スズキ拓朗、加藤清史郎、内田未来が藤子・F・不二雄ミュージアムに集結! 新国立劇場『ミノタウロスの皿』への意欲明かす
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『ミノタウロスの皿』特別取材会より (撮影:阿部章仁)
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すべて見る2026年12月10日(木) から28日(月)、新国立劇場が小劇場にて『ミノタウロスの皿』を上演する。原作は藤子・F・不二雄による同名の短編SF漫画。その世界初の舞台化となる。脚色・振付・演出を手がけるのは、ダンスカンパニー「CHAiroiPLIN」を主宰するスズキ拓朗。10月20日、神奈川・川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムで実施された特別取材会では、イノックス星に不時着する乗組員を演じる加藤清史郎と、彼がイノックス星で出会う少女・ミノア役の内田未来とともに登壇、藤子・F・不二雄の作品世界や今回の創作への思いについて語った。
特別取材会の会場となったミュージアムの展示室には、『ドラえもん』をはじめとする数々の作品の原画がずらり。その躍動感、力強さに、しばし心を奪われる。

「幼少期から足を運び、今日は数年ぶりに来ました。何度来ても心躍るような展示がいっぱいです」と笑顔を見せるのは、川崎市で生まれ育ったという加藤。内田は、「私は今日が初めて。実際に原画を目にしたらすごい迫力で、藤子・F・不二雄先生が作品を描かれていた当時の、生の感じがガンッと伝わってくるのを味わうことができて、とても幸せな気持ちになりました」と興奮気味だ。
展示室の一角には、期間限定で設けられた『ミノタウロスの皿』の貴重な資料の特別展示も。『ミノタウロスの皿』の舞台は、「ズン類」と呼ばれる牛が支配するイノックス星。そこでは「食べる側」と「食べられる側」の立場が逆転、言葉は通じても価値観が全く通じないことや、自らの常識から抜け出せない人間のジレンマが鋭く描き出される。
スズキは、「僕が描いた絵と藤子先生の絵が同じ展示ケースの中に入っていて、光栄に思いました。机の引き出し、扉、畳と、先生は生活の身近なところに夢を描かれていますが、このミュージアムもいろんな身近なところにかわいらしい演出が施されている。先生を愛する人たちがこうして脈々と続いているんだなと、しみじみ感じました」と、表情をほころばせた。

1969年に発表された『ミノタウロスの皿』。数多くの短編SF漫画を描いた藤子・F・不二雄だが、加藤は、「『ミノタウロスの皿』は、中でもひときわ目立ってメッセージ性に長けた作品。食べ物と人間の関係ということだけではないメッセージを、いっぱいいっぱい、受け取らせていただきました。それをSF、“すこし・ふしぎ”として世に出された先生は、やはり偉大な方。今回の舞台化でこの役目を任せていただけたことをものすごく誇りに思いました」。内田も、「初めて読んだ時はかなり衝撃を受けました」と告白。「どこかの星の異星人の物語ではあるけれども、実は自分たちの話なのではないか──。自分自身を省みる機会にもなりました」。
15年ほど前に『ミノタウロスの皿』の舞台化を試みたことがあるというスズキは、「最初に読んだのは確か、トイレの中。本当にびっくりして、最初は、とにかく怖いという印象でした。でも、牛たちの表情が可愛らしく、怖いことを描く時も、こういった明るい視点が必要だと感じましたし、先生の目線が漫画になっているということに感動し、これは舞台化したいと思ったことを今、思い出しました」と告白。「15年前は、漫画の舞台化を実現するための歩みがさっぱりわからず、アタックしてみたものの、ずっと叶わなかった。人生におけるターニングポイント、というくらい意気込んでおります」とも。
15年越しの念願叶う、スズキ拓朗の演出プラン
NHKのテレビドラマシリーズ「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」の『流血鬼』に出演した経験を持つ加藤も、「ご縁があるなとすごく感じています」と声を弾ませる。展示室で出会った藤子・F・不二雄の言葉、「片足は現実についたままで、手を伸ばしてファンタジーの世界に」に触れ、「そのおかげで、僕たちはファンタジーという要素から現実的なメッセージを見出し、自分たちの人生に活かすことができ、より豊かになれる」と述べた。

演出プランについて尋ねられたスズキ。「展示のケースの中にも入っているのですが、『ミノタウロスの皿』なので、やはりお皿で何か遊べないかなと思い、最初のロケットのシーンに皿回しを使って──」と打ち明けようとすると、すかさず「言っちゃうんですか!?」と加藤から突っ込み。スズキはそれをものともせず、さらに手の内を明かし始める。
「クレタ島のミノア文明というものがベースにあるお話なので、今も遺跡に残っている柱を私たちの身近なものに例えて、舞台装置に。すごく身近なもので演出しているので、ぜひ面白おかしく観ていただけたら。内田さんと加藤さんは歌もダンスもお上手なので、ぜひこの二人にエンターテインメントとして楽しい舞台を作っていただきたい。それを楽しく観ていただけたらなと期待しております」(スズキ)
加藤も、「あまりイメージできないかもしれませんが、僕、すごく動けるんですよ(笑)」とあえてのアピール。「身体を最大限に使って、今回の稽古場は、身体を通して意見のキャッチボールができる場になると思っていますので、楽しみですね」と期待に胸を膨らませる。
最後にスズキは、「大人も子どもも国籍も関係なく楽しめるものを作ろうと思っているので、頭を空っぽにして、生の舞台に期待して、足を運んでいただけたらと思っています」と発言。内田は、「拓朗さんとお話する中で、今回の舞台の仮台本やプロットなど、様々なアイデアを伺ってはいるのですが、とにかく未知数なところが多く、何も予想できていません。とにかく、今は楽しみな気持ちでいっぱいです。本当に体当たりで挑みたいなと思っておりますので、楽しみにしていただけたら嬉しく思います」。加藤も、「漫画でもアニメでも小説でも、舞台化、映像化するということは非常に難しいこと。その最適解が“再現”だとは思いませんが、最大限のリスペクトをもって、素晴らしい演出家、振付家とともに実験を重ね、僕の持てる力、身体を精一杯使って表現し、お届けしたいと思っています。ここからびっくりするくらい痩せると思いますが、ちゃんと食べますので心配しないでください」と笑いを誘った。

文:加藤智子 撮影:阿部章仁
<公演情報>
『ミノタウロスの皿』
原作:藤子・F・不二雄
脚色・振付・演出:スズキ拓朗
【東京公演】
出演:
加藤清史郎/内田未来/森田真和、谷山知宏、柏木俊彦、鈴木幸二、小林らら、星初音、美守桃、関口晴
2026年12月10日(木)~28日(月)
会場:新国立劇場 小劇場
チケット一般発売日:2026年10月17日(土)10:00~
【富山公演】
出演:
スズキ拓朗/内田未来/森田真和、谷山知宏、柏木俊彦、鈴木幸二、小林らら、星初音、美守桃、関口晴
2027年1月10日(日)
会場:オーバード・ホール 中ホール
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