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KID PHENOMENON「弱い部分も見せるからこそ」── 7人が新曲「I’m still breathing」で届ける、ありのままの強さ【オフィシャルインタビュー】

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7人組ダンス&ボーカルグループ、KID PHENOMENON from EXILE TRIBE。2023年に「Wheelie」でデビューした彼らは、国内外のステージで経験を重ね、音楽もパフォーマンスも自らの手で磨いてきた。2026年に発表した2ndアルバム『KIDS00’s』では、影響を受けてきたHIP HOPとダンス&ボーカルを結び、〈TOKYO NEO POP〉というコンセプトを提示。初の全国ワンマンツアーでは、構成やセットリスト、ステージセットにもメンバーのアイデアを反映し、7人の現在地を鮮やかに示した。

そんな彼らが10月21日(水)にリリースする8thシングル「I’m still breathing」は、TVアニメ『夜桜さんちの大作戦』第2期第2クールのエンディングテーマ。挫けそうな感情や弱さを抱えながらも、希望へ手を伸ばす姿を歌う。カップリングには「存在証明」「Black Flame」に加え、形態別にSPYAIR「イマジネーション」、KANA-BOON「シルエット」のカバーを収録。ラップを加えたアレンジで、J-ROCKの名曲にも新たな表情を与えている。

全国ツアーで得た手応え、新曲で向き合った自分たちの弱さ、そして〈TOKYO NEO POP〉に込める想い。7人が、ありのままの言葉で語った。

――7月から9月まで、全国14都市15公演で行われた初のワンマンツアー『KID PHENOMENON LIVE TOUR 2026 “KIDS00’s”』を終えて、現在の所感を教えてください。

山本光汰:ファンミーティングではなく、初の単独ライブツアーだったので、よりコンセプチュアルに構成を作り込んで、自分たちのメッセージ性を大事にしたライブを見せようというのが大きなテーマでした。<メンバーもクリエイティブに積極的に参加する>というグループのコンセプトを基に、今回も気合を入れて作ったベースを、ライブを重ねるたびにブラッシュアップして届けられたのが凄く嬉しかったです。まだまだ課題も感じますが、さらにクリエイティブを底上げしていきたいと一層深く感じています。楽しみながらアイデアを形にしていける感覚もつかめてきて、自分たちのベースラインを作る意味でも勉強になりました。

山本光汰

鈴木瑠偉:公演数が多かったので、始まる前はお客さんにあきられたらどうしようとか、自分たちもあきてしまったらどうしようという気持ちがあったんです。僕自身、同じことを繰り返すのがあまり得意ではないんですが、ファンのみなさんの反応が会場や曲ごとに違うというのが大きな発見でした。ブラッシュアップしたり構成を変えたりすることで、盛り上がり方が変わることに凄く感動しました。それがあるから同じ曲でもまったくあきないですし、新しい楽しさがあることに気づけたのが大きな経験でした。

川口蒼真:セットや構成をいちから自分たちで考えているので、流れやパフォーマンスへの反応をダイレクトに感じました。それに対してブラッシュアップを繰り返すことで、自分たちが成長していく実感がありました。ファンのみなさんのリアクションによって、お互いのことをもっと深く知ることもできたと思います。僕たちとファンのみなさんで一緒にライブを作り上げているんだと、改めて強く感じました。

岡尾琥珀:自分たちが伝えたいHIP HOPカルチャーのコアな部分と、それを伝わりやすく表現するというバランスが凄く難しかったです。「僕たちはここを表現したい!」というだけではなくて、ちゃんとカルチャーを理解しているという面も含めて、どうすれば伝えられるのかなと。こだわりを大切にしつつ、それをどう表現するか、ステージを重ねながらいろんな発見をして作り上げたライブだったので、本当に勉強になりました。

――佐藤さんは、HIP HOPでは名機として知られる音楽機材、MPCを生演奏するパートがありましたね。

佐藤峻乃介:中学の時に楽曲制作を始めた頃、MPCを触ったことがあったんです。でも、パッドを叩いて演奏するシステムが難しくて、当時は続けられなかった。だから今回は本格的に練習して挑みました。楽器の生演奏は自分にとって新しい挑戦で、MPCのパートが来るたびにすっごく緊張して、終わると心底ホッとしていました(笑)。それくらい大きな壁でしたけど、任せてくれるメンバーや、新しいことに挑戦させてくれる環境には本当に感謝していますし、やり遂げた時の達成感も大きかったですね。

