『なつぞら』東洋動画に少しずつ起き始めた変化 なつの“口ケチャップ”も話題に
映画
ニュース
美大卒でいわゆるエリートの大沢麻子(貫地谷しほり)から目を付けられ、新しい職場の洗礼を受けていたなつ(広瀬すず)。そんな新天地でのなつの立ち位置が『なつぞら』(NHK総合)第58話では早くも大きく動くことに。
参考:場面写真はこちらから
麻子は、偶然手にしたなつの動画を、担当であるアニメーター・堀内幸正(田村健太郎)の絵と勘違いして絶賛。井戸原(小手伸也)の声もあり、なつの動画が採用されたのだ。仕上課と作画課を行き来して、どんな時も絵を書き続けてきたなつの試みが期せずして報われたと言える。
仕上課に戻ったなつは、先輩の桃代(伊原六花)から「あなたを見ていたら楽しそうで、私も漫画映画をもっと勉強してみたくなったわ」と声をかけられ、なつもそれに「楽しいですよ! 私も今日その本当の楽しさが分かった気がしたんです」と返す。なつの健気に自分のやりたいことを行動に移していく姿勢が、東洋動画という職場に小さな変革を少しずつ起こしているのだ。
「楽しさに区切りはないんですよ。ただ、自分がそれを求めるかどうかの違いで」「やるとなったらやるしかないしょ」となつは口にする。新しい職場でもブレない、なつのやりたいことへの貪欲な姿勢には、こちらも背筋を正される思いだ。
一方、仲(井浦新)は井戸原とともに、演出家・露木重彦(木下ほうか)になつの絵を見せ、なつの作画課行きを直談判。「原画に支持されていないのに、動画の子が勝手に描くのは良くない」とシステムの問題や絵の稚拙さを指摘する露木だが、仲はなつのセンス・感性を語り、なつのような若手にチャンスを与えることは人材育成のためにも必要だと主張するのだった。仲の真摯な思いに折れた露木は、もう一度試験を受けるチャンスを与えることを提案。
翌日の昼休み、仲はランチをなつにご馳走し、再試験のチャンスが与えられたことを報告する。再試験に受かれば、なつはいよいよ念願のアニメーターに。貪欲ななつに迷いはなく「やります!」と答えるのだった。決して自分のやりたいことを諦めなかったなつの姿勢が皆に認められた結果と言える。
ちなみにこの時、なつがご馳走になっていたのは喫茶店のオムライス。「やります!」と答えるなつの口元にはケチャップが……。ナレーションが「なつよ、まずは口を拭け」と指摘するユーモラスな締めとなった。(文=島田怜於)