Dream Shizukaが語る、17年目のソロデビューへの決意 「夢を追い続けることをやめたくない」
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Dream、E-girls、DANCE EARTH PARTYという3つのグループで活動してきたDream Shizukaが、キャリア17年目にしてついにソロアーティストとしてのスタートを切った。2月に先行配信された「かなしみから始まる物語」に続き、今回リリースされる1stシングル『4 FEELS.』には、その名の通り、今の彼女の内面に渦巻く4つの感情が、異なるサウンドに乗せて紡ぎ出されている。1人の人間として抱える迷いや悩みすらも赤裸々に吐き出した上で、ソロに対しての揺るぎない決意を歌っていく彼女の声。そこには、これまでのイメージを軽やかに覆すパワーがある。楽曲同様、ありのままの思いを聞かせてくれたこのテキストから、“新人”ソロアーティスト・Dream Shizukaの熱い思いを感じ取って欲しい。(もりひでゆき)
すべてが大切な自分のルーツ
――ShizukaさんはこれまでDreamやE-girls、DANCE EARTH PARTYといったグループの一員として活動してきました。そこで過ごした時間は今、ソロアーティストとして一歩を踏み出したご自身にどんなものをもたらしていると思いますか?
Dream Shizuka(以下、Shizuka):どんなときも諦めず、すべてを楽しんでいく姿勢を、大切な仲間たちと過ごしたグループとしての時間が教えてくれたと思います。それぞれのグループの中では本当に様々な表現をさせていただけたので、それによってすごく鍛えられたところもありました。1人のアーティストとしての振り幅や、挑戦する気持ちの大事さも勉強することができました。そういう意味ではグループでの経験のすべてが今の私に繋がっている、すべてが大切な自分のルーツになっています。
――グループに在籍している頃からソロデビューという夢は抱いていました?
Shizuka:もちろんそういう気持ちはゼロではなかったですけれど、夢のまた夢だという感覚の方が強かったです。グループ内では他のメンバーに頼ってしまう部分もあったから、私はまだ1人でやる器ではないんだろうなって。ただ、そんな自分を変えて、1人でも活動できるくらいにならなきゃダメだなという思いは常に持っているようにしていました。
――では、昨年末にソロ宣言をしたときには、1人でもやっていける自信と覚悟を手に入れていたわけですね。
Shizuka:もちろん怖さはありました。少し先の未来に置いていたソロ活動が急に実現することになったので。ただうれしさもありましたし、17年くらい活動してきた今のタイミングでソロというチャンスをいただけることのありがたさを強く実感しました。このチャンスには絶対に意味があるはずだから、自分にできることをとにかく頑張って進んでいこうっていう気持ちになっていました。
――今年2月にはソロとして初の音源となる「かなしみから始まる物語」が配信リリースされました。これまでのイメージからすると、歌の持つ力を最大限に引き出すバラードだったことにちょっと驚いたところもあって。
Shizuka:私が今のこの職業に憧れた一番の理由は、歌で思いをしっかり伝えられる人になりたいっていう気持ちからだったんです。そのため、1回きりしかないソロとしてのスタートは、自分の原点を感じてもらえる曲がいいと考えました。いろんなもので着飾って派手にするのではなく、シンプルに自分の声で勝負しようと。そう考えた時に、2、3年前から温めていたこの曲のことを思い出し、もうこれしかないなってピンと来たんです。この曲がずっと陽の目を見なかったのは、きっとこのタイミングのためだったんだなと。
――弱ささえも見せた上で前へ進む決意を伝える歌詞もすごく印象的です。
Shizuka:ド頭から<Sorry ごめんなさい>って謝ってる斬新な歌詞ですよね。ソロとしては、自分自身のネガティブな部分だったり、かっこ悪い部分、不器用な部分もしっかり見てもらうところからスタートしたい思いがあったんです。これまでの私は決して順風満帆ではなかったし、時には落ち込んでしまうこともありました。でも、今の自分はみなさんに笑顔になってもらいたいし、ハッピーエンドが待っている未来に向かって頑張っていきたい気持ちが強いんです。そういった気持ちを公私ともにお世話になっている小竹(正人)さんに歌詞にしていただきました。
――配信以降、ファンからはどんな反応が届いていますか?
Shizuka:E.G.familyのホールツアーでも歌わせていただいたんですけれど、タイトルのインパクトとバラードだっていう部分に関してはみなさん驚かれている感じでした。でも私が伝えたい思いがちゃんと届いている実感があったし、みなさんが自分自身のことに重ね合わせて聴いてくださっているようにも感じられて。Dream Shizuka自身のことを歌った曲ではあるけど、それがみなさんの曲にもなってくれている。それがすごく嬉しいです。
みなさんからの反応を大切にしたい
――今回、ソロとして初めてのフィジカルシングル『4 FEELS.』が到着しました。「かなしみから始まる物語」を含む全4曲で、Shizukaさんの音楽性の多彩さを垣間見せてくれる作品になっています。
Shizuka:色とりどりな4曲を通して、私の様々な表情や思いを感じてもらいたいという気持ちから『4 FEELS.』というタイトルにしました。これまでグループとして培ってきたものを集約しつつ、これから伝えていきたい表情もギュっと詰め込むことができたので、私の過去~現在~未来を感じてもらえる作品になっていると思います。
――ソロとしては自分の感性にブレーキをかけることなく、より柔軟に、より自由に表現していきたい気持ちが強いですか?
