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NODA・MAP番外公演『THE BEE』(原作 筒井康隆「毟りあい」)11月開幕 初出演の高橋一生、想いを語る

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2006年にイギリスで世界初演され、07年には日本人キャストによる新演出版を上演。さらに12年、21年と再演を重ねてきた、野田秀樹の代表作のひとつ『THE BEE』(原作 筒井康隆「毟りあい」)。この傑作が5年ぶりに劇場に戻ってくる。主人公の井戸を演じるのは、21年の『フェイクスピア』、23年の『兎、波を走る』でNODA・MAPに参加し、ともに鮮烈な印象を残した高橋一生。信頼も厚い野田のもと、たった4人で紡がれるこの濃密な作品に、どう臨もうとしているのか。稽古開始前の高橋に、現状の想いを語ってもらった。

――三度目のNODA・MAPへの参加になります。オファーがあった時の心境は?

高橋:野田(秀樹)さんから「やろうよ」と言われたので、「はい」という感じです(笑)。僕は野田さんのすべてを知っているわけでもないですし、野田さんの本質的なものに触れられているかどうかもわからない。でもなんだか僕、野田さんのことがすごく好きだと思うんです。野田さんにならどう料理されようが構わないというか。手放しにそう言える方って、僕にとっては限りなく少なくて。それは対外的な評価という意味ではなく、野田さんと日常的に会話をしながら、一緒にお芝居を作っていくということがやっぱり楽しい。その野田さんが声をかけてくれたのであれば、「ぜひ」という感じです。

――『THE BEE』は再演を重ねる野田さんの代表作のひとつです。これまで接点は?

高橋:「こういう話で……」というのは聞いたことがありましたが、実際に観劇したことはありません。今回台本を読んで思ったのは、「野田さんがこの作品を続けていることの面白さはなんとなくこういうところなのかな?」ということです。人間は不定形な存在で、場所や(対する)人が変わってしまうと、あんなにもスイッチが変わってしまう。その曖昧さのようなものが描かれていて。暴力性について語られることも多い作品ですが、僕としては特に感じず。「これが人ですよね」という印象でした。

――演じられるのは、脱獄犯に妻子を人質に取られた男・井戸です。

高橋:人間として生きていれば、彼のようになりかけることって実は結構あるのではないかなと。やるか、やらないかは大きな違いではありますが、それをひょいと飛び越えてしまう瞬間というのは確実にあって、そうなったら人って……と思いますから。でもこれは俳優という職業病なのかもしれません。

――本多劇場に立たれるのは、13年の『ライクドロシー』以来となります。

高橋:本当に久しぶりですね。13年いろいろ経験してきて、また本多劇場でやらせていただけるというのは実に面白いなと。僕自身はなにも変わっていないんですが、下北沢という街はめちゃくちゃ変わってしまいましたよね。かつてよく行っていたお店も、ほとんどがなくなってしまって。でも今も変わらず本多劇場はあって、そこで4人だけで芝居ができる。それは本当にありがたいことだと思います。

――共演の二階堂ふみさん、河内大和さん、川平慈英さんに対する印象は?

高橋:皆さんあまり存じ上げないんです。慈英さんとは『フェイクスピア』で共演していますが、プライベートでご飯に行ったりしたこともなくて。やっぱりお芝居で会話していることが多かったですから。ただあれだけ明るくて陽気な、かつ大人がいてくださるとやっぱり安心感はありますね。また二階堂さん、河内さんにしても野田さんが選んだ方ですから、なにも心配はしていません。

――ここ10何年で高橋さんへの注目度は一気に高まりました。その中でも舞台への出演はコンスタントに続けられていますね。

高橋:ここ10何年で思うようになったことですが、作品が世の中に及ぼす影響なんてなにもないな、そんなのおこがましいなということです。そんな中でこの先、僕ら俳優の顔が版権になって、それだけ使われて(AIなどで)作品を作るというようなこともきっと起こり得る。もしそうなった時に俳優の価値ってどこにあるんだろう? と思ったりして。それはそれでひとつの道として面白いとは思うんですが、人間はわがままなので、最終的に超アナログな世界に戻ってくるような気がするんです。そういった意味で演劇というのは、レアアース的なものになっていくだろうなと(笑)。そういうものこそ残っていくのではないか。そこは唯一希望なのかもしれません。

取材・文/野上瑠美子
撮影/荒川 潤
スタイリスト:Toshio Takeda(MILD)
ヘアメイク:小坂美由紀(MARVEE)

<公演情報>
NODA・MAP番外公演『THE BEE』(原作 筒井康隆「毟りあい」)

原作:筒井康隆 「毟りあい」
日本語脚本:野田秀樹
英語脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン
演出:野田秀樹

出演:
高橋一生 二階堂ふみ 河内大和 川平慈英

2026年11月2日(月)~12月6日(日)
会場:本多劇場

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/thebee/

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