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BALLISTIK BOYZが語る、EXILE TRIBEの一員としての覚悟 「新しい時代をリードしていく」

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 EXILE TRIBE史上初、メンバー全員がマイクを持つフリースタイルグループとして話題のBALLISTIK BOYZ。彼らが、5月22日にアルバム『BALLISTIK BOYZ』でついにデビューを果たす。国際的に活躍できる人材を育成する「PROJECT TARO」でNYに渡りキャリアを積んだ深堀未来、奥田力也、砂田将宏と、「VOCAL BATTLE AUDITION(以下、VBA)5」ファイナリストの日髙竜太、加納嘉将(以上、VOCAL部門)、海沼流星、松井利樹(以上、RAP部門)からなる同グループの強みは、ボーカルとラップ、ダンス、アクロバットをスリリングに組み合わせつつ見せる“変幻自在”感だ。リアルサウンド初登場となる今回は、各メンバーの音楽&ダンスのルーツにはじまり、EXILE TRIBE恒例となる武者修行の振り返りやデビュー作に込められたこだわりなど、さまざまな視点から7人の魅力を掘り下げた。

参考:EXILE SHOKICHI、『1114』で具現化した音楽性 独創的なサウンドメイクとリアルな歌詞に迫る

■BALLISTIK BOYZならではの風を吹かせたい

――今回が初登場になるので、まず、それぞれがどんな風に歌やラップ、ダンスに親しんできたかを教えてもらえますか。好きなアーティストなども挙げてもらえると嬉しいです。

加納嘉将(以下、加納):僕はもともと歌が好きで、歌に目覚めてからは音響設備のあるバーで働きながら、毎日のように歌ってきました。よく渋いといわれますけど、ルーツといえばブライアン・マックナイトやBoyz II Menといった、90年代のR&Bですね。自分の強みはそういう楽曲を歌ってきた中で身につけたパワフルな歌声なので、この力強さをグループの楽曲にも還元できたらいいなと思っています。ダンスはヒップホップを中心に踊ってきました。

海沼流星(以下、海沼):僕はもともとロックダンスを踊っていて、EXPG STUDIO(LDHが運営する総合エンタテインメントスクール)に入ってからはヒップホップも踊るようになりました。このグループのオーディションを受ける少し前くらいから、本格的にラップも始めました。将宏(砂田)、未来(深堀)、力也(奥田)がNYに留学していたこともあって、3人が聴いたり観てきた海外のヒップホップシーンに、僕自身も影響を受けている部分が大きいと思いますね。最近はトラヴィス・スコットがけっこう好きです。

砂田将宏(以下、砂田):珍しいと言われるんですけど、僕は小学校1年からタップダンスを習っていて、EXPG STUDIOに入ってからヒップホップや振付レッスンを始めました。2014年から未来、力也と一緒にNYに留学したんですが、そこでコレオグラフィといって、曲に合わせて振付師が振り付けるダンスのレッスンを受けてきたので、そこからは自分で振りを作ることも好きになりました。世界基準で戦えるアーティストになるために、NYに行ってからは本格的に歌のレッスンも始めました。幅広いジャンルを歌ってきたので、最近のダンスミュージックはもちろん、バンドサウンドやジャズも聴きます。最近は歌もラップもできるタイ・ダラー・サインに興味があります。

松井利樹(以下、松井):僕は小学校1年でロックやポップからダンスを始めて、4年から本格的にヒップホップを踊るようになりました。そこからダンスバトルやコンテストに出るようになって、九州大会や日本大会で優勝したりもしています。親がダンススタジオをやっていて、お兄ちゃんもヒップホップが好きだったので、家族の影響もあってウータン・クランのような90’sから最近のものまで、幅広くヒップホップを聴いてきました。タイラー・ザ・クリエイター、ジョーイ・バッドアス、亡くなりましたけどマック・ミラー、アジアのアーティストならインドネシアのリッチ・ブライアン、韓国のロコとかも好きですね。

