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フラワーカンパニーズ、初のクアトロツアー開幕 実験的なステージで見せた進化と新たな可能性

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『フラカンのクアトロツアー 2026』 Photo:新保勇樹

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Text:川上きくえ Photo:新保勇樹

フラカンのライブを見続けて31年。いきなり結論を述べてしまうが、こんなに長いこと見てきたバンドがまだまだ進化する姿を目の当たりにし、私はまだ感動が冷めやらない。
意外にも、今回が初となるクアトロ・ツアー。その初日、裸にオーバーオールのグレートマエカワ、細かなチェック柄シャツの竹安堅一、白いツナギのミスター小西、Tシャツにカーディガン(爽やかな水色だったのが、しいて言えばおしゃれなクアトロ仕様?)の鈴木圭介といういつも通りの出で立ちの4人は、いつもとひと味違う感触の曲でライブをスタートさせた。

まずはそこで度肝を抜かれる。もちろん一曲目に適した存在感のある楽曲だし、演奏に込めた気合も抜かりはない。が、冒頭からハイスピードで飛ばす展開を想像していた者にとってはかなりの衝撃だった。そして、徐々に温まってきた客席を焚きつけるようにテンポをあげていき、ときにノスタルジックに、ときにアグレッシブに空気を塗り替えていく。気が付けば観客は、拳をあげて叫び続ける人、全身を揺らして乗り続ける人、曲にあわせて歌い続ける人など、それぞれのスタイルで目の前の音楽に没頭していた。みんな汗だく。でも必死さはなく、そこには恍惚感が充満していた。

MCでも話していたが、フラカンにとってクアトロは“おしゃれ会場”のイメージが強く、デビュー当時からどこか敷居の高さを感じていたという。もちろんこれまでにも何度かステージに立っているものの、ツアーとなるとまた違った緊張感もあるだろう。しかし彼らは、いつもと異なる緊張感漂うこのタイミングで、バンドの新たな可能性を見せることに着手した。曲の速さにかかわらず、歌われるテーマや背景の緩急が際立つ選曲。観客を乗せるよりもバンドの意志を優先することで、よりグルーヴが強化した歌と演奏。それらは、ああ、さっきの曲で湧きだした情熱は、この曲で腑に落とすためだったんだ、と伏線回収されていくような感覚を与える。音圧よりも先に刺さってくる演奏テクニックと、叫びより先にスパークする歌唱力は、今まで以上にフラカンの実力を伝える。世間を震わせたあの名曲も、骨組みの素晴らしさから味わえた。

とはいえ、当の本人たちの雰囲気はいたって普通。MCでは最近の情報漏洩ニュースの話から、鈴木の元に毎日のように届く迷惑メールの話で盛り上がる。「最近、目黒蓮から毎日のように来るんだよ。“ご無沙汰してます、目黒蓮です。例の件ですが”って」と、なかなかのしつこさに困りつつも、「いや、本人の可能性もある」ため邪険にできないという悩みを吐露し、爆笑を呼ぶ。そこに、同意を求められた竹安の「いや…目黒蓮という方を存じ上げなくて」という発言はどよめき混じりの笑いを呼んだ。こうしたやりとりも、相変わらずのキャラが確認できてほっこりする瞬間といえる。

終盤は、新旧混ぜこぜの曲を並べて心拍数を上げていく。分厚いサウンドと鈴木のファルセットが、その場の空気に熱いとろみを生む。一番新しいアルバムの曲もデビュー翌年に発売した曲も、同じ自由度で人々を煽る。最高に気持ちよく、楽しい時間だった。
それは、長年オリジナルメンバーでバンドを続け、年間80本以上のライブをやり、多種多様な300曲を超える楽曲を持つバンドだからできることなのだと思う。つまり、今のフラカンだからこそ成立するライブであり、彼らが新たな方法論を提示したステージでもあった。もっと言えば、そこにはフラカンとクアトロ、両方のブランド感が溶け合ったことによる、大人の嗜み的な味わい深さもあった気がする。

ライブ終了後、彼らはこのライブで得た確かな手ごたえと、今回のツアーについて語ってくれた。

「いやぁ、楽しかった。今回のツアーは、クアトロだからというわけではないんだけど、今までとちょっと違う感じでやってみようかってことだったんだよね。しかもクアトロは渋谷のど真ん中にあってライブハウスとクラブの間のようなイメージで、俺らと真逆のところにいるんじゃないかって勝手に敷居の高さを感じてた会場。でも実際は、今のフラカンの年齢とか演奏テクニック、人生観を見せるにはすごく合うんだなって思えた。クアトロだからっておしゃれなツアーにはならないけど(笑)、こういうマイナーチェンジはありつつ、今のフラカンならではのライブをこのあとの3箇所も見せられるんじゃないかな」(鈴木圭介)

「今回は照明さんのおかげでドラムの位置からもみんなの顔がよく見えて、楽しそうにしてくれてるなと僕もご機嫌で楽しくなりました。今年は「フォークの爆発」やその進化版の新たな試み「ミニマル巡業」などアコースティックなライブも多かったんだけど、そのおかげでエレキの良さを再確認できたんだよね。そういう意味で今回のツアーは、選曲的にも久しぶりの曲が多いし、速い曲じゃなくても勢いがある曲ばかり。ぜひ、これまでなかった感じを楽しみに来てください!」(ミスター小西)

「今回のツアーは、ちょっと実験的なことを試していて。今日もただ乗らせればいいってことではない、今後のための第一歩みたいなライブになったんじゃないかな。クアトロはどの会場も、地下のライブハウスと違って商業ビルの中にあるから、ライブハウスに行きづらかった人も来やすい。今年はアコースティックライブが多めだったぶん、暴れたかった人も満足できる内容になってるので、ぜひ気軽に来てほしいですね」(竹安堅一)

「むっちゃ楽しかった!今回のツアーはフォーマットはあった上で色々変えながら、実験的に進めていこうかなと思っていて。少し前まで演奏やライブの見せ方に関して、“コレが俺たちだよな”って決めつけとるところがあったんだけど、最近、自分たちのプレイも含めてもっといろんな可能性があるなって気が付いたんだよね。自分たちの理想に近づくためにできることがあると思えた。体力も集中力も若い頃より劣ってるかもしれないけど、激しく演奏することがテンションの高さではないし、バンドが良くなるためにまだまだやれることは多い。フラカンのライブはもっと楽しくなるということを、今回のツアーで実感してもらえるんじゃないかな」(グレートマエカワ)

ツアーはこれから広島・大阪・名古屋と続く。このツアーは、ここから先のフラカンにとって大きなターニングポイントとなるだろう。

<公演概要>
『フラカンのクアトロツアー2026』
10月10日(土) 渋谷クラブクアトロ

<公演情報>
『フラカンのクアトロツアー2026』
10月24日(土) 広島・広島クラブクアトロ
開場16:15/開演17:00

10月25日(日) 大阪・梅田クラブクアトロ
開場15:15/開演16:00

11月1日(日) 愛知・名古屋クラブクアトロ
開場15:15/開演16:00

【チケット情報】
前売:5,700円(税込)ドリンク代別途
高校生以下は公演当日、年齢確認書類の提示で2,000円キャッシュバック
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11011925

フラワーカンパニーズ オフィシャルサイト

https://flowercompanyz.com/

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