佐藤峻乃介

――有明公演では、背景のグラフィティなどを夫松さんが中心になって描かれたそうですね。

夫松健介:普段のライブでは、みんなで描いた上に翼空が大きく絵を描いてくれているんですが、有明では看板やロゴパネルを翼空が担当して、グラフィティは僕が描きました。実は僕、凄く絵が苦手なんです(笑)。だから大きなチャレンジでしたし、カルチャーをしっかり調べて、誤用や誤解のないように心がけました。グラフィティライターの方にお願いすることも考えたんですが、「苦手でもここを自分たちでやらないと説得力がないよね」と。カルチャーへのリスペクトを示すには、荒削りでも自分たちの手でやらないとメッセージがちゃんと届かない。そういう想いで、敬意を込めて描きました。<TOKYO NEO POP>や<BE YOURSELF>、<ACCEPT>といったメッセージを投影できたことにも手応えを感じました。

遠藤翼空:2000年代生まれの僕たちにとって、育ってきた環境の中で一番近くにあったのがHIP HOPだったんです。ただ、HIP HOPとダンス&ボーカルの世界には相いれない部分もあるだろうし、ライブセットもそれを表現できているわけではないかもしれない。でも、僕らが心から伝えたい想いを表現するには、メッセージを大切にするHIP HOPというカルチャーの力が必要なんです。だからこそ最大限のリスペクトを持って、自分たちなりの表現を精いっぱいやろうと。それが伝わっていたらうれしいです。

――ニューシングル「I’m still breathing」は、TVアニメ『夜桜さんちの大作戦』のエンディングテーマに起用されていますね。

夫松健介:アニメのエンディングと連動して書き下ろした曲です。主人公の朝野太陽は、様々な壁に立ち向かって、くじけそうになりながらも家族や仲間の支えによってまた前を向くキャラクターなんですが、僕たちもオーディションで一度は落選を経験しながら、HIROさんにもう一度チャンスをいただいてデビューできたグループ。自分たちの背景ともリンクする楽曲になっていると思います。

――楽曲を歌っての感触はいかがでしょうか。

山本光汰:ロックやHIP HOPなど様々な要素が入っていて、いろいろな楽しみ方ができる楽曲だと思います。前向きな部分と同時に、嘆きや孤独感、つらさに寄り添うメロディラインがあるので、ボーカルとしては難易度の高いパートが多かったです。楽曲の背景を想像して、表現したいものをどう消化して形にするか、凄く悩みながら歌いました。この曲が誰かの背中を押すきっかけになったり、日常の中で心の支えになってくれたら、作り上げたことの誇りになります。

岡尾琥珀:<未完成な今の自分たち>だからこそ歌える内容だと感じましたし、アニメの世界観と重なる部分も多いので、どうすり合わせて相乗効果を生めるかを考えました。サビではかなり歌い上げる一方で、ラップはビートに乗せてしっかり歌詞を聴かせるバースになっています。温度感は低く保ちつつも弱くならないように、根底にある強さや想いをどう言葉に乗せるかがポイントでした。アップテンポな曲とは違うグルーヴによって、よりメッセージ性が強くなっていますし、このバランスにはKID PHENOMENONらしさも出ていると思います。

岡尾琥珀

遠藤翼空:デモを聴いた時は「この楽曲を歌い上げられるのかな……」と不安でした。技術が必要な楽曲を、どう説得力を持たせて歌えるのかなと。でも、その不安を上書きするような気持ちで制作に臨んだので、完成した時は本当に安心しました。難しかった分、愛着が湧いたし、これはまさに自分自身なのかなと気づくことも多かったです。生活の中で葛藤を抱えることはあると思いますが、そんな<あなた>に寄り添えるように、心を込めてパフォーマンスや歌を届けたいです。

佐藤峻乃介:サウンドだけじゃなくて、メロディからフックにかけての緩急もあって、感情が乗せやすい楽曲になりました。歌詞にはたくさんの意味が込められていて、メッセージがストレートに表現されているので、深く愛してほしい1曲です。アニメをきっかけに僕たちを知ってくださる方にも、逆に楽曲からアニメに触れる方にも、作品と楽曲をセットで楽しんでもらえたらうれしいです。

――ネガティブさや不安と、それを乗り越えようとする強さを内包した曲だと思います。自分たちの弱さをシングル曲で表現することについて、どう感じていますか。

遠藤翼空:<Fade outしてくポジティブマインド>は、心の内側で感じていたものを引き出してくれるフレーズですね。誰しもずっとポジティブではいられないので、共感してくださる方は多いと思います。でも、弱い部分を出すのは簡単ではないですよね。なるべく自分をよく見せたり強く見せようと、今はなおさら気を張っている人が多い気がします。だからこそ、こういう歌詞やキドフェノの存在が必要なんじゃないかなと。人の弱さにそっと寄り添える存在になれたらうれしいです。

