『なつぞら』比嘉愛未が“東京の母”に? 「文化の開拓者」になつはなれるか
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“文化の開拓者”。新宿という街に集まる“開拓者”たちを、川村屋のマダム(比嘉愛未)はそう表現した。戦後の復興を経て、新たな文化の中心地となった新宿には、様々な人々が心躍る何かを求めて足を運んでいたのだった。
参考:『なつぞら』第45話では、なつ(広瀬すず)がカスミ(戸田恵子)と共におでん屋・風車へ
『なつぞら』第44話では、雪之助(安田顕)に連れられてなつ(広瀬すず)と雪次郎(山田裕貴)は、最初に新宿の川村屋を訪れた。雪次郎は父親のような菓子職人になるべく修業をするわけだが、なつもまた厨房での皿洗いなどをすることで、しばらくは川村屋でお世話になることに。なつが東京でアニメーターとして活躍できるように、マダムはできる限り見守り続けてくれるようだった。
久々のマダムとの再会が描かれたわけだが、中でも印象的だったのは、自分はしっかりとやっていけるかどうかをなつから尋ねられたとき、マダムが次のように答えたことだ。「不安を誰かの言葉で解消するのはよくないわ。その不安と闘わないと」。もちろん、マダムもなつのことを何かと応援してくれることであろう。でも、結局のところ不安と闘うのはなつ本人。やるからにはしっかり頑張ることの大切さを教えてくれているようであった。
冒頭に書いた“文化の開拓者”という言葉は、このシーンにおけるマダムたちとの会話の中で出てきたものである。“開拓者”として、フロンティアに立ち続けるということは、一筋縄ではいかないことも多いのかもしれない。ワクワクするようなこともあれば、本当に大変な経験もあるだろう。大地を切り拓いていくことと全く同じである。でも、泰樹(草刈正雄)の「開拓してこい」という言葉を受けて、新たなフィールドに飛び出したなつならば、きっと頑張りぬくことができるはずだ。「ようこそ、“開拓者”の街へ」。マダムのこの言葉は、いよいよ本格的に始まる『なつぞら』の次章の開幕を告げるかのようである。
その後、なつ達は煙カスミ(戸田恵子)が歌うクラブに訪れたわけであるが、歌の中で「靴磨き」について触れられると、なつはどうしても昔を思い出してしまうようだった。アニメーターとしての物語も楽しみであるが、彼女の兄や妹についても『なつぞら』の重要な要素であるだけに、非常に気になるところである。(國重駿平)