吉野北人×鈴木愛理「嘘をついたら絶対バレる?」親しい人との“秘密”と理想の関係
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インタビュー
左から)鈴木愛理、吉野北人 (撮影/稲澤朝博)
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すべて見る夫婦の勘違いがさらなる誤解を生み、ついには誰にも止められない大騒動へ!? 『昨夜は殺れたかも』で見ているほうが恥ずかしくなるほどラブラブな夫婦を演じたのが、THE RAMPAGEの吉野北人と鈴木愛理だ。二人とも相手に大きな秘密を抱えており、本心を出せない反動から、相手への疑念が殺意に変わっていくラブコメディー。コミカルなシーンも満載で掛け合いセリフを息ぴったりに演じた吉野と鈴木。初共演でありながら、インタビューでは劇中のシーンのようにテンポ感抜群のトークを繰り広げてくれた。
振り切った芝居で挑んだ“ちょっと変”な夫婦

――愛するあまりに殺意を抱いてしまう狂気に満ちた夫婦愛を描いた今作。最初に台本を読んだ時、どんなところが面白い作品だと思いましたか。
鈴木愛理(以下、鈴木) 原作は夫と妻のそれぞれの視点で描かれていて、そこがサスペンス小説ならではの魅力なんですよね。脚本は、小説よりポップに凝縮されていて、スラっと最後まで一気に読んでしまったくらい面白いかったです。ただ文字ベースで見て、面白い展開を映像でどこまで再現できるかなと思いましたね。
吉野北人(以下、吉野) 僕が演じる光弘が二面性のあるキャラクターで、役の心情がモノローグで丁寧に描かれていて、演じるのが楽しみだなと思いました。光弘と咲奈の殺し合いは、こんなやり方で殺せるのかって可愛らしくなるようなもので。撮影は、どんな風に撮るのか、イメージしながら読んだのですが、色々な想像が膨らむ作品だなと思いました。
鈴木 愛しているからこそ、疑い合い、殺し合う…。そんな深いテーマを、サスペンスタッチで届けられるのが面白い作品になったと思います。
――吉野さん演じる光弘は「荒川のピラニア」と呼ばれた元ヤクザの過去を持ちながら、今は普通のサラリーマンとしてふるまっており、鈴木さん演じる咲奈は年商100億のエステサロンを経営するカリスマ女子です。ちょっと普通ではない二人ですが、演じた役をどんな人物と捉えて演じましたか。
鈴木 咲奈のやると決めたらまっすぐで正義感の強いところは、カッコいいところ。女子の全ての要素を誇張したら、こうなるんだろうなというキャラクターだなと思いました。孤独に生きて来た光弘の全てを愛してあげて、1回大事にしたいと思った人に全力で愛情を注げるタイプだからこそ、殺したいという愛憎の念が沸くのは分かりますね。
吉野 そうなんですよね。光弘は両親の顔もよく知らないで育って孤独を抱えていて、一人で戦ってきた男なんです。義理人情もあって、信念が強いところもあって。人としての強さを持ちながら、繊細で不器用な部分もあって、すごい人間味のあるキャラクターなんです。だからこそ、今の幸せを守るためには元ヤクザということを秘密にしなくてはならないと、ひた隠しにできるんだろうなと思いました。
鈴木 咲奈は、本当は起業家のシゴデキなのに、家では専業主婦のフリをしていて。普通であることを極めているので、すごいです!

――確かに光弘は元ヤクザで、咲奈は世界を駆け回るカリスマ社長ということを隠して、夫婦生活を送っているという大きな秘密を持つ関係性ですが、よく隠し通せているなと驚きました。
吉野 いや、本当によく隠せますよね。普通はバレますよね?
鈴木 バレるでしょう。いい意味で令和っぽくないですよね。SNSで情報社会の令和だと隠し通せない要因がいっぱいあるもの。すれ違ってしまう姿は、昭和のドラマ「東京ラブストーリー」みたいな恋愛というか。ちゃんと確認し合わないんだ、ということがすごく多いのが令和の人から見たら、ちょっと非現実で面白いところなのかなって。
吉野 確かに。ちょっと大事なところを曖昧にしがちな夫婦ですよね。
鈴木 そう、お互いに相手に疑惑を持つんですけども、確認したら、揉めなかったことばかり。そこがもどかしいけど、可愛い夫婦だなって。
吉野 光弘は愛妻家なんですけど、普通は愛妻家だったら、妻の変化は気づくじゃないですか。見事に気が付かず、勘違いをして、お互いに良くない方向に向かっていくコミカルな展開が面白いと思いました。