夫松健介:アーティストやLDHには、キラキラしていて強いイメージがあるかもしれないですが、そんな人たちだって日常ではどこか弱さを抱えていると思うんです。リスナーのみなさんにも、つらいことやネガティブな感情を抱く瞬間があるかもしれない。いいところばかりを見せていては、その感情にしっかり寄り添えない気がするんです。特に自分たちは、そういった弱い部分も見せるからこそ、伝えるメッセージにより説得力が増すと思っています。

夫松健介

鈴木瑠偉:自分の弱い部分や抱えている問題と向き合うからこそ、それが強さや励みに変わることもあると思います。その人にしか得られないパワーや感情は凄く大きなものになる。だからこそ肯定したいですし、ファンのみなさんに寄り添える音楽を届けていきたいです。自分たち自身も、こういった複雑な感情を大事にして表現したいですね。

川口蒼真:ネガティブな感情も自分の一部なので、無理に否定しなくていいと思うんです。しんどい想いを経験したからこそ、同じように悩む人に深く共感して寄り添えると信じています。「がんばろうぜ」と励ますのもすばらしいですが、まず共感してあげることが一番の支えになるんじゃないかと。共感してもらえるだけでフッと気が楽になるし、自分はひとりじゃないと思えますよね。ネガティブな感情が強さに変わることは、活動の中でも強く実感しています。

――個人的に印象的な歌詞のフレーズを教えてください。

佐藤峻乃介:<I'm still breathing/何も終わってない/この痛みも全部/意味になるから>という歌い出しが好きですね。聴いた瞬間、ちょっとドキッとするフレーズですし、楽曲全体を表してくれている。伝えたいメッセージを、この一発で届けられるパートだと思います。

鈴木瑠偉:<未完成なままでいいんだ>が一番印象に残っています。できていないことがあっても、それもありのままの自分なんですよね。この言葉を受け取った人にも、自分を責めるのではなく、それすら自分のよさだと思ってもらえたら。ありのままの自分で生き抜いてほしいですし、自分を認めてあげた方がいいと思うので、それをダイレクトに歌うフレーズが心に残っています。

鈴木瑠偉

山本光汰:<一人孤独に押しつぶされても/一歩ずつ前に進んでるから/震えるこの手でも/まだ誰かを抱きしめられるなら>という歌詞です。弱さを抱えながらも一歩ずつ進んでいる情景が印象的ですし、少しでも光があるなら、希望と向き合って手を伸ばすことの大事さにも感動します。戸惑う中で、立ち止まるのか進むのか下がるのか。人それぞれの考え方やテンポがあるはずで、そういう心の動きを忠実に表現したリリックが好きです。高音を使って苦しさを表現しているメロディラインも気に入っています。

夫松健介:<正しさもわからない状態>や<正解なんてどこにもないまま>に共感しました。正解を求めるあまり、本当に自分が求めていたものがわからなくなることがあるんですよね。だからこそ〈未完成なままでいいんだ〉が深く響く。模範解答じゃないところが、人間味やよさにもなると思うんです。アーティストやボーイズグループは洗練された完全体のイメージを持たれがちですが、僕たちも正解を探してもがいていると表現できているのが素敵だなと。等身大の姿を伝えるからこそ、チャレンジしていくことへの説得力も増すと思っています。

――『夜桜さんちの大作戦』についての印象を教えていただけますか。

川口蒼真:バトルのシーンも多いですが、敵側にも過去の出来事やトラウマといった背景が描かれているのが印象的です。「この行動にも理由があるんだな」と思えて、誰も憎めず、人間そのものを好きになれるんです。登場人物ひとりひとりと向き合えて、全員を好きになれる作品だからこそ、感情移入できて学ぶことも多いです。

川口蒼真

山本光汰:もともとスパイ映画やファンタジーが好きなので、胸に刺さるシーンやセリフが多いと感じます。絵のタッチも好きですし、話によってテイストが変わるのも奥深いですよね。コメディ的な笑いの中にメッセージが込められている、芯のある作品に僕たちの楽曲が紐づいているので、映像と楽曲の融合を楽しんでいただけたらうれしいです。

――カップリングには「存在証明」「Black Flame」に加え、SPYAIR「イマジネーション」、KANA-BOON「シルエット」のカバーを形態別に収録。ラップパートも加わり、リミックスに近い感触の構成になっていますね。

佐藤峻乃介:カバー曲はメンバーの発案で選曲したんです。「シルエット」を挙げたのは僕で、この曲がオープニングテーマだった『NARUTO』の大ファンなんです。思い入れの強い曲だからこそ、原曲へのリスペクトを持って取り組みました。新しくラップが入った構成になって、それが自分たちの作品だというのは不思議な感覚ですし、自分たちの声で歌えていることが純粋にうれしいです。僕が『NARUTO』を通して知ったように、僕たちをまだ知らないアニメファンの方々に聴いていただくきっかけになればと思います。

