『テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話』国立西洋美術館で 時を超えたターナーと現代美術との対話を試みる
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J.M.W. ターナー《捕鯨船エレバス号に万歳! もう一頭獲ったぞ!》 1846年展示 油彩/カンヴァス テート美術館 Photo: Tate
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すべて見る19世紀英国のロマン主義を代表する巨匠ターナーの世界最大のコレクションを誇るロンドンのテート美術館の所蔵品と、現代美術の作品を併置することによって、ターナー芸術に新たな光をあてようとする意欲的な大回顧展が、10月24日(土)から2027年2月21日(日)まで、東京・上野の国立西洋美術館で開催される。

ロンドンに生まれ、10代から画家として頭角を現したジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)は、弱冠26歳でロイヤル・アカデミーの正会員となった早熟の画家。自然に対する鋭敏な感覚をもった彼は、当時の哲学や芸術において重視されていた、自然のもつ「崇高」の概念を追究した画家としても知られる。移ろう光や大気、荒れ狂う海や空、あるいは産業革命期に人間が排出し始めた蒸気や煤煙といった不定形の諸相をとらえようと試みた彼は、ときに抽象的とも見える実験的な表現によって、絵画の可能性を押し拡げていった。その革新的な試みは、後世のモネら印象派の先駆とも見なされている。

今回の展覧会は、世界最大のターナー・コレクションを誇るテート美術館の所蔵品から約80点以上をテーマごとに再編し、ゆるやかな時系列に沿って展観する回顧展。後年になるにつれ、色彩が光に溶けていくような画風を示したターナーは「光の画家」とも呼ばれるが、同展では、そのターナーの画風の変遷をたどりつつ、彼が重視していた「崇高」の概念を鍵としてターナー作品を読み解いていく。

なお同展は、過去と現代を対話させる展示手法を主導するテート美術館が企画した国際巡回展である。開催館ごとに内容の違いがあるが、今回の会場でも、ケイティ・パターソンやオラファー・エリアソン、ヴォルフガング・ティルマンスら、現代美術家による多彩な作品がターナーの絵画と並ぶ。作品同士が時代を超えて交わす「対話」を通じて、ターナー芸術に潜んでいる可能性を多角的に検証するのが、同展のねらいの一つだという。産業革命の時代に生きたターナーと、様々な問題意識のもとで制作する現代の作家たちの作品を並べてみることは、気候変動をはじめとした今日の諸課題について考える契機ともなりそうだ。新たな視点から、改めてターナー作品を見つめ直してみたい。


<開催情報>
『テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話』
会期:2026年10月24日(土)~2027年2月21日(日)
会場:国立西洋美術館
時間:9:30~17:30(※金・土曜は~20:00)、入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜、11月24日( 火 )、12月28日(月)~2027年1月1日(金・祝)、1月12日(火) ※ただし、11月23日(月・祝 )、2027年1月11日(月・祝)は開館 ※2027年1月12日(火)~2月21日(日)の期間、常設展は閉室
料金:一般2400円、大学生1500円、高校生1100円
公式サイト:
https://turner2026-27.exhibit.jp/
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