――顔で笑って、心の中では、「殺られる前に殺ってやる!」という心の声のギャップがものすごくて面白かったです。演じ分けのコミカルなお芝居はいかがでしたか。
鈴木 どうでしたか?
吉野 いや、楽しかったです。結構、普段しないような表情をモノローグのところでは意識して作ったんですよ。その変化を楽しんでもらえるのもこの作品の魅力の一つだと思います。ここまで変な顔したのは、この作品が初めてかも(笑)。かなり振り切ったお芝居に挑戦できたと思います。
鈴木 分かります、私も。
吉野 自分が変な顔した時にちゃんと笑ってもらえたら嬉しいんですけど、ちょっとシーンとなったら怖いですよね。テンポ感も早くて、くすっと笑える場面があるので、面白いなと思ったら、笑ってもらえたら嬉しいです。
鈴木 ホント笑ってもらいたいですね。鼻血を出したりまでしてるので(笑)。コメディタッチなお芝居の部分は「思っているより、もっとやっていいよ」って監督から要望がありましたよね。監督はホラーやサスペンス作品が多いので、夫婦の家のシーンの時に「痒い、痒い」っていつもおっしゃっていて。できるだけ監督をむずがゆくさせるのが楽しみだったくらい。振り切ったお芝居をやっていたので、毎日、瞳孔が開きっぱなしでしたから(笑)。

切り分けている? グループとソロで見せる“別の顔”

――劇中の二人までではなくても、誰もが与えられた役割を演じたり、オンオフで顔を使い分けたりする人もいますよね。お二人はその辺り、いかがでしょうか?
吉野 僕はグループ活動と並行してソロ活動もやってますけど、もう全く別物というか。グループはグループでコンセプトがあって、そこに向かって活動していて。ソロでは自分がやりたいことを自由にやらせてもらってるので、別物だなという感覚があります。
鈴木 別物? 結構、切り分けている感じですか?
吉野 切り分けていますね。THE RAMPAGEでいる時の自分とソロでやっている時の自分は、自分でも全然違うなと思います。グループで歌っている時はすごく勢いを大事にしていて力んでいるような感じですけど、ソロの時はフワフワしてる感じなので。
鈴木 どっちが本当の自分ですか?
吉野 どっちも俺じゃないかも!?
鈴木 えっ、それ怖いんですけど!
吉野 あ、いや、ソロのほうでした(笑)。


鈴木 私は振り返ってみると、グループの時は本当に驚くほど喋らない人だったんですよね。 今や嘘みたいな話ですけど(笑)。自分の気持ちをお母さんにしか喋ってなくて、メンバーにもミステリアスであまり自分の意見を言わない人だと思われていたかもしれません。話し合いが苦手で絶対、挙手しない、みたいなタイプだったので、ソロデビューする時に周りから「鈴木はMCできないので心配」って言われていたくらい。今となっては、喋りすぎで押すのが心配って言われているんですけどね(笑)。
吉野 そうだったんですか!?
鈴木 だから、ソロになってから、これが本当の自分なのかなって。自分でも「こんなに喋るんだ、自分」みたいな感じです(笑)。
吉野 確かにずっと喋っている印象があって。話が止まらないから、喋らない姿が信じられないです(笑)。まぁ、僕もそうですけどね。喋らないっていうターンは無理です、人生で(笑)。
シュッとした姿を一度も見ていないです(笑)

――今回が初共演のお二人ですが、共演する前までは、お互いにどんなイメージを持っていたのか教えてください。
鈴木 お会いする前まではTHE RAMPAGEのボーカルの方ということでギラギラしていて、ゴリゴリなイメージがありました。歩くとアクセサリーがジャラジャラと音をたてて鳴りそう、みたいな(笑)。共演してからも私の周りにはいないシュッとしたタイプの人なのかなと思っていたら、もっとシュッとしたらいいんじゃないかなって思うぐらい、シュッとした姿を一度も見てないです(笑)。初対面した時は、ちょっと人見知りっぽい雰囲気でしたよね?
吉野 お互いにそうでしたよね。僕は人見知りなんですよ。年上の方なので、生意気に思われてもなぁと思って、最初は何を話しかけたらいいのか、分からなくて。
鈴木 いやいや、そんな、生意気なんて思わないですよ。でも、二人の出会いのシーンであるゾンビメイクの顔で撮影してから打ち解けて、ゾンビの日の移動中に仲良くなれましたよね。一回打ち解けたら、もうすごいフランクなやりとりができて、穏やかでホワホワしてる印象でしたね。
吉野 穏やかでホワホワって、おじいちゃんみたい?(笑)。
鈴木 そう、おじいちゃんとおばあちゃんみたいな二人でしたよね。平和で穏やかな空気が流れる現場だったなと思います。
吉野 第一印象は……。テレビで観るより綺麗な人だなって思いました。
鈴木 どうしたの? 今のターン、ビックリしちゃった(笑)。
吉野 いや、テレビ番組やドラマで僕の事務所の先輩後輩と共演されていたのを拝見していたんです。テレビでの印象は、ちょっと強めの女性なのかなって思っていて。全部、見透かされてしまうような、そういう女性の方だから、ちょっと気が抜けないのかなと思っていたら、実際に会ってみると、笑顔が素敵な方で。現場でスタッフさんとフランクにコミュニケーション取られていて、元気がない時があまりない印象でした。明るく元気に現場を引っ張る姿からたくさん学ばせてもらいました。
鈴木 元気ですかね?
吉野 元気でした。僕ともフランクに話して下さったので、自分も自然体に身を委ねることができましたし、気づいたら友達みたいな感じになれたので、夫婦役という近い距離感を演じるにあたって距離を縮めなきゃって焦ることもなかったですね。

