『なつぞら』貫地谷しほりが登場! 無数に描かれたパンダの絵から垣間見えるなつの覚悟
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『なつぞら』(NHK総合)第56話の放送の中で、「風車」に来ていた噺家と思しき人物(柳家喬太郎)はこんな言葉を口にしていた。
「一流の芸術ってものはね、魂がこもって、描いた絵が動き出すんですよ」、と。
魂がこもって、描いた絵が動き出す。まさしくその通りなのだろう。それは恐らくアニメーションの世界でも同じことが言えるのではないか。なつ(広瀬すず)が働き始めた新たな職場では、皆がそれぞれに“魂をこめて”絵を描こうとしている様子であった。原画、そして原画と原画をつなぐ動画。これらが組み合わさってできるアニメーションというのは、決して簡単にできあがるものではない。ひとりひとりが、まさしく汗水流して試行錯誤している姿がとても印象的である。
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なつもまたそこで頑張る人々に追いつくべく、さっそく努力を重ねていく。先輩たちの書き損じなどを参考にしながら、自分の部屋でもコツコツ練習を始めるなつ。無数に描かれたパンダの絵は、彼女の気合いの入れようをよく表していた。また、時間がある時には、絵コンテを見て作品の世界観をより深く理解しようとしたりするなど、とにかく勉強に勉強を重ねるのであった。
そんな中、東洋動画では1人気になる人物が。下山(川島明)と同じく、セカンドとして働く麻子(貫地谷しほり)である。絵に関して意見の相違があったときに、同僚に少しきつめにあたる姿は、なつもちょっとビクビクしている様子。そしてついには麻子の口からは、なつをとがめる台詞が矢継ぎ早に出てくるシーンも。
「結婚相手でも探しに来てんの?」
「そんなお洒落ばっかり気つかって」
「将来の旦那に逢いたいって気持ちが滲み出てんのよ、その顔から!」
「男探しに来てるだけなら、目障りだから私の前うろちょろしないでちょうだい」
ただ、これまでのシーンを観るかぎり、麻子は人一倍、絵に対する思いが強いのかもしれない。冒頭の噺家の言葉を借りれば、“魂”のこめかたに何か彼女なりのこだわりがあるのだとしてもおかしくない。彼女自身にまつわる話も、どうやら重要なエピソードになりそうな予感がするので是非楽しみにしたいところである。(國重駿平)