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乃木坂46 桜井玲香&伊藤理々杏に聞く、先輩から後輩へと受け継がれる思い

音楽

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リアルサウンド

 乃木坂46が23rdシングル『Sing Out!』を5月29日にリリースした。乃木坂46は、本リリースに先駆け、5月24日から26日にかけて同シングルのリリース記念ライブを横浜アリーナにて開催。アンダー、4期生、選抜と3日間に渡って三者三様のライブを展開し、超満員の横浜アリーナで現在のグループの充実と勢いを知らしめた。表題曲「Sing Out!」は、2018年から2019年にかけて主要メンバーの卒業や4期生の加入を経た乃木坂46にとって、そんな新体制の結束の強固さを改めて示すような楽曲になっている。

 変化を続けるグループの現在、各期生とはまた違った色を持つ4期生の存在感、そして乃木坂46のバトンを渡すメンバーとそれを受け取る後輩の思いとは。グループのキャプテンを務める桜井玲香と3期生の伊藤理々杏に話を聞いた。(編集部) 【最終ページに読者プレゼントあり】

■先輩が歌ってきた曲を任せてもらえるのは感謝しかない(伊藤)

ーー今年の9月で、3期生が加入して3年になります。

伊藤理々杏(以下、伊藤):そうですね。もうすぐ3年かぁ。

桜井玲香(以下、桜井):そんなに経ったんだ!

ーー1期生や2期生にとってだいぶ頼もしい存在になったんじゃないですか?

桜井:はい。いなきゃ困る存在になりました。

ーー具体的にはどういったところで?

桜井:一人ひとりにものすごくパワーがあるなと思いますね。もちろん1、2期とは加入当初の環境が全然違うので、私たちが何年もかけてやってきたことをかなり短期間で全部こなしてきたと思うんです。それって、めちゃくちゃつらかっただろうなって見ていて感じるんですけど、そのぶん自信みたいなものは感じるので、ライブをはじめ普段からいろんな場面で圧倒される瞬間が多いです。

ーー3期生が加入した時点で5年分の積み重ねがあったわけで、それを当たり前のものとして受け入れなくちゃいけないわけですものね。伊藤さんはこの3年近くで、どういったタイミングに手応えを感じましたか?

伊藤:やっぱりライブのために、いろいろ過去の曲や振り付けを覚えるわけじゃないですか。特に最近は2月のバースデーライブ(※2月21~24日に京セラドーム大阪で開催された『乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVE』)でそれをたくさん経験したんですけど、苦しいとかつらいとかよりもうれしい気持ちのほうが強くて。3期生は乃木坂が好きで入った子たちばかりなので、先輩たちが踊ってきた、歌ってきた曲を任せてもらえるのは本当に感謝しかないんです。

ーー言ってしまえば、歌いたかった曲、踊りたかった曲、着たかった衣装というのを託してもらえたってことですし、ファン冥利に尽きると。

伊藤:そうなんですよ。

ーーそういうマインドが1期生、2期生とはちょっと違うわけですよね。特に1期生は何もないところから道を切り開いてきたわけですから。

桜井:やっぱりこういうふうに話を聞いていても、実はそこってよくわからない感覚なんですよね。ちょうどこないだ『だいたいぜんぶ展』(※ソニーミュージック六本木ミュージアムで開催中の『乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展』)にやっと行けたんですけど……理々杏も一緒だったよね?

伊藤:はい、一緒でした。

桜井:あと(岩本)蓮加や(中村)麗乃もいて。私的には資料も含めて全部知っているものが展示されていたので、「ああ、こんなのあったなあ。懐かしいなあ」なんて振り返り方だったんですけど、ふと隣を見ると3期のみんなは「わーっ、これあのときのだ! すごーい!」っていう反応をしていて。その姿を目にして「そうか。この子たちは最初、ファンとしていてくれたんだ」と気づいたら、すべての反応がすごく新鮮に映ったんです。よくこういう場でも「ずっと(乃木坂46が)好きだったんです!」と言ってくれるけど、私たちとしてはもう仲間だから、そこの感覚に対しても「え、本当に? 本当に?」っていまだに理解できなくて(笑)。

