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「ウィーアーリトルゾンビーズ」水道橋博士が太鼓判、電気グルーヴへのオマージュも

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左から長久允、水道橋博士。

「ウィーアーリトルゾンビーズ」のトークイベントが、本日5月28日に東京・TOHOシネマズ 錦糸町にて開催され、監督の長久允とゲストの水道橋博士が登壇した。

「そうして私たちはプールに金魚を、」の長久が長編デビューを飾った本作は、両親を亡くした少年少女がバンド“LITTLE ZOMBIES”を結成する物語。LITTLE ZOMBIESのメンバーとして、ヒカリ役を二宮慶多、イシ役を水野哲志、タケムラ役を奥村門土、イクコ役を中島セナが務めた。

イベントにはまず、水道橋博士が登壇。つまみ枝豆の妻(江口ともみ)の甥であるRyota(LOVE SPREAD)がテーマ曲「WE ARE LITTLE ZOMBIES」を手がけたことから本作を知ったという水道橋博士は、「不幸な話なんですけど、この映画の公開前にRyotaくんが突然亡くなって。彼の遺作という意味で観てみたら、それほど期待していなかったんですが、まあ見事に心を奪われて……。大傑作だ、これは“第2のカメ止め”になる、と思いました」と、2018年の話題作「カメラを止めるな!」を引き合いに出して熱弁する。

続いて長久もステージへ。青山学院大学出身で大手広告代理店に勤務する長久を、水道橋博士は「テレビで紹介したとき『チャラチャラした男です』って言ったんだよ(笑)。いけ好かない肩書き! 副業でカレー屋とかやってないの?」とジョークでいじる。映画を絶賛されたことに対し、長久は「この映画は『評価されたい』ということは意識せずに作ったので、絶賛していただけたのは驚きましたし……本当にありがとうございます」と真摯に感謝を述べた。

また水道橋博士は、長久の作詞した「WE ARE LITTLE ZOMBIES」が、電気グルーヴの「N.O.」にオマージュを捧げていることに言及。理由を聞かれた長久は「『N.O.』は、何かを“持っていない”けど、それを否定することなく、平常心で肯定している歌だと思っていて。その気持ちは大事だと思ったのでオマージュさせていただきました」と説明する。かつてはサックスでジャズを演奏していたという長久は、劇中でさまざまなジャンルの音楽を用いたことに触れ「僕はもともとミュージシャンになりたいと思っていた人間。それぞれのジャンルによって(聴いたときに)生まれる感情が違うなと思ったので」とその狙いを明かした。

イベントでは、長久が第33回サンダンス映画祭短編部門グランプリを受賞した「そうして私たちはプールに金魚を、」の話題も。同作に比べて大規模となった「ウィーアーリトルゾンビーズ」の現場で戸惑うことはなかったかという問いに、長久は「戸惑いはなかったですね。スタッフは以前と同じメンバーでやっているので。インディーズバンドがメジャーデビューしても、同じメンバーで同じ音楽をやるイメージです」と答えた。

最後に水道橋博士は「この映画は、20年、30年後まで残る傑作だと思っています」と断言。そして長久は、これから本編を鑑賞する観客へ「エンドロールのあとまで大事に作っているので、お時間があれば最後まで観ていただけるとうれしいです」と呼びかけた。

第35回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマティックコンペティション部門の審査員特別賞・オリジナリティ賞を獲得した「ウィーアーリトルゾンビーズ」は、6月14日より全国ロードショー。

(c)2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS