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広瀬すず×岡田将生=寅さん×さくらを思わずにいられない 『なつぞら』次週からはアニメーター編に

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リアルサウンド

 『なつぞら』(NHK総合)がスタートして早2カ月。全体の3分の1が経過し、第10週「なつよ、絵に命を与えよ」よりついにアニメーターとしてのストーリーが始動する。

 第9週「なつよ、夢をあきらめるな」にて、なつ(広瀬すず)は憧れの東洋動画の不合格と合格を味わうことになる。そんな、なつにとって地獄と天国を行き来するような期間、良くも悪くも目立っていたのが兄・咲太郎(岡田将生)だ。何をするにも空回りばかりの咲太郎となつの関係を、“朝ドラ受け”でお馴染みの『あさイチ』(NHK総合)で博多華丸大吉の2人は、『男はつらいよ』の寅さんとさくらに見えてくると指摘。『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 なつぞら Part1』(NHK出版)の岡田将生のインタビューには、「当初、「『男はつらいよ』の寅さんみたいな感じで」と役の説明を受けたのですが、さすがに僕には無理ですと答えました(笑)」と記載があり、制作サイドも少なからず『男はつらいよ』をイメージしていたことは確かだ。

 東洋動画への採用が決まり、なつは川村屋のアパートを出て亜矢美(山口智子)の家で、咲太郎とともに暮らすことに。その晩、咲太郎は風車の厨房に立ち、料理人だった父の得意料理・天丼を振る舞う。第9週には、なつと咲太郎の兄弟、家族の絆を感じさせるシーンが多くある。

 第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」第29回で、2人が再会を果たした時、富士子(松嶋菜々子)と信哉(工藤阿須加)を交えて、咲太郎が店に選んだのがなつが昔好きだったという天丼屋だった。「親父の天丼はこんなもんじゃなかったんだよ。親父は日本一の料理人だったからな」ーーそう言って、咲太郎はなつの記憶にない父の昔話をする。2人にとって天丼は、言わば奥原家の味。2人の再会、そして一つ屋根の下、兄弟が新たなスタートを切ろうとする時、自然と天丼があるのは料理人の父の面影を重ねているような気がしてならない。

 2人にとっては父が描いた家族の絵もそれぞれの支えになっていた。そして、なつにとっては兄の存在自体が自身の力に。人のために生きる人生を歩んでいた咲太郎は、なつの言葉、生き方に「自分のために生きてないやつは、人のことも助けられない」と気づく。信哉が放送記者に、なつがアニメーターとしての人生を歩もうとしている中で、「自分を生かす仕事を見つけた者は幸せだ」と話す何者でもない咲太郎が料理人を目指すのか、それとも役者なのか、はたまた裏方になるのかはこれから示されていくのだろう。また、風車ではなつの妹・千遥の存在も話題に上がる。未だキャストも発表されていない千遥を誰が演じるのか……。父はナレーションのみということから、そもそも姿を現わすのかというのも、今後の注目ポイントだ。

 ほかにも、咲太郎を巡る恋路に、まさかの川村屋のマダムこと光子(比嘉愛未)が参加するなど、様々なフラグを立てながら第10週「なつよ、絵に命を与えよ」からは、なつが東洋動画へ入社する。予告には、アニメーターの麻子(貫地谷しほり)、茜(渡辺麻友)、彩色担当の桃代(伊原六花)が新キャストとして登場。いよいよ、なつが自身のキャンバスに魂を吹き込む時が来る。(渡辺彰浩)