柿崎芽実は日向坂46のヒロイン? 長濱ねるとのWセンターから“初代ぶりっ子王”獲得までを振り返る
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日向坂46が、7月17日に2ndシングル『ドレミソラシド』を発売する。表題曲も解禁されて盛り上がる中、一つ気になるのが柿崎芽実。ぶりっ子キャラとしてブレイク中の柿崎だが、最近は握手会やレギュラー番組『高校講座「社会と情報」』(NHK Eテレ)の欠席が長引いている。日向坂の前身であるけやき坂46(以下、ひらがなけやき)初期から長濱ねるとダブルセンターを務め、グループのヒロイン的存在として活躍してきた彼女が不在というのは、やはり物足りなさを感じてしまう。そこで今回は、柿崎の魅力を改めて紹介したい。
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柿崎は、長野県出身の現在17歳。ひらがなけやきの一期生で、加入当初はグループ最年少の14歳だった。オーディションを受けたのは、中学1年生の時に、YouTubeで乃木坂46を見てハマり、憧れたのがきっかけ。加入当初のキャッチフレーズは、「けやき坂46のフランス人形」。ロリータ服やフランス人形など可愛いものが好きで、メンバーにくっついて離れない妹感の強いキャラクターだが、そんな柿崎を長濱は『欅って、書けない?』(テレビ東京)で「媚びない人」と紹介、嘘がつけない性格でズバッと言うと解説した。当時「軍曹」と怖れられていた守屋茜に柿崎は、「腕相撲してみたい」と勝負を挑むほど、下克上精神も強い。
愛らしいビジュアルに負けず嫌いな一面も持つ柿崎は、メンバーから「最年少なのに中身が大人」と言われることもしばしばで、ひらがなけやき結成時は、長濱とダブルセンターに抜擢されることが多かった。たとえば、「ひらがなけやき」「誰よりも高く跳べ!」といった日向坂になった今でも代表曲として歌われる楽曲だ。また「永遠の白線」では、単独センターも務めている。「欅坂46の不動のセンター」と言われる平手友梨奈と仲が良いのは、同い歳で境遇も似ていたからなのかもしれない。
インタビュー記事からもその芯の強さは伝わり、2017年を振り返るインビューで、この1年で欅坂との関係性や存在に変化があったかという質問に対し、他のメンバーは「変わらない」と答える中、柿崎は「私はちょっと変わってきたかもしれません。『悔しい』とか『追いつきたい』って思うようになりました」(『Quick Japan』vol.135)と、自分の思いを素直に語っている。ただそれはグループを思ってのことで、初期の頃に欅坂に入りたいかと聞かれた際には「変わらずこのままひらがなけやきで頑張っていきたい」(『BUBKA』2017年9月号)と断言していた。
そんなグループへの愛が強い柿崎だからこそ、『ひらがな全国ツアー2017』ラスト公演を前に、骨折でライブを欠席せざるを得なくなった際には、ブログで「皆さんに約束します。私は絶対強くなって戻ってきます。皆さんに勇気を与えられる存在になります」と気持ちを切り替えた前向きな言葉を綴っていた。同公演の最後には、左腕を吊った状態で柿崎がサプライズ登場。「W-KEYAKIZAKAの詩」に参加し、涙した姿からは、グループへの思いと責任感が充分に伝わってきた。だからこそ、日向坂46への改名が発表された時には、みんなが喜ぶ中、一人だけ呆然とし、涙をこらえながら、「3年間活動してきたけやき坂という存在がなくなってしまうことが悲しいと感じたんです」と口にしたのだろう。その思いは、柿崎の実績から当然だったと言える。
二期生が本格的にグループに参加した頃から柿崎は、どこか一歩引いて支える側に回った印象だ。2018年にリリースしたひらがなけやき単独アルバム『走り出す瞬間』では、センターのラインから外れ、彼女のモチベーションが少し心配された。そんな時、舞台『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』の主役に抜擢。舞台女優という新たな才能を開花させたことは、柿崎を大きく成長させた。この頃「私はやりたいことが全然なかったから、ずっと何が出来るんだろうと思っていた」という柿崎が、「芝居がすごく好きだなと思えたので、これからはもっと色々なことが出来たらいいなって思いました」(『MARQUEE』Vol.129)と明かしたように、“自分に何ができるか”という視野が広がったように思う。
そして『ひらがな推し』(テレビ東京)では、ぶりっ子キャラが覚醒。元々、猫のニャンニャンポーズやウインクを得意としていたが、「ぶりっ子」と言われるのが嫌で泣いていたこともあった柿崎が、“初代ぶりっ子王”に君臨した。今や、ライバル宮田愛萌とのコンビ芸として成立している。そのやり切る姿にアイドルとしての成長を感じさせた。バラエティでも貴重な戦力として存在感を示し、新たな立ち位置を獲得した柿崎。以前よく彼女は、センターについて、グループ全体のことを考える“周りを見る力”と答えていた。冠番組が始まり、積極的に前に出て笑いをとるメンバーが多い中、柿崎が後ろに控えている安心感は、まさにそれを思い出させる。バランスよく活躍することでグループを支えながら、いつでもセンターを狙える頼もしさと緊張感を持つ柿崎の歩みは、実にドラマチックだ。“日向坂のヒロイン”という言葉がしっくりくるように思う。しっかり休んで、またあの笑顔を見せてほしい。(文=本 手)