Shizuka:そうですね。グループ内では自分の役割がありましたけれど、ソロだとそこは本当に自由。曲ごとに表情をガラッと変えることだってできるわけなので、これからがすごく楽しみなんです。最初のシングルからしてタイプがかなりバラバラな4曲が揃いました。
――1曲目は力強い女性賛歌とも言える「Woman We Are」。サウンド的にはこれまでのShizukaさんを一番イメージしやすいかもしれません。
Shizuka:久々に強めな自分を出してみました(笑)。E-girls時代の私を思い浮かべてくれる方が多いかもしれないですね。タイトルに“Woman”ってワードを使っていますけれど、「誰に何を言われようとも自分の道を信じて進んでいくべきなんじゃない?」っていうメッセージは、性別や年齢関係なくすべての人に当てはまるような気がしていて。もちろん私もそう思ってるし。そういう意味ではシングルの1曲目にふさわしい内容になったと思います。ライブでこの曲をやるときは久々に踊ったりもしたいですね。
――2曲目は湘南乃風のSHOCK EYEさんが作詞・作曲を手がけた「Paper Dream」です。
Shizuka:SHOCK EYEさんとは以前、DANCE EARTH PARTYの「ポッケ」という楽曲でコラボさせていただいたことがあり、いつかまたご一緒したいなとずっと密かに夢見ていたのが今回、実現しました。サウンド的には今までやったことのないロックテイストがやりたかったんですけれど、ロックと言ってもいろんなタイプがあるじゃないですか。なので、細かい部分に関しては私がリファレンスとしてイメージに近い曲を持っていったりしつつ、密なコミュニケーションを取りながら制作していきました。歌詞に関しても、ソロとしての今のリアルな気持ちをしっかり掬い上げていただいた上で書いてもらいました。
――普段、ロックを聴いたりすることもあるんですか?
Shizuka:普段からよく聴きますよ。今まではなかなか挑戦する機会がなかったんですけれど、もともと大好きなので。ロックに限らず、けっこう幅広いジャンルの音楽を聴くタイプでもあるんです。カントリーとかジャズとか歌謡曲とか、もちろんR&Bなんかも聴きますし。ソロではそういった自分の好きな音楽にもどんどん挑戦していきたいなっていう気持ちもあります。
――そして3曲目は「Just keep on dreaming」。ここではご自身で作詞を手がけています。
Shizuka:はい。この曲のデモを聴いた瞬間、「あ、歌詞を書いてみたいな」って思ったんです。ソロとして新しいスタートを切る喜びを伝えたかったんですけど、Bメロにはネガティブな部分もちょっと入ってはいますね。ポジティブな感情だけで終わってないのは今回の4曲ともに共通しているところだと思います。作詞にあたっては自分よがりな表現ではなく、日常の中にあるシーンや、そこで抱く感覚を大事にしたので、聴いてくださる方々の日常にもしみこんで、一歩を踏み出す瞬間の力になってくれたら嬉しいですね。
――4曲目の「かなしみから始まる物語」も含め、本作ではこれまであまり見えていなかったご自身の弱い部分、ネガティブな感情が本当に赤裸々に吐き出されています。そのことはソロとして動き出したご自身にとっての新たな強さになっているような気もするのですが、いかがでしょう?
Shizuka:今までは自信がないとか、恥ずかしいとか、そういった理由から引っ込み思案になってしまうところがけっこうあって。案外、なんでも完璧にできそうって思われているところもあるから、失敗することをとにかく恐れていたんです。期待外れだと思われたくはないなっていう。だから入念に準備をして、その不安を乗り越えてきたところがあったんです。今回、そういった自分のネガティブな感情も楽曲として伝えることができたのは良かったと思っています。
――気持ちがラクになったところがあるでしょうし、だからこそよりナチュラルに自分らしく活動していけそうですね。
Shizuka:そうだったらいいなって思います。「自信あります!」とはまだ言えないですけど(笑)、ここまでやってきたからこその自信はまったくゼロではないですしね。
――ソロアーティストとしてここからはどんなふうに歩んでいきたいですか?
Shizuka:私はソロとしてやっていく上で、自分が発信したものに対してのみなさんからの反応を大切にしたいと思っているんですよ。だから、まずはこのシングルへの反応がすごく楽しみです。そこでの意見や、シングルを制作したことで自分の中に芽生えている「もっとこんなことしてみたいな」という思いを反映しながら、新たな作品を作っていきたいです。アルバムを作るのはもちろん、その先にはツアーで全国のみなさんにお会いしに行きたいという夢もあります。
――アーティスト名に“Dream”が掲げられていますからね。夢は見続けて行くと。
Shizuka:はい。自分自身、夢を追い続けることを絶対にやめたくないし、そんな自分の活動を通していろんな人に夢を見てもらえたらいいなと思います。
(取材・文=もりひでゆき/写真=三橋優美子)
■リリース情報
『4 FEELS.』
5月22日(水)発売
【収録(初回生産限定盤)】
ディスク:1
1. Woman We Are
2. Paper Dream
3. Just keep on dreaming
4. かなしみから始まる物語
ディスク:2
1. かなしみから始まる物語 (Music Video)
2. Paper Dream (Special Movie)