三宅裕司&小倉久寛が、愛と平和を描く! 劇団SET『愛と友情の大脱走 ~ラブ&ピースフォーエバー~』稽古場レポート
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劇団SET『愛と友情の大脱走 ~ラブ&ピースフォーエバー~』稽古場より
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すべて見る劇団スーパー・エキセントリック・シアター第64回本公演 ミュージカル・アクション・コメディー『愛と友情の大脱走 ~ラブ&ピースフォーエバー~』が、10月29日(木)から11月8日(日)まで、東京池袋・サンシャイン劇場にて上演される。公演に先駆け、劇団稽古場にて通し稽古が公開された。
活気あふれる劇団稽古場。三宅裕司は演出家席に、その横には小倉久寛の姿もあった。劇団員たちはフロア内で小道具を用意したり、セットの位置を確認したり、右に左に大忙し。そこへ今回の中心人物である脱走兵・トミーを演じるブレント・オリアンが登場。今作のために抜擢されたゲスト俳優である。スラリとした体型で、物腰が柔らかく、優しそうな雰囲気だ。日本語も堪能らしく、SETの中に入ってどんな芝居を見せてくれるのか期待が高まっていく。
通し稽古の前に、いくつかのシーンの返し稽古が始まった。劇団員の放つボケに対して、ツッコミを入れるオリアン。コメディーにはお馴染みのワンシーンだが、やや語気が強く、ネタとしての“ツッコミ”には聞こえづらかった。それに気づいた三宅が、間の取り方や声のトーンなどを、オリアンにもわかりやすいようアドバイス。ほかにも「“井の中の蛙大海を知らず”と“頭隠して尻隠さず”って聞いたことある?」と、日本のことわざを解説していた。どうやら劇中のセリフに関係があるらしい。オリアンは三宅の言葉を聞き漏らすまいと集中し、せっせと台本にメモを取っていく。最後には、沢庵の食べ方とお茶の飲み方に関するレクチャーも受けていた。一体、脱走兵のトミーにどんな運命が待ち受けているのだろうか……?
全体の準備が整い、いよいよ通し稽古がスタート。舞台は1960年代。アメリカがベトナム戦争に突入し、日本でも反戦運動が巻き起こっていた時代だ。べ平連(ベトナム平和維持・連絡市民団体)のメンバー・永井を演じる三宅は、60年代の大ヒット曲『ブルー・シャトウ』が流れるプロローグを見届けると、演出家から役者のポジションにチェンジ。永井として板場につき、べ平連のメンバーに扮した劇団員たちと、テンポの良いやりとりを見せていく。
ひと笑い起きたところで、オリアン演じるトミーが事務所に飛び込んできた。彼は米軍からの脱走兵で、平和活動をしている永井を頼って事務所にやってきたのだ。べ平連のメンバーは英語もわからず大慌て。するとそこにひとりの女性が現れ、通訳を買って出た。女性の正体は人気歌手の桜木蘭子。二人は恋人同士であった。脱走兵とスターの許されざる関係を知った永井は、知り合いの村長がいるヒッピー村へトミーを潜伏させるよう、若手メンバーの智規と猛に指示を出すのであった。
トミーの登場で、場面の空気がガラリと変わった。まだセリフ回しやコメディーのテンポ感に手探りなところもあるように見えたが、そこを劇団員たちがさりげなくフォローしていく様子が見て取れた。他の登場人物たちも、物語が進むにつれてキャラクター性が自然と浮かび上がっていく。永井からトミーの世話を任されたインテリ東大生の智規と田舎育ちの猛は、ことあるごとに反発し合う。二人のやりとりは、青春ドラマを見ているようで微笑ましい。警察に追われながら戦争のトラウマに苦しむトミーの姿や、恋と仕事の間で揺れる蘭子の心模様など、今回の軸になっている恋人たちのラブストーリーもしっかりと描かれていく。
60年ヒット曲に合わせて歌い踊るパフォーマンスタイムなど、華やかなエンタメ要素もたっぷりだ。小倉久寛も、ヒッピー村の村長役としてギター演奏を披露。演出席に戻っていた三宅は、ギター片手に登場した小倉を見ただけで吹き出していた。いるだけで場が明るくなる存在感は、変わらず健在だ。
やがて猛の故郷である漁村へと潜伏先を変えたトミー。そこでは網元の親方・清次郎役の野添義弘を始めとするベテランから若手まで揃って、トミーの歓迎会と称して歌えや踊れの大騒ぎ!場面変わりの暗転では、親方の体を張った熱演に心打たれた後輩たちがリスペクトの拍手を送っていた。
本公演ではおなじみ、三宅と小倉によるシーンも、もちろんきっちりと稽古。三宅が小倉の首を締めたかと思えば、次の瞬間にはハグをしていたり。そんなふたりの微笑ましいやりとりを、劇団員の面々が楽しそうに見守っていた。
トミーを追いかける警察関係者たちのシュールな笑いも挟みつつ、物語はどんどんシリアスな展開になっていく。ベトナム戦争の史実を織り交ぜながら、平和を願い逞しく生きようとしている人々の姿を、さまざまな視点からユーモアたっぷりに映し出していく本作。トミーと蘭子の恋の行方は、ぜひ劇場で見届けてほしい。
取材・文/瀬尾水穂
<公演情報>
劇団スーパー・エキセントリック・シアター第64回本公演
ミュージカル・アクション・コメディー
『愛と友情の大脱走 ~ラブ&ピースフォーエバー~』
脚本:𠮷井三奈子
演出:三宅裕司
出演:三宅裕司 小倉久寛
劇団スーパー・エキセントリック・シアター
客演:ブレント・オリアン
2026年10月29日(木)~11月8日(日)
会場:サンシャイン劇場
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/set-64/
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