屋から出てこない。家族でこっそり様子を見に行くと、そこには書類を手に眠っている夕見子の姿が。書類には「入学を許可する」の文字。気が抜けて眠ってしまった夕見子の姿に、柴田家も一安心だ。

【写真】抱擁を交わすなつ(広瀬すず)と天陽(吉沢亮)

 その夜、机に向かって絵を描くなつの横には明美(平尾菜々花)の姿が。明美は絵を描くなつを楽しそうに見つめていたのだが、ふと思いつめたような顔つきになり、なつに抱きつく。「わたしのこと忘れないでね」と言う明美。「わたしは、なつ姉ちゃんがいなかったときのこと、覚えてないから」「ずっと、なつ姉ちゃんはわたしのお姉ちゃんだよ」となつがいなくなることを寂しがる。明美を抱きしめるなつの表情は、正真正銘の「お姉ちゃん」だった。

 菓子屋・雪月で行われた送別会。集まってくれた皆の前で、なつは恥ずかしそうに思いを語る。育ててくれた家族への思いもあり、伏し目がちに言葉を紡ぐなつを励ましたのは、他でもない柴田家の人々だった。柴田家1人1人の顔が映し出され、なつの送り出す家族の思いが伝わってくる。

 そして、天陽(吉沢亮)が立ち上がり、「俺はなっちゃんが好きだ。それはこれからも変わらない」と伝えた。突然の告白に、天陽のなつへの思いを知る照男(清原翔)と正治(戸次重幸)、タミ(小林綾子)は驚いた表情を見せるが、天陽は拍手で旅立つなつの背中を押す。

 送別会には行かず、牧場に残った泰樹(草刈正雄)は、牛の世話をしながら1人静かに涙を流す。なつを普段通り送り出した泰樹が見せた涙は、なつを誰よりも強く応援し、誰よりも別れを寂しく思う彼の本心を伝えるものだった。

 なつにはかけがえのない「ふるさと」ができた。大切な人々との別れは名残惜しいが、ここからなつの東京での物語が始まるのだ。

(片山香帆)