伊藤:(笑)。

ーーそれこそ4期生なんて……。

伊藤:もっとですよねえ。

桜井:本当にすごいことですよね。

■どう披露していくのが曲の成長につながるのかを探りたい(桜井)

ーーちょうど4月には2年ぶりのアルバム『今が思い出になるまで』もリリースされましたが、乃木坂46にとってこの2年というのはすごく大きな変化のあった時期だと思うんです。まず、2年前はまだ日本レコード大賞受賞前ですから。

桜井:確かにそうですね。私も本当にそう思います。

ーー期せずして平成最後の作品となったアルバムで、この2年の活動にひと区切りをつけ、令和最初のシングルとなる『Sing Out!』で新たな一歩を踏み出した。この2作を続けて聴くと、そういう印象を受けるんです。

桜井:なるほど。そう言われると、そうなのかなあって気がします(笑)。

ーーご本人たち的にはあまりそういう印象はない?

桜井:確かに今までにない新しい挑戦を始めたな、という気はしています。

伊藤:うん、そうですね。

ーーでは、その新たな一歩となる新曲「Sing Out!」を初めて聴いたときはどう思いましたか?

伊藤:最初はびっくりしましたよ。今までの乃木坂の楽曲にはない感じがするというか、最初は「本当に乃木坂の新曲?」って疑ったぐらい驚きましたから。でも、繰り返し聴いているとすごくいい曲だなと思うようになりました。今まであまりなかったタイプの曲なので、元号が変わって初めてのシングルにはぴったりじゃないかなとは思います。

桜井:確かに今までにはあまりなかった曲調だなとは最初に思いました。今までの乃木坂の楽曲はピアノで始まる印象が強かったんですけど、今回のイントロやアウトロでリズムを強調した感じは真逆で力強いので、すごくワクワクして。それ以上に、単純にやったことがないタイプの曲だったから楽しみでしたね。

ーー僕は最初にこの曲を聴いたとき、「これは売れる曲だ」と思ったんですよ。

桜井・伊藤:(食い気味に)本当ですか?

ーーはい。すごくシンプルなメロディ、シンプルな構成を持つ即効性の強い曲だなって。それにハンドクラップやストンプを取り入れたことで聴き手側も一緒に体を動かしながら歌える、新しいタイプの代表曲になるんじゃないかと、直感で思いました。

桜井:そう言っていただけてうれしいです。もちろん私も「そうなってほしいなあ」とは思うんですけどね(笑)。

ーーレコード大賞2連覇という偉業を成し遂げたあとだけに、従来の路線をなぞることもできたはずなんです。でも、そことは違う道に進み、新たな勝負に挑んだと。

桜井:うん。だいぶ賭けているところはあると思います。それは乃木坂のチームとしてスタッフもそうですし、メンバーももちろん、全体的に。MVを撮ってくださった監督さんもそうですし、振付のSeishiroさんも……特にSeishiroさんはレコ大を受賞した2作(※2017年3月発売の『インフルエンサー』、2018年4月発売の『シンクロニシティ』)ともお世話になっていて、今までレコ大を獲った曲と似たようなタイミングにリリースされる楽曲でその方ともう一度ご一緒するとなると、やっぱり年末へ向けての思いもより強くなりますしね。

ーーなるほど。確かにそうですね。

桜井:特に今回の選抜は今までで一番人数が多いですし、そういうシンプルな曲調でお客さんと一緒にノレるんじゃないかというのも狙いの中にはもちろんあります。なので、今月のライブ(※5月26日に横浜アリーナで開催の『乃木坂46 23rdシングル「Sing Out!」発売記念 選抜ライブ』)でもある種の実験じゃないですけど、どうやったらお客さんがノッてくれるのかがこの曲における大きな課題かなと思うし、どういうスタイルで披露していくのがこの曲の成長につながるのかを探りたいですね。

ーー新しいタイプの曲だからこそ、今までとは違ったやり方もどんどん試みることができそうですし。

桜井:そうですね。だからこそ、ここから新しいジャンルのお客さんをうまく引き込めるんじゃないかというのも、ちょっとあったりします。

ーー「Sing Out!」は振付のSeishiroさんのみならず、MVの監督も「シンクロニシティ」を手がけた池田一真さんが担当しています。「シンクロニシティ」はメンバーのダンスに特化した作風でしたが、今回はそこに大勢のダンサーが加わることで楽曲の持つ力強さがより強調されているように感じました。

桜井:きっとSeishiroさんのあの独特なダンスに慣れて自分たちのものにできるようになったからこそ、「シンクロニシティ」のときにやりたかったことが今回できた作品だと思うので、ちゃんとつながっているなと思います。

■「選抜の中で、今の自分に何ができるんだろう?」(伊藤)

ーー伊藤さんは前作『帰り道は遠回りしたくなる』から2作連続で選抜入り。再び選抜メンバーに選ばれた率直な感想は?