――お二人とも夫婦役を演じたせいか、テンション感や空気感が似ているような気がします。現場ではどんなお話で盛り上がっていたんでしょうか。
吉野 「多分、人間を大きく分類したら、属性が同じ気がするね」っていう話をしましたね。
鈴木 したかも。
吉野 占いの属性の話で盛り上がって。「僕はキャンドルなんですよ」って話をしましたよね。
鈴木 あれ、カッコつけているのかなって思いました。「俺、キャンドルです。燃えているんで!」みたいな(笑)。
吉野 あはは。キャンドルってあるんですよね。あと、撮影中、お芝居のことなどもそうですし、何でも話して下さるので、信頼関係が築きやすかったです。いろいろ言ってきてくれる方が自分も話そうみたいな気持ちにもなるし、すっかり心を開かされました(笑)。
鈴木 「親戚の関係性みたい」ってよくインタビューでも言ってくれてましたよね。でも、本当にそんな感じかもしれないです。

――役どころは大切な人に自分の素性を隠し通そうとしていましたが、ご自身は自分のことを身近な人にも秘密にするのは得意ですか。
吉野 秘密は守りますよ、もちろん。口は堅い方だと思いますね。ただ自分が嘘をつけないっていう…。嘘ついたら、絶対にバレます。小さい頃は、悪さをしたら、なぜか親にバレてるっていう。すぐニヤニヤ笑っちゃうので、「お前、なんかしただろう?」って言われましたから。なので、隠し事はできないですし、光弘みたいに、自分の素性を隠して生活しようとしたら、結構キツイと思いますし、挙動不審になってすぐにバレます(笑)。
鈴木 そんな気がする!(笑)。私は、自分自身のことをマネージャーさんに何でも全部言っちゃうんですよね。昨日見た夢の話から、1日会ってない間に何をやっていたか、楽屋で話します。誰かに聞いて欲しいのかもしれない。
吉野 僕で良ければ、聞いてあげるよ(笑)。
鈴木 ありがとう。でも、毎日話を聞いてもらっているとそのうち騒音になっちゃうかも!?(笑)。さっきもお話しましたけど、グループ時代は、お母さんに何でも話していたんですけど、今は一人暮らしなので全部マネージャーさんに聞いてもらうようになったんですよね。 秘密を守れるかどうかはというより、人に喋っちゃいけないことは、あまり知りたくないタイプです。お仕事上の情報はもちろん厳守しますけどね。
――ちなみにお二人は、何でも話せる関係と言わなくても分かり合える関係、どっちが理想か知りたいです!
吉野 絶対に何でも話せる関係でしょう?
鈴木 そうですね。何でも話せる方がいいし、何でも話して欲しいですけど、言わなくても気づいてあげたいですし。だから、どっちの関係も理想かなって。
吉野 確かにどっちも理想ですね。何でも話せるし、言わなくても分かってもらえたらいいですよね。


撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子
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<作品情報>
『昨夜は殺れたかも』
10月23日(金)公開
配給:ポニーキャニオン

原作:藤石波矢・辻堂ゆめ『昨夜は殺れたかも』(講談社タイガ)
監督:松木創
脚本:ブラジリィー・アン・山田
出演:吉野北人 鈴木愛理
工藤阿須加 王林 佐津川愛美 ISSEI 田中美久 オラキオ 河本準一(次長課長) 菅田俊/本宮泰風
企画・制作:共同テレビジョン
企画・プロデュース:栗原美和子
(C)2026 映画『昨夜は殺れたかも』製作委員会
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