日髙竜太(以下、日髙):僕はEXILEさんを聴いたのをきっかけに、15歳くらいから歌を始めました。当時から理想のアーティスト像は、歌って踊れるアーティストでしたね。日本人なら三浦大知さん、さらにそのルーツを掘り下げていってマイケル・ジャクソンにたどりつきました。マイケル・ジャクソンの影響を受けている中でも、ファンク系の楽曲からバラードまでをメリハリをつけながら表現できるブルーノ・マーズが個人的には理想に近いのかなと思っています。自分の武器はハイトーンで力強く聴かせる歌だと思うので、それをメインに考えつつ、ダンスもおろそかにしないことにこだわっています。ダンスは16、17歳からヒップホップを踊ってきました。歌もダンスもパワフルに見せられるのが特徴かもしれないです。

奥田力也(以下、奥田):僕は小2からダンスを始めて、NYに留学してから歌やラップを始めました。現地でできた友達とラップしたり、英語を交えてリリックを書くようになったことが、今の自分の強みにもなっています。このグループでは流星と利樹(松井)もラップするので、僕が海外で学んできたことを2人と共有したり、逆に僕は日本のヒップホップにあまり詳しくないので2人から教えてもらうこともあって、刺激し合いながらやっています。NYで感じた現地のバイブスを忘れずに、日本と海外のヒップホップのノリをうまく融合させてBALLISTIK BOYZならではの風を吹かせたいです。個人的にはタイガを筆頭にいろんなラッパーに注目していて、トラヴィス・スコットやブルーフェイス、スモークパープ、リル・パンプもかっこいいなと思います。

深堀未来(以下、深堀):自分は将宏、力也と同じくNYやLAに留学していたんですが、ダンスに関しては振付(コレオグラフ)の魅力に惹かれて、自分でいろんな振りを作ったり、有名なコレオグラファーのレッスンを受けに行ったりしていました。歌はNYに行ってから本格的に始めましたね。お父さんが若いころに遊びでDJをやっていた関係でDJにも興味があったんですが、将来的には回せるよりも楽曲を作れたほうが役に立つんじゃないかと考えて、今は自分で作詞作曲もしています。普段トラックを作る上ではいろんな音楽を参考にしているんですが、最近はジョナス・ブラザーズの6年ぶりに出た新譜『Happiness Begins』をよく聴いてます。

■メジャーデビューで最初の恩返しができた

――4月の武者修行ファイナルでついにメジャーデビューが発表されました。現在の心境は?

深堀:PROJECT TAROでNYに行ったころからメジャーデビューは一つの大きな目標でしたし、メンバー全員がそこに向けて頑張ってきたところがあると思います。デビューを正式に告げられたときには嬉しさもありつつ、あまり実感が湧かなくて……。武者修行ファイナルでみなさんの前で発表したときに、泣いているお客さんの姿を見て、やっと実感が湧いてきました。あの日は僕ら全員の家族も観に来ていましたし、長い間近くで支えてくれた家族や友達、スタッフの方々への、最初の恩返しができたのかなと思います。EXILE TRIBEの一員としての責任や覚悟も持ちつつ、改めて頑張っていこうという気持ちになりました。

日髙:未来も言いましたが、メジャーデビューすることは僕ら全員にとっての念願でした。個人的にはVBA4と5で2回ファイナリストになったけれども受からずに、でもこうやってチャンスをいただけました。これからはプロのアーティストとして見られるわけなので、実際に決まってからは、嬉しさよりも責任やプレッシャーを強く感じていますね。自分がメジャーデビューに値するスキルを持てているか、それにふさわしい存在になれているかを考える時間も多くなりましたし、その分気を引き締めて、もっともっと頑張っていかないといけないと考えています。

――初めて単独で北海道から沖縄までを巡った武者修行期間には、ステージの見せ方に試行錯誤したり、思い出深いエピソードも多かったのではないでしょうか。

加納:僕らの武者修行はオリジナル楽曲を軸にした構成だったので、最初は観に来てくださる方が僕らの曲を知らないということもあり、ステージをどう盛り上げていくのかが大きな悩みでした。会場に合わせてMCやコール&レスポンスを考えたり、立ち位置も会場の作りに合わせて変えてみたり、臨機応変にその場に対応していきましたが、それが武者修行の醍醐味の一つでもあるのかなと、いま振り返って思います。試行錯誤しながら全国を回りましたが、どの会場のお客さんも温かく応援してくださって、そのおかげで僕たちも気持ちを盛り上げていくことができました。