伊藤:正直、選抜発表の前は「今回、自分はアンダーかな?」とちょっと思っていたりして。

ーーえっ?

伊藤:前作のときは「選抜の中で、今の自分に何ができるんだろう?」とずっと考えていたんです。そういう心境だったので、今作でもこうやって選んでもらえるなんて想像もしてなかったですし、握手会でもファンの方が「また選抜に入ってくれてうれしいけど、選ばれるとは正直思ってなかったからびっくりした」と言ったのを聞いて。でも、選んでくださったからには自分ができることを精一杯して、またこのグループに何か貢献できたらいいなと今は思っています。

ーー昨年末にインタビューしたとき、『帰り道は遠回りしたくなる』で選抜メンバーに選ばれた理由について考えていると言っていましたが、その答えは見つかりましたか?

伊藤:半々というか……自分はグループの中でも年少のほうなので、自分が持っているパワーを見せられたらいいのかな、あるいは見せてほしいと求められているのかなと思ったし、でも本当にそれだけなのかな? と考えるところもあったし。うん、半々ですね。

ーー選抜期間をもう一度経験することで、その答えが明確に見えてくるといいですね。

伊藤:うん、そうだとうれしいですね。

ーー伊藤さんが考えているようなことを、桜井さんも過去に経験してきたわけですよね?

桜井:はい。考えてきましたし、悩みまくりました(笑)。

ーーその答えは、どうやって見つかりました?

桜井:実は、私は見つからなかったから考えないようにしたんです(笑)。でも、私は理々杏が選抜にいることにはちゃんと意味があると感じていて、ほかのメンバーにはない感じを持っていると思うんですよ。それはパフォーマンスの表現力に顕著で。やっぱり大人数だと統一性が大事になってくるので、周りを見ながら合わせていくじゃないですか。そこには統一感が生まれると同時に、一方で自分らしさをちょっと削らないといけないということもあると思うんですけど、理々杏は本当に自分を表現するのが上手だなとパフォーマンスを見ていて思うんです。それこそ周りを引っ張っていけるパフォーマンス力を持っていて、周りの統一感を壊すわけでもないので、たぶんそこが買われているんじゃないのかなと私は思うので、今の理々杏の話を聞いて普通に「えっ? 必要だよね?」って感じでした。

ーーパフォーマンスに関して言えば、バースデーライブで伊藤さんがセンターを務めた「涙がまだ悲しみだった頃」が素晴らしかったという話をよく耳にします。

伊藤:えーっ、ありがとうございます! あのときは本当に心臓が口から出るかと思うぐらい緊張していて、正直言うと怖かったです。先輩のポジションに立たせていただくことにも緊張するのに、さらにセンターですから。

桜井:理々杏はセンターが合っていると思うよ。

伊藤:えーっ、うれしい(笑)。もっと頑張ります!

ーーしかもオリジナルのセンターだった伊藤寧々さん(※卒業生)、それを引き継いだ伊藤万理華さん(※卒業生)から、さらに“伊藤”の継承ができましたし。

伊藤:そうですね(笑)。それもあってか、万理華さんのポジションをやらせていただくことが多くて。同じ苗字に感謝です!

桜井:いやいや、あなたの実力よ?

