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King & Prince 永瀬廉が取り戻した笑顔と友情 『俺スカ』古田新太による驚愕の教育法とは?

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リアルサウンド

 家の庭先でサッカーボールを蹴り、涼やかな笑みを浮かべる明智(永瀬廉)の姿。2年3組の教室では見ることのなかったその表情に、こんな一面があったのかと驚かされた『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)第7話。そこでは、父親(板尾創路)からの暴力が彼の心を蝕み、大人を信じることができなくなってしまったことが明らかになる。それでもなお、原田のぶお(古田新太)は、明智とつながることを諦めようとしない。

参考:場面写真はこちらから

 サッカーをやめてしまった理由や原田先生に賭けを仕掛ける理由、無条件に大人へと反発する姿など、その言動の裏にあるものが不確かだった明智。第7話では、彼の過去に迫ることで、その原因が徐々に明らかになっていく。すべての始まりは、会社を経営していた父親・純一が起こした脱税という過ち。それをきっかけに純一は荒れ始め、明智やその母親に暴力を振るいだすようになってしまう。耐えかねた母親は200万円を置いて明智の元を去り、明智は一人暮らしをはじめるように。大人への信頼が激しく音を立てて崩れ去っていったのち、さらに追い討ちをかけるように、純一はその200万円を返せと要求。今までもバイトをしている姿が度々映し出されていたように、返すようなお金を明智は持っておらず、金を稼ぐために学校へ退学届を提出する。

 「原田先生ならどうしますか?」

 解決策を考えあぐねる長井(松下奈緒)は、原田にそう意見を求める。これまでも生徒と一対一で接し、様々な問題を解決してきた原田のぶおなら、この明智の問題にどう対処するのか。答えは“ボクシングでの殴り合い”だ。

 え、ボクシング!? そう思わず驚愕してしまう、実に原田先生らしい型破りな解決法。あくまでも(合法的な)スポーツとして、親子で殴り合いをさせる試みに出た原田だったが、明智は一向に父親に拳を突きつけることはなく、一方的にボコボコにされる痛々しい展開に。なぜ明智は父親を殴らなかったのか。それは、暴力を振るう父親と一緒になりたくなかったからだ。暴力を振るわれた際の口に滲む血の味と、ジンジンと広がる体と心の痛みを、彼はイヤというほど経験していたから、例え純一が相手でも、仕返しをしないというのが明智の意志の強さだ。しかしそこで初めて、「精神的な暴力」ではあるものの、同じ痛みと苦しみを若林(長尾謙杜)へと与えていたことに気づくことになる明智。「ごめん」と何度も言葉を重ねることで、明智と若林は痛みを共有していく。

 東条(道枝駿佑)と明智の「ごめん」の交流と、若林から明智へと注がれる許しの言葉。絡まっていたものがほどけてすべてがいい方向に向かいながらも、明智が負った傷は相当深いようで、「どうせ裏切んだろ」とまだ人を信用することに臆病でいる。そんな明智に原田は、「あんたが裏切られた数だけ、好きなだけ私を殴りなさい」「絶対に殴り返さないから」と約束をしてみせ、何度殴られても気絶せず、明智と対面する強い姿を見せる。原田が伝えたかったのは、約束を守る大人もいるということだ。物事をステレオタイプ化して遠ざけてしまうにはまだあまりにも早く、人に頼る弱さを受け入れることの重要性を、原田は血だらけになりながら必死に伝える。その想いの行く末は、原田のことを「のぶお」と呼ぶ明智と、文字通り“色眼鏡”を外した父親・純一の姿にこそ強く刻みこまれているだろう。

 原田のボクシング大作戦によって笑顔を取り戻した明智。演じたKing & Prince永瀬廉の初アクションも大きな見どころだったが、気になるのは次週以降のドラマ展開だろう。これまで以上に明智の多彩な表情が見られるのではないかと胸を躍らせながら、原田が内緒にしていたという“秘密”の正体も気になるところだ。

※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記。  (文=原航平)