海沼:熊本公演に、NESMITHさん(EXILE、EXILE THE SECOND)が激励に来てくださったのが印象深かったです。公演終わりの武者修行バスにも一緒に乗ってくださって、NESMITHさんが武者修行を回っていたころのエピソードもたくさん聞かせていただきました。昔に比べて恵まれた環境でやらせていただいていることも自覚しましたし、それ以降の公演に向けて大きなパワーをいただけたと思います。

砂田:僕たちは今回の単独武者修行までパフォーマンスはあちこちでさせていただいていたけれど、トークはまったくしたことがなかったんです。だから不安はありつつも「いけるでしょ!」みたいなノリで初日に臨んだら、グダグダになってしまって……。その反省点をふまえて、MCにもみんなでしっかり向き合うようになりました。最初は探り探りでしたが、回を重ねるごとに誰が進行役で、誰がボケて、誰がツッコんで、みたいなグループの中でのそれぞれの立ち位置が明確に見えてきたところもあります。個人的にファイナルの日のMCはスベった気がしたので、MCだけやり直したい(笑)!

松井:毎公演で反省会をやってみんなで改善点を出していけたので、より成長できた1か月だったのかなと。自分の頭の中で思い描いているレベルでパフォーマンスをしっかりキメられなかったときには悔しさも感じましたが、そういう経験も生かしてレベルアップしていきたいです。あとは武者修行中に僕が誕生日を迎えたので、みんなにお祝いしてもらったんですけど……。

砂田:武者修行の密着企画があった『週刊EXILE』(TBS系)ではオンエアされていなかったんですが、利樹をお祝いする前のミーティングで、他のメンバーが大げんかするというドッキリ的な仕込みをしていたんです。

松井:ハラハラしていたから、もう大泣きしちゃいました。オンエアだけ見ると、すごく子供っぽいですよね(笑)。でも最終的には嬉しかったです!

奥田:僕は地元の大阪で吉本新喜劇風のネタを披露できたのが思い出深かったです。関西の人間なら誰もがやってみたいことですし、小さな夢が叶って嬉しかったですね。僕の周りにはやんちゃな子が多かったので、自分がこうやって表舞台に立って、頑張ればできるんだぞということを見せたかったというのもあります。

深堀:スケジュール的にもかなりタイトでした。でも一日の仕事が終わったあとに、ホテルの大浴場でみんなで語り合ったりするのが楽しかったです。お風呂に浸かりながらの「今日はこうだったよね?」みたいな会話でも、やっぱり僕たち仲がいいなと実感できましたし。

日髙:連日長時間のバス移動になるので、みんなでゲームしたりする時間も楽しかったよね。

■7人の良さが7曲の中に反映された

――デビューアルバム『BALLISTIK BOYZ』についても伺います。すでにMVが公開されている「テンハネ -1000%-」は、白濱亜嵐さんの主演ドラマ『小説王』(フジテレビ系)の主題歌ですね。制作チームには先輩のSHOKICHIさん(EXILE、EXILE THE SECOND)も名前を連ねています。

砂田:サビの流れやビートの強さに、最近の楽曲にはあまりない新しいテイストを感じたというのが第一印象です。レコーディングではSHOKICHIさんが直接ディレクションしてくださいました。たとえば僕は声質的にレイドバックした感じの歌いまわしが得意なんですが、「この曲ではしっかりオンビートで、はねるような勢いのよさと力強さを意識しながら歌ってみて」とアドバイスをいただきました。サビの歌詞の〈駆け上がってく天まで〉や〈勝つまでAgain and again and again〉には、“目指す場所にたどり着くまで何回でも諦めずチャレンジしていこう”という、いまの自分たちのスタンスにも通じる部分があります。歌っていてもすごく気持ちが入る曲ですね。

――7人が歌やラップで入り乱れるなか展開されるダンスやアクロバットも、スリリングで見ごたえがあります。

奥田:この振りは僕と未来と将宏でベースを作っています。初めてMVを撮るということで、僕がサビ部分のたたきを作ってスタッフさんにより映像で映えるように何度も修正していただきました。この曲ではサビで複数人のラップとボーカルが重なるので、歌やラップをしながら踊りやすいように上半身の動きを大きく、ステップは少なめにする形で微調整を繰り返して完成させています。振りについては基本的に誰か1人のアイデアというより、7人のアイデアが反映されているほうがよりいいものを作れると考えています。外部のダンサーさんに頼むこともできますが、動きが大きすぎると歌やラップに影響が出ることもあるので、僕ら自身で、全員がより映えるように構成しています。