伊藤:ふふふ(笑)。

■同世代のトレンドが作れる存在になってほしい(桜井)

ーー特に今回の『Sing Out!』では3期生が多く選ばれていますし、それは技術が向上して個性も確立された、その表れなのかなと。と同時に、今までの乃木坂46を良い意味で壊して、さらに長く続けるためには必要なことだとも思うんです。

桜井:本当にそのとおりですね。上の子たちはどんどん年齢を重ねて、ここからどんどん外へ出ていくことになると思うので、そうなるとこれからは3期生がメインになっていくはずですし。特に理々杏の年代の子たちは今、一番可能性がある世代だと思うんです。もちろん私たちも7年8年やってきたプライドはあるので、私たちが作ってきたものを受け継いでもらいたいという願いもありますけど、そこはあまり気にせずに「自分たちの乃木坂」として、いろんなことをバンバンやっていってもらいたいなと思っています。

ーー「私たちが作ってきたものを受け継いでもらいたい」というところで、後輩に何か直接教えたりということはあるんでしょうか?

桜井:具体的にはないんですけど、3期生はいい意味でカラーが強くて。たぶん今の流れ的には、むしろそっちのカラーのほうが大事なのかなと思ったりもするんです。もう確立できちゃっているものがファンに伝わって、実際ファンが付いて来ているわけだから、もっとやりたいようにやっていいと思いますね。

ーー方や伊藤さんたちは、先輩たちの背中を見ていろいろ学んでいると。

伊藤:はい。パフォーマンスのあり方とかステージ上でのことだけではなくて、普段の生活でもいろいろ学んでいます。私たち3期生は乃木坂が好きで入ったので、先輩方の作り上げたものをもっと先まで持っていきたいという気持ちも強いんだけど、「それだけじゃダメだよ」って言われているような気もしていて。自分もそうだけど、みんなまだ葛藤するところもあると思うので、こうやって言葉で伝えてくださるのは本当にうれしいなって思います。

ーーその葛藤って、どうしたら解消されていくんでしょうね?

伊藤:まだ迷いはありますけど、従来の乃木坂のカラーを保ちつつ、私たちならではの新しさをうまい配合でミックスできればいいんじゃないかなと。それができたら、もっと自信が持てるようになるんじゃないかと思っています。

ーーこれは3期生だけではなく4期生にも言えることなんですけど、皆さんちゃんと「乃木坂っぽさ」をまとっているなと思っていて。先輩たちと並んだときも浮いている感じもなく、すごく自然なんですよね。だから、乃木坂のカラーや空気感というものはちゃんと受け継がれていくという安心感もあるんです。

桜井:うんうん、わかります。

ーー桜井さんはここから、3期生や4期生を中心とした乃木坂46がどうなっていくのがベストだと思いますか?

桜井:幅広い世代に支持されるようなグループでありたいなとは思うんですけど、その中でも特に同世代の、10代20代ぐらいの若い子たちのトレンドみたいなものが作れて、かつ引っ張っていっているもののひとつとして乃木坂があったらいいなと。そういう意味では3期生の子たちがやっていること、例えば3期生や4期生の子たちのメイクを真似したいと思ってもらえているような、同世代から憧れられる子たちが常にいる……メンバーが入れ替わったとしても、新しい世代の子たちがそういうふうになれるグループになっていけたらなって思いますね。

ーーそれこそ、1期生の白石麻衣さんが築いてきたことを、3期生や4期生にも継承していってほしいと。

桜井:そうですね、3期生、4期生が同世代の子たちに対してそれをできるようになったら最高ですよね。

伊藤:……頑張ります!(笑)

桜井:おう!

ーー(笑)。

伊藤:私も1期生さん2期生さんを見て真似したいと思っていた人なので、自分たちもそういう存在になりたいなと思っているので……うん、頑張ります!

■プリンシパルは乃木坂46にとって大事な儀式(桜井)

ーー今回のシングルはカップリングもすごく個性的な曲が多いですよね。アルバムの時点でその傾向は見えていましたけど、音楽で遊んでいる感がより強く出ているかなと。

桜井:ですね。最近はいろいろ遊びすぎていて、カップリングは全部気になるんです(笑)。

伊藤:わかります(笑)。

桜井:一回聴いただけでは理解できない、複雑な構成の曲も多くて。

ーーそんな中、4期生の楽曲がシングル初収録。これはアルバムのインタビュー(※参照:乃木坂46 松村沙友理が語る、8年経って気付いた仕事に対する貪欲さ「私って本当に欲深いんです」)で松村沙友理さんが言っていたことなんですけど、「本当にその期ごとの色があるんだ!」と。

桜井:ああ、わかる。わかります!

