フレデリック、オンリーワンの先輩UNISON SQUARE GARDENに捧げた情熱の対バン
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フレデリック(撮影:ハタサトシ)
フレデリック企画の対バンツアー「UMIMOYASU~巡り巡りゆくシンセンス~」の東京公演が、7月19日にマイナビBLITZ赤坂にて行われた。
今回の対バン企画はフレデリックが敬愛するバンドを迎えて東名阪で展開され、大阪公演にはポルカドットスティングレイ、愛知公演には雨のパレードが出演。ラストを飾った東京公演では先輩であるUNISON SQUARE GARDENが対バン相手として登場した。
先攻を務めたUNISON SQUARE GARDENは、鈴木貴雄(Dr)のドラムで幕を開けるセッションから、「カラクリカルカレ」を皮切りに曲をシームレスに畳みかけていくスタイルでライブを進行。ポップなサウンドがフロアにさわやかな風を吹き込んだ「オリオンをなぞる」では田淵智也(B)が縦横無尽にステージを動き回り、「セレナーデが止まらない」では斎藤宏介(Vo, G)がギターをかき鳴らし、挑発的な歌いっぷりで観客を興奮させる。3曲を披露し終えひと区切りと思いきや、鈴木と田淵は演奏の手を止めず、斎藤の「よろしくお願いします」という手短な挨拶に続いて早々に次の曲へとなだれ込んだ。十二分にフロアが熱気で満ちたところで、3人は「シュガーソングとビターステップ」をプレイ。鈴木がおなじみのリズムを叩き、斎藤がギターをつま弾いた瞬間に「わあっ!」という歓声が沸き、フロアの後方まで埋め尽くした観客が手を挙げジャンプをする。ハッピーな空気が会場を満たしたところで、3人は「23:25」を挟み、ハイボルテージかつハイテンションな「天国と地獄」を爆音で叩き付けた。
30分以上におよんだノンストップのパフォーマンスを終えると、斎藤が「ワンマンツアーをずっと回ってて僕らバチバチに仲が悪いんですけど(笑)。ワンマン回ってるとわりとちゃんとしてるんですけど、ひさしぶりに大好きなバンドとやるとテンションが上がってるんでしょうね。リハーサルのときより全然音がデカい!」と気合いの入れようを説明。また鈴木がフレデリックの高橋武(Dr)、一方自身が赤頭隆児(G)と仲がよくLINEでやり取りしているエピソードを紹介した。高橋が丁寧かつ気遣いを感じさせるメッセージを鈴木に送っていたのに対して、斎藤が溺愛してやまない赤頭は「ライブお疲れ様です。対バン楽しみです」の2行だったことをうらめしそうに告白。「赤頭くんが俺の心をつかんで離しません!」と話にオチを付け、「BUSTER DICE MISERY」で再びライブモードにシフトした。さらに3人は間髪入れずに、「10% roll, 10% romance」「君の瞳に恋してない」という朗らかなトーンのナンバーを届け、高揚感を残して50分のステージを終えた。
先輩からのバトンを受け取ったフレデリックは、スモークがステージを覆い幻想的な空気が漂う中で「TOGENKYO」を奏でる。じっくり自分たちの空気を作り出したのち、三原健司(Vo, G)が「『UMIMOYASU~巡り巡りゆくシンセンス~』、フレデリック始めます」と挨拶し、4人は2曲目の「オワラセナイト」からギアをトップに入れた。「KITAKU BEATS」を披露する前に健司は「遊ぶ? 遊ばない?」と煽るように観客に問いかけ、「遊ぼうか」と言い放つ。それを合図に高橋が躍動的なビートを刻むと会場はダンスフロアと化した。
続けて大きな驚嘆の声が上がったのは「シュガーソングとビターステップ」のカバー。高橋がユニゾンファンに耳慣れたフレーズを叩いた瞬間、驚きと喜びが混じった大歓声が会場に響く。赤頭、三原康司(B, Cho)は先輩の演奏を丁寧になぞるように楽器を奏で、健司はハンドマイクで朗々と歌い上げていく。先輩に対するリスペクトを込めたカバーでひと盛り上がりしたあとは、近年発表の楽曲を軸にしたディープな世界に誘うブロックへ。中でもエレクトロサウンドに振り切った「NEON PICNIC」では、洗練されたアレンジなども含めフレデリックの新たな一面をアピールしていた。
中盤戦に入る前に健司は「ハンパないっすね! 何あの先輩。自分たちもああいう先輩になりたいなって。4年後、UNISON SQUARE GARDENみたいな先輩になるには、今日勝たないといけない!」と宣戦布告。今の季節を彩るサマーチューン「トライアングルサマー」や、疾走感ある「リリリピート」「愛の迷惑」を投下した。そして健司は「この曲で勝負していいですか?」と予告すると、「オドループ」で勢いを加速させていく。同曲ではバンドのアンサンブルと溶け合うようなシンガロングが起き、場内が一体感で包まれた。「一生俺たちのセンスについてきてください」という健司の言葉と共に届けられた最新曲「飄々とエモーション」で本編はクライマックスへ。開放感のあるサウンドに誘われるように、この日一番の大合唱が響きわたった。
その後一旦去った4人だが、拍手に呼ばれ再びステージに登場。充実した表情のメンバーを代表して、健司は「最高の先輩のために1曲。オンリーワンの最高の先輩のために、ぶち上げて終わりたいと思います」と口にして「オンリーワンダー」につなげる。カラフルなレーザーが飛び交う中、4人は先輩に捧げるように渾身のプレイを繰り広げて充実した「UMIMOYASU~巡り巡りゆくシンセンス~」に幕を下ろした。
「UMIMOYASU~巡り巡りゆくシンセンス~」2018年7月19日 マイナビBLITZ赤坂 セットリスト
UNISON SQUARE GARDEN
01. カラクリカルカレ
02. オリオンをなぞる
03. セレナーデが止まらない
04. マジョリティ・リポート(darling, I love you)
05. シュガーソングとビターステップ
06. 23:25
07. 天国と地獄
08. BUSTER DICE MISERY
09. 10% roll, 10% romance
10. 君の瞳に恋してない
フレデリック
01. TOGENKYO
02. オワラセナイト
03. KITAKU BEATS
04. シュガーソングとビターステップ
05. シンセンス
06. まちがいさがしの国
07. NEON PICNIC
08. トライアングルサマー
09. リリリピート
10. 愛の迷惑
11. オドループ
12. 飄々とエモーション
<アンコール>
13. オンリーワンダー