柄本佑「悪い顔をしながら企んで作った映画」で批評家大賞の主演男優賞に輝く
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第28回日本映画批評家大賞の授賞式が本日5月30日、東京・スパイラルホールにて開催され、主演男優賞を獲得した柄本佑、主演女優賞を受賞した石橋静河が登壇した。
「素敵なダイナマイトスキャンダル」で同賞を受賞した柄本は、「10何年か前に新人賞をいただいていて、今回は主演男優賞という賞をいただけて大変光栄です」と挨拶。エロ雑誌の編集長・末井昭を演じ、何度もヌードシーンがあったことを挙げながら、「末井さんが本当に自主規制なく雑誌を編集していたので、そのイズムというか精神を絶対にこの映画は継がなければいけない。だから、自主規制することなく作ってやるんだという並々ならぬ勢いがあったと思います」と当時を振り返った。さらに「監督と末井昭さんと僕、またスタッフ全員で非常に悪い顔をしながら企んで作っていたような映画です」と制作陣の絆を垣間見せ、スピーチを終える。
三宅唱の監督作「きみの鳥はうたえる」での演技が評価された石橋。トロフィーを渡されると、「うれしい反面、責任を感じざるを得ない状況だと思います」と賞の重みを感じている様子を見せた。2人の男性を翻弄する役をどう演じればいいのか悩んだと言い、「染谷将太さんと柄本佑さんが演じられるのだから、何も心配することなく2人のお芝居に動かされればいいと思って挑みました」と話す。また自分を「気難しくてとても手のかかる子供だった」と説明し、両親に感謝のコメントを送った。
瀬々敬久が手がけた「菊とギロチン」で助演男優賞を獲得した寛一郎は、「不相応なんじゃないかなと思ってしまいます」と謙遜する。続けて「この賞は、ある種の期待としていただけたんだなと思います」と話し、「これからも映画に出続けいい作品を残していくのが報恩。邁進していきたいと思います」と力強いコメントで締めた。「嘘八百」に出演し、助演女優賞を獲得した友近は、「日頃から武(正晴)監督のファンで、キャスティングをお聞きすると、本当に渋い俳優さんばかりで」と笑顔に。出演理由を「渋い俳優さんに囲まれてお仕事ができるということと、佐々木蔵之介さんの嫁役ということだけでお受けすることにした」と明かし、「続編となる次回作でも賞を獲れたら……」と野望を語っていた。
日本映画批評家大賞は、映画界を励ます目的のもと現役の映画批評家たちが選定する映画賞。映画ナタリーでは、表彰式全体の様子を追ってレポートする。