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『スリーゴースト』で17年ぶり舞台の堺雅人 世界初演を前に「一緒に初めて生まれるものを楽しんで!」

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PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』初日前会見より(撮影:阿部章仁)

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堺雅人の17年ぶりの舞台出演作品となる『スリーゴースト』が10月7日(水)にPARCO劇場(東京・渋谷)にて開幕。初演を前に堺をはじめ、脚本のサイモン・スティーヴンス、演出のショーン・ホームズ、共演の倉科カナ、伊勢佳世、迫田孝也、sara、小日向星一、高畑淳子、段田安則が出席して会見が行われた。

世界的に活躍する劇作家サイモン・スティーヴンスが、数年後の世界を舞台に書き下ろした世界初演の新作となる本作。人が見る夢をデジタル化し、再現するというガジェット“リープマインド”の宣伝契約を勝ち取るべく、ジョー(堺)は妻・ハナ(倉科)との生活を顧みずに競争に身を削る日々を送る。ハナの姉・ミカ(伊勢)に癒しを求めるジョーだったが、2人の関係に取り返しのつかない亀裂が。そんなミカを心配し、ハナはジョーに疑問をぶつけるが…。姉妹の父・ケン(段田)、ジョーの母・マリ(高畑)ら周囲を巻き込みながら物語は展開していく。

2009年の『蛮幽鬼』(劇団☆新感線)以来の舞台出演となる堺だが「あっという間の稽古期間でした」と語り「毎日が演劇学校みたいで、教わったことがたくさんあります。今日、そんなに緊張していないのは、毎日緊張していたからなんだなと思います。毎日の稽古で、何かが起きると、ショーンさんが変えて、皆さんがそれにすぐ反応して、全然違う芝居になって、それを見てショーンさんがまた変えて…という感じでした。やはり“言葉”を信じて、物語を信じて、そこに立ち続けるというのが、とても大きなパワーなんだということを今回、改めて学びました。ショーンさんが、サイモンさんの言葉を誰よりも信じていて、その気持ちにみんなグッと引き寄せられていったような気がします」と充実の稽古期間をふり返る。

倉科も「サイモンさんの脚本は、読めば読むほど深くて、演じれば演じるほど『そうだったのか!』と気づきをもたらしてくれました。ショーンさんとのお稽古の日々は、本当に毎日が実験的で、つくっては壊して、どんどんブラッシュアップされていく感じがあり『演劇ならではだなぁ』と思いました。演劇って本当に自由で、表現の無限の可能性みたいなのを感じられて、より一層演劇を好きになる日々でした」と力強く語った。

伊勢は「サイモンさんに『ここはどういうことですか?』って聞いても『僕もわからない』って言われちゃうので、あんまり質問できなくて(苦笑)。でも『そうだよな、自分で悩んで考えるしかないんだよな』と思いました。ショーンさんが、いっぱい変えて、変えて、私も頑張ってチャレンジして…という日々だったんですが、ひとつも無駄じゃなくて、ショーンさんの力をお借りしていろんな可能性を探れたことは本当に豊かな時間だったなと思います」とうなずく。

ジョーの友人の眼科医・ユーゴを演じる迫田は「サイモンさんの戯曲は“百面相”みたいなイメージで、稽古をして、わかったつもりになって帰って、また稽古場に来てみると、他の方たちがやっているシーンが全く違った表情を見せてくる物語になってるんですね(笑)。それは別の物語になったんじゃなくて、芯は一緒なんだけど、いろんな表情を見せてくれる物語で、本当に毎日、稽古に来るのが楽しかったです。おそらく今日、初日を迎えて、この先もいろいろな表情を見せてくれると思うので、それを楽しみたいです」とワクワクした表情を見せる。

高畑は、自身の役柄を「サイモンさんの母ちゃんではないか?」と推測し、サイモンは大笑いで半ば肯定する。さらに、17年ぶりの舞台に臨む堺について高畑は「一番腹が立ったのが、堺雅人が何の苦も無く、ペラペラと膨大なセリフを言い腐るんですよねぇ……(笑)。これが素晴らしいです!」と絶賛していた。

段田は「これは本邦初演じゃなく、世界初です。世界83億人の中で、このケンをできるのは僕しかいないんです。この後、もっと良い俳優がやるかもしれませんが(笑)、とりあえず俺しかいない! そう思って、気楽に務めたいと思います」とリラックスした表情で語った。

脚本のスティーヴンスは、新作の日本での世界初演への喜びを口にし「今回、特に自分から距離のある文化で上演される作品として書いたからこそ、いつもよりパーソナルな作品となっていると思いますし、自分をさらけ出している感覚がいままで以上に強いです。いま、分断と孤立が強まり、恐怖に満ちた時代になってきていると思います。そしてヨーロッパでは確実にナショナリズムが色濃くなってきていますが、そうでなくて、国と国を越えて、よその文化に出かけていくということがとても大事で、自分のところでない場所に移動することで、初めて自分の真実というものが見つかるのではないか? それがこの戯曲の執筆を通して、僕が見つけたものだと感じています」と語った。

スティーヴンスとは四半世紀にも及ぶ付き合いであり、戯曲の準備からイギリス、日本での読み合わせやワークショップなど、6年もの歳月を費やして本作をつくり上げた演出のホームズは、本作について「唯一無二の作品になっている」と力強く語る。そして「僕は、変えることが非常に好きな演出家です。しかも、かなり遅い段階になって変えるということをよくしてしまう演出家で(笑)、それは大変なこともあったかと思いますが、キャストもスタッフの皆さんも非常に勇気を持って、そこに一生懸命に取り組んでくださって、良い作品をより良いものにするために皆さんが尽力してくださり、ここにたどり着けたと思っております」と日本のクリエイティブチームへの感謝と敬意を口にした。

前日のプレビュー公演を経て、いよいよ世界初演を迎えるが、堺は会見の最後に「初めての作品なので、当たり前ですが見方のマニュアルがまだないんです。喜劇かというと喜劇でもないし、悲劇かというと悲劇でもない…“何劇”という名前をこれからつけられるお芝居だと思うんです。なので、見方も含めて皆さん、探っていってください。僕らもよくわからなくて、稽古場でお芝居していて、劇場に入って昨日、お客様の前でやったら、また全然違う芝居になっちゃったんです(笑)。だから、それは皆様の責任でもありますから(笑)、一緒につくっているなという気持ちがしているので、一緒に世界で初めて生まれるものを楽しんでください!」と呼びかけた。

取材・文/黒豆直樹
撮影/阿部章仁

<公演情報>
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』

作:サイモン・スティーヴンス
翻訳:広田敦郎
演出:ショーン・ホームズ
美術・衣裳:ジョン・ボウサー

出演:
堺雅人 倉科カナ 伊勢佳世 迫田孝也 sara 小日向星一/高畑淳子 段田安則 ほか

【東京公演】
2026年10月6日(火)〜10月27日(火) ※10/6(火)=プレビュー公演
会場:PARCO劇場
【岡山公演】
2026年11月6日(金)〜11月8日(日)
会場:岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
【大阪公演】
2026年11月12日(木)~11月23日(月・祝)
会場:SkyシアターMBS
【愛知公演】
2026年11月27日(金)〜11月29日(日)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【宮崎公演】
2026年12月3日(木)〜12月6日(日)
会場:メディキット県民文化センター (宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
【福岡公演】
2026年12月10日(木)〜12月13日(日)
会場:J:COM 北九州芸術劇場 大ホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/threeghosts/

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