伊藤:うん、そうかもしれない。

ーー3期生の楽曲は非常に3期生らしい。で、4期生の曲は3期生とも違うけど今の4期生らしくて、なおかつ一周回って初期の乃木坂46っぽい。それを踏まえて今回の「4番目の光」という曲を聴くと、本当にそのとおりだなと思うんです。

桜井:やっぱり期ごとに全然違いますよね。3期生は一人ひとりがだいぶ強い個性を持っていて、だから短期間でこんなに頼もしい存在になれたと思うんです。一方で、4期生はまっさらな印象が強い。3期生も最初は右も左もわからなくて不安だったかもしれないけど、4期生はそれに輪をかけたぐらいの状態で入ってきている感があって。そういうところは、確かに初期の1期生の感じに似ているのかもしれないですね。

ーー4期生には数回インタビューをしていて、先日の『3人のプリンシパル』も初日から千秋楽まで見させてもらいましたが、この半年弱でだいぶ変わったなと思います。

桜井:私、プリンシパルが終わってからまだ4期生に会えてないんですよ。

ーーだいぶ自信を持てるようになったんじゃないかなと。

桜井:みんな楽しそうだっていう話を耳にして。私はそれにまずびっくりして……「プリンシパルで楽しいって何?」って(笑)。

伊藤:ああ(笑)。

桜井:そこは本当に強いなって思います。

伊藤:3期生のときとも全然違っていて。私たちのときは自己PRが全然思いつかなくて、「ああ、どうしよう?」って直前まで頭をフル回転させて、ステージ袖に立ったときに決めたこともありました。それくらいボロボロになって(笑)。でも、4期生のプリンシパルを観に行ったとき、確かに(第2幕出演の3人に)選ばれなくて落ち込んだり悩んだりしてる感じもあったんですけど、それ以上にどっしり構えている感じが伝わってきて。3期生のときは「どうしよう? もうダメだー!」となってる子が多かったので、その違いにちょっとびっくりしました。

ーー実はプリンシパルの前に4期生数名にインタビューしたときに「乃木坂46のメンバーになった実感をどこで感じましたか?」と聞いたら、皆さん「まだ実感を得られてないかもしれないです」と答えていたんですね。ところが、プリンシパルの最終日に「やっと乃木坂のメンバーになれた気がします」とMCで言っていたのを聞いて、もしかしたらプリンシパルって乃木坂46の一員になるために必要な通過儀礼なのかなと。

桜井:でも、確かにそうかもしれない。メンバー全員経験しているわけですから。

ーー実際、3期生もプリンシパル前後でガラッと変わった印象がありましたし。

伊藤:そうですね、自分もプリンシパルを経験したことでちょっと強くなれたというか、自信にもつながりましたから。

桜井:やっぱりプリンシパルって乃木坂46にとって大事な儀式なんですね(笑)。

ーー4期生はこのあと(※取材時)、5月25日に横浜アリーナでの初単独ライブが控えています。3期生もそうでしたが、単独ライブを経験することで結束がより強くなるんじゃないでしょうか。

伊藤:私たちは本当にそうでした。3期生単独ライブをさせてもらったときに、自分たちでもわかるぐらいに結束がギュッと強いものになったので。でも、4期生は私たちのときとはキャパが全然違うので、もっと重いものを感じているんじゃないかな。だって、横浜アリーナですよ?

桜井:そうだよね(笑)。

伊藤:なので、頑張ってほしいですね。

ーーそこを乗り越えたあと、7月からの『乃木坂46 真夏の全国ツアー2019』がより楽しみになりますね。

桜井:そうですね。ここ最近のいろんな挑戦の結果が最初に出るのが夏のツアーかなと思うので、そこが本当の勝負どころかなと。

ーー『Sing Out!』を起点に横浜アリーナ、全国ツアーという流れは、今年の乃木坂46を占う上で非常に重要な期間になりそうですね。

桜井:本当にそのとおりだと思います。特にプロ意識という点において、ぜひ3期生と4期生にはバチバチやってもらいたいなと(笑)。3期生は自分たちの力を4期生に見せつけてあげてほしい!

伊藤:頑張ります!(西廣智一)