――同じく『小説王』のエンディング曲「PASION」は、ラテンテイストも含んだインパクトのある楽曲ですね。EXILE TRIBE楽曲ではおなじみのJAY’EDさんやDOBERMAN INFINITYのP-CHOさんが制作に参加されています。

日髙:グループを結成して初めていただいたオリジナル楽曲です。トラックの第一印象はラテンテイストの強さもありつつ、サビは思わず踊りたくなるようなガツガツしたビートなので、すごく衝撃的でした。実際に歌ってみるとJAY’EDさんのフロウはすごく難しくて、でも7人がそれぞれの声質とそれぞれらしい歌い方を試行錯誤するうちに、どんどん一体感が出てきたと思います。JAY’EDさん、P-CHOさん、NAOtheLAIZAさんのユニット・O.M.W.(OLDMANWILDIN’)が、今の自分たちにぴったりな勢いのある楽曲に仕上げてくださいました。「テンハネ -1000%-」もそうですが、これも自分たちの武器といえる一曲です。

――武者修行でも情熱的なパフォーマンスを展開していました。サビで繰り返すステップ中心の振りがすごく印象に残ります。

深堀:この曲も振りは僕と将宏、力也で考えています。‟楽曲の持つ勢いをわかりやすく伝える”というテーマのもと、力也がサビ部分の印象的なムーブを考えてくれました。逆にそれ以外のメロディアスな部分の振りは繊細で、歌詞を表現するような動きを意識しながら作っています。

砂田:サウンドがラテンテイストということもありつつ、歌詞に〈大地を踏みしめて〉ともあるので、レゲエで踊るような“ダンスホール”のステップを入れようということになりました。たとえばアフリカの子どもたちが裸足で踊っている動画をあれこれ見たりしながら特徴的な動きにできないかを探った結果、あのムーブにたどりついたんです。

――ホーンをあしらったゴージャス感のある「Make U a believer」や、ドープなテイストの「Baddist Fire」、武者修行でも披露されていたスケール感のある「NU WORLD」と全体的に勢いを感じさせつつ、ストレートなラブバラード「Crazy for your love」で締めくくっていて、聴きごたえがありました。

加納:アルバムでデビューというのは珍しい形ですが、自分たち7人の良さがこの7曲の中にわかりやすく反映されたものになっていると思います。曲のテイストによって歌い方やラップにも変化をつけているので、そういった部分も楽しんでいただけるのではないかと。最後はバラードで終わりますが、この「Crazy for your love」ではほかの6曲とは違った歌い回しに挑戦しているので、歌詞に込められた意味に思いを馳せていただきつつ、歌声の色の変化を楽しんでいただけたらいいなと思います。

――武者修行ファイナルでは「世界基準で戦えるアーティストに」といったコメントがありました。最後に改めて今後の展望について聞かせていただけますか。

松井:僕たち一人ひとりが海外やオーディションだったり、いろいろな場所でいろいろな経験をしてきて、このBALLISTIK BOYZが結成されて約1年が経ちます。でもこうして僕らがメジャーデビューできるのは、たくさんの方々のサポートがあってのことです。本当にこれまでサポートしてくださったたくさんの方々、応援してくださる方々に、感謝の気持ちが伝わるようにこれから大きく成長していきたいですし、つねに応援してくださる方々の期待を超えていける、誰も見たことがないようなグループになっていけるように頑張っていきたいです。

海沼:これからEXILE TRIBEの一員になるわけですが、先輩たちの築き上げてきたものを受け継ぎつつも、自分たちなりのエンタテインメントを作り上げていくことが僕らの使命だと思っています。世界で活躍できるグループになることはもちろんですが、いずれは新しいものを生み出しながらシーンを引っ張っていけるようなグループになっていけたらと思います。

日髙:僕らはPROJECT TAROとして活動してきたメンバーと、オーディションを経て選ばれたメンバーとが集まったという点でも新しいスタイルのグループなので、期待も注目もされていると思うんです。グループ全員が新しい時代をリードしていくという覚悟をしっかり持って、今後の活動に臨んでいこうと思います。(取材・文=古知屋ジュン/写真=石川真魚)