友近「いろんな感情芽生えさせてくれた」風俗嬢に育てられた息子の物語に友近賞
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左から友近、辻村深月、千加野あい、大賞を受賞した月吹友香、読者賞を受賞した小沼朗葉、三浦しをん。
友近が昨日6月3日、特別選考委員を務める「女による女のためのR-18文学賞」の贈呈式に登壇した。
「女による女のためのR-18文学賞」は「女性ならではの感性を生かした小説」を募集する新潮社の文学賞。女性編集者が第1次、第2次選考を担当したあと、女性作家の三浦しをん、辻村深月による選考委員が大賞を決定する。今年は832作品の応募があり、大賞は月吹友香「赤い星々は沈まない」、読者賞は小沼朗葉「おまじない」に贈られた。
友近は特別選考委員として独自の観点で選んだ千加野あい「今はまだ言えない」(「どうしようもなくさみしい夜に」から改題)に友近賞を贈与。セックスワークで生計を立ててきた母を大事に思いながらもその収入で育てられた自分に複雑な思いを抱く息子を中心に描いたこの作品に、「『こういう生き方、あるなあ』と一番胸に迫ってきた」との選評を寄せ、昨日の贈呈式では「主人公にも千加野さんにも目が離せない。考えさせられるし、人生の面白さとか儚さとかつらさ、でもこの先この人にはきっと幸せが訪れるんだろうなとか、いろんな感情を芽生えさせてくれた」と感想を述べた。