山内ケンジを癒すものとは?トークイベント「根本宗子の劇作家四番勝負」開幕
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左から山内ケンジ、根本宗子。
月刊「根本宗子」の10周年を記念するトークイベント「根本宗子の劇作家四番勝負 presented by ナタリー」が、昨日5月22日に東京・VACANTで開幕した。
本企画では、根本宗子と彼女の敬愛する劇作家が、劇作や活動スタイルについて日替わりでトークを繰り広げる。昨日5月22日の第1夜には、ゲストに城山羊の会の山内ケンジが登場した。
根本の作品を初期作から数多く観劇していると言う山内は、2013年の「今、出来る、精一杯。」の感想を「実はあまりいい意味ではなく、『すげえなあ』と思った(笑)」と語りつつ「でも作品が客観的になってきて、どんどん観やすくなっていると思います。すごく完成度が上がっている」と根本を賞賛。山内は根本の東京・本多劇場進出作「夢と希望の先」に触れて「大きな劇場が似合うので、どんどん大きなところに行ってしまうのでは? 帝国劇場とか……」と水を向けると、根本は笑い交じりに「帝劇でオリジナル作品ってやれるんですかね?」と言いつつも、「いつか完全オリジナルのミュージカルがやりたいと思っている」と展望を口にした。
稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が出演し、山内が監督として参加した短編オムニバス映画「クソ野郎と美しき世界」には、根本もストリートミュージシャン役で出演した。本イベントに向けて同作を見返したと言う根本は、「あのオファーをなぜいただけたのかわかっていない。小学校から中学校までSMAPを追いかけていたから、すごくうれしかったです(笑)」と感謝を口にする。山内は「あの映画には小劇場の人をたくさん出したいと思った」と言い、「ストリートミュージシャン役は根本さんだなと思ったんです」とオファーの経緯を明かした。
根本に台本を執筆するスピードを尋ねられると、山内は苦笑を浮かべて「遅いですね……」と話す。山内は稽古開始段階では途中まで台本を執筆し、俳優の稽古の様子を見て続きを書いていると言い、「残り少ない人生だけど、一度は稽古初日に完本している、というのを経験してみたいですね。それをやって死にたい」と冗談を飛ばして会場を大きな笑いに包んだ。
CMディレクターとして長く活動してきた山内と、映像作品の脚本や監督も経験している根本は、演劇と映像の違いにも言及。山内は「映画と舞台の台本で一番違うのは……映画は稽古がいつまでも始まらないから、いつまでも台本が書けないということ」と苦笑いする。同じく映像作品の台本が苦手と言う根本は、自身が脚本で参加したドラマ「下北沢ダイハード」を「わがままを聞いてもらった。昔付き合っていた人の影響でパチンコをやってたことがあって(笑)、パチンコ台を舞台に出すにはとてもお金がかかるんですが、ドラマなら出せると聞いて……出してもらいました」と振り返り、「(協力してくれる)優しい人たちがいないと、映像は本当に向いていない」と話した。
イベントの終盤では、4日間のゲストに共通の質問に答えてもらう「10問10答」コーナーも設けられた。ここでは「初めて自分でチケットを買って観た舞台は?」「中学、高校時代は何部だった?」などの質問に山内が答える。中学、高校時代を吹奏楽部で過ごし、初めてチケットを買って観たのは安部公房スタジオ「案内人」だったと言う山内は、さらに根本に「最近何に癒されていますか?」と尋ねられて、「猫」と回答。山内は「野良猫を2匹飼い始めて、癒されています。噛み付かれて、手が血だらけになっちゃうんだけど……」と回答し、場内を和ませた。
「根本宗子の劇作家四番勝負 presented by ナタリー」は5月25日まで4夜連続開催。本日5月23日の第2夜には大人計画の松尾スズキ、明日24日の第3夜にはポツドールの三浦大輔、最終日となる25日の第4夜には贅沢貧乏の山田由梨が登場。なお5月24・25日公演では当日券が販売される。
「根本宗子の劇作家四番勝負 presented by ナタリー」
2019年5月22日(水)~25日(土)
東京都 VACANT
出演:根本宗子
ゲスト
5月22日(水):山内ケンジ
5月23日(木):松尾スズキ
5月24日(金):三浦大輔
5月25日(土):山田由梨