《忘れえぬ女(ひと)》約10年ぶりの来日!『ロマンティック・ロシア』展、今冬開幕
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イワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女(ひと)》 1883年油彩・キャンヴァス (c) The State Tretyakov Gallery
改修工事のため、現在休館中のBunkamura ザ・ミュージアムだが、11月23日(金)からは『国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア』展が開催される。
“ロシア美術の殿堂”と言われ、豊富なコレクションを誇る国立トレチャコフ美術館から、19世紀後半から20世紀初頭の激動のロシアを代表する作家の作品72点が来日。『ロマンティック・ロシア』と題し、風景画、風俗画、人物画、静物画を、自然や人物像に内在するロシア的なロマンをテーマに紹介する。
音楽ではチャイコフスキーやムソルグスキーが、文学ではトルストイやドストエフスキーら多数の才能が輩出したこの時代、芸術家たちは、美しい自然とともに、当時のロシアの複雑な社会、そしてこの時代を行き抜いた人々もまた絵画の題材として描くようになった。
白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原などの風景や、独特の丸屋根の教会や伝統的な建築で彩られた都市風景、郊外での静かな暮らし、透き通るような白い肌の女性たち、そして身近な生活の中で描かれた子どもたちの姿。こうしたロシアの日常的な情景に、画家たちは大いなるロマンを見出した。
そんなロシア近代芸術の傑作のひとつが、ロシアのモナ・リザとも称されるイワン・クラムスコイの《忘れえぬ女(ひと)》だ。トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』がモデルとも言われ、文学的ロマンティシズムを湛えた本作は、今回約10年ぶりの来日。見る人によってさまざまな感情を駆り立てるこの女性の眼差しは、何度見ても魅了されるに違いない。
他にも、初来日となるクラムスコイの《月明かりの夜》や、イワン・シーシキンの《雨の樫林》、ワシーリー・バクシェーエフの《樹氷》など、名作がずらり。一枚の絵に込められた奥深い物語をぜひ堪能してほしい。
【開催情報】
『Bunkamura30周年記念 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア』
11月23日(金・祝)~2019年1月27日(日)Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催
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