鈴木瑠偉:「イマジネーション」は僕が提案しました。『ハイキュー!!』の大ファンで、何十回もループしてアニメを観ていたんです。その曲を自分たちの声でカバーできるなんて、テンションが上がりました。聴き込んできたからこそ、翼空と光汰の声が乗ったサビは新鮮でしたし、「うちのボーカル、素敵じゃない!?」と(笑)。

遠藤翼空:改めて原曲の凄さを実感しました。ファンの方々が抱いていた、楽しいとか勇気づけられるという感情を、僕たちがカバーすることで変えてはいけない。その想いをちゃんと再現しなきゃと思いました。本家のアプローチをリスペクトしつつ、自分たちの個性も取り入れる。そのバランスがめちゃくちゃ難しくもあり、勉強になりました。

遠藤翼空

川口蒼真:ラップパートが追加されて、自分たちも声を乗せてカバーできたのがありがたいです。僕たち4人のラップは、それぞれの個性がコロコロと移り変わって、表情を変えていくのがよさだと思っています。そういう強みも発揮して、新しい形を提示できたのはうれしいです。

――アルバム『KIDS00’s』を通して明確になった〈TOKYO NEO POP〉というコンセプトは、ツアーや新曲を経て、どのような意識になりましたか。

夫松健介:ライブを通して、〈TOKYO NEO POP〉は今の時代に一番リンクしている言葉なんじゃないかと感じました。コンセプトを体現することで改めて自分たちらしさと向き合いましたし、自分らしくあることや、自分自身を受け入れることに寄り添うメッセージが、今は本当に大切なんだとも感じました。最初はスケールの大きな概念だと思っていましたが、多くの人に共感してもらえる素敵なメッセージだと実感しています。日本はもちろん世界中の方に、名前だけでなく、その奥の深い意味も届けたいです。

岡尾琥珀:伝えたいメッセージは案外シンプルで、「ありのままでいい」ということです。当たり前のような言葉ですが、それを体現するのは難しい時代になっている気がします。だからこそ、どう伝えるかが大事なんだと思います。アルバムではそぎ落とした素の姿、新曲では弱い部分を見せるなど、様々な表現で「ありのままの自分を大切にする、自分を認める」と届けたい。伝え方を試行錯誤しながら、アーティストとしてのかっこよさは担保しつつ、等身大の姿で伝える。そのバランスも大切にしたいです。

遠藤翼空:僕自身もこのメッセージに支えられています。テーマになってから、東京を歩く時に周りを観察して、個性を感じ取ろうと意識するようになりました。「みんなその人自身の人生を生きているんだな」と再認識できて、自分もそういうふうに生きればいいと勇気をもらえました。これからも伝え続けて、いろいろな方の支えになったらと思います。

川口蒼真:<TOKYO NEO POP>は、「自分の居場所はどこにでもある」というメッセージでもあると思います。居場所がないと感じた時は自分で作ればいいし、何より僕たちがみなさんの居場所になれたら。その想いも活動の中心にしたいです。これからも想像できないようなことに挑戦すると思いますし、このテーマは決まった形ではなく、成長とともに形を変えるものだと感じているので、大切に掲げて進んでいきたいです。

佐藤峻乃介:僕たちはまだ未熟ですし、知らないことや学ぶべきことが山ほどあります。海外でパフォーマンスさせていただく中でも、初めて得ることや知ることが多いんです。その経験を通して<TOKYO NEO POP>にいろんなものを吸収させ、成長させたい。これからどんな新しいものに出会えるのか、そのワクワク感も大きいです。それが今の自分の中の<TOKYO NEO POP>ですね。

取材・文:高木JET晋一郎

<リリース情報>
KID PHENOMENON
8thシングル「I’m still breathing」
10月21日(水)発売
TVアニメ「夜桜さんちの大作戦」 第2期第2クール エンディングテーマ

■通常盤(CD)
1,500円(税込)/SRCL-13846

【CD収録曲】
01. I’m still breathing
02. シルエット
03. 存在証明
04. Black Flame

■期間生産限定盤(CD+DVD)
2,500円(税込)/SRCL-13847~8

【CD収録曲】
01. I’m still breathing
02. イマジネーション
03. 存在証明
04. Black Flame

【DVD収録内容】
TVアニメ『夜桜さんちの大作戦』第2期第2クール ノンクレジットエンディング映像(予定)

※「シルエット」はKANA-BOON、「イマジネーション」はSPYAIRのカバー
※「存在証明」「Black Flame」はリマスター音源
※全形態共通封入特典:フォトカード全8種中ランダム1種(通常盤は初回仕様のみ)

KID PHENOMENON オフィシャルサイト

https://www.kidphenomenon.jp/

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