太古の教え継ぐ、ジョージアの人と自然の神秘 映画『聖なる泉の少女』
映画
ニュース
©BAFIS and Tremora 2017
映画『聖なる泉の少女』が8月24日から東京・神田の岩波ホールほか全国で順次公開される。
『第30回東京国際映画祭』コンペティション部門に出品され、『第91回アカデミー賞』外国語映画賞のジョージア代表作品に選ばれた同作は、ジョージアとトルコとの国境に接するアチャラ地方の山奥の村を舞台に、人々の心身の傷を癒す「聖なる泉」を守る一家を描く作品。聖なる泉を守る使命に思い悩む少女ツィナメが、村を訪れた青年に恋心を抱いて自由に生きることに憧れるが、水力発電所が山の水に影響を及ぼし、やがて泉にも変化が現れるというあらすじだ。原題は『NAMME』。
主人公のナメことツィナメ役をマリスカ・ディアサミゼが演じるほか、ナメの父アリ役にアレコ・アバシゼ、ナメの兄でキリスト教の司祭のギオルギ役にエドナル・ボルクヴァゼ、イスラム教指導者のヌリ役にラマズ・ボルクヴァゼ、教師のラド役にロイン・スルマニゼがキャスティング。監督と脚本を『ミゼレーレ(神よ、我を憐れみたまえ)』のザザ・ハルヴァシが務めた。
今回の発表とあわせて場面写真とポスタービジュアルが公開。場面写真にはナメが雪景色の中で魚が泳ぐ器を抱える姿や、柵を挟んで男性と向かい合う様子などが写し出されている。
ザザ・ハルヴァシ監督のコメント
――雪のふった早朝、まだうす暗く静まりかえった銀世界をわたしは眺めていた。沈黙のなか、あたりがしだいに明るくなり、遠くの方で木の梢から雪がおちる音が聴こえた。雪がおちた音さえも聴こえる静けさ‥‥この絶対の静寂を映像で表現できないものか。そのときから、わたしの映画作りが始まった。