ロシアの映画祭で日本映画特集開催、「ひとりじゃない」の小林涼子らが会見
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左から鐘江稔、小林涼子。
ロシア・アムールの秋映画祭“日本シネマデイズ”出品作「ひとりじゃない」の記者会見が、6月5日に東京・四谷区民ホールにて開催され、監督の鐘江稔、主演の稲森誠と小林涼子が登壇した。
現地時間9月14日から22日に開催されるアムールの秋映画祭は、黒澤明監督作「デルス・ウザーラ」のロケ地としても知られるアムール州が17年継続している映画祭。一般社団法人ユーラシア国際映画祭との業務提携により実現した“日本シネマデイズ”は、長編・短編含む約8本の日本映画を紹介する試みだ。
上映作品の1本「ひとりじゃない」は、宮城県登米市の豊里町が製作した40分のオリジナル作品。沿岸被災地で妻と子供の3人を失くし、後を追うことも考えていた男・赤井誠が、旅行者・伊川美奈子に出会う物語を描く。舞台「うしおととら」の稲盛が赤井、「轢き逃げ -最高の最悪な日-」の小林が伊川を演じている。
これまでドラマ「婚姻関係」などを手がけてきた鐘江は会見にて、本作について「日本ではこの主人公のように一人暮らしの人が増えています。そして孤独死の数も増えています。一人暮らしの人がどんなに寂しい思いをしているかを理解すること、そして人との素晴らしい出会いがあれば、明るい希望につながることを伝えたいと思い、この映画を製作しました」とコメント。また「アムールの秋映画祭での上映をきっかけに、日本中、そして世界中の方にご覧になっていただき、孤独な人のいない世の中になるよう願っています」と語った。
また小林は、撮影中は現地のボランティアが食事を作り、送迎車を出したこと、そして現地の高校生がカチンコをたたいたエピソードなどを紹介し「普段ロケ地をお借りすることは多々ありましたが、こんな経験は初めてでした。豊里町の方々が老若男女問わず一致団結して撮影に励んている姿は、1人では難しいことも、2人3人と力を合わせれば、すごい力になると教えてくれました」と振り返った。
なお日本シネマデイズには本作のほか、高島礼子と六角精児が出演した浅野晋康の「くらやみ祭の小川さん」、梅木佳子の監督作「Lemon&Letter」、増山麗奈の監督作「はじまりの日~ベーシックインカム元年~」、青柳宇井朗の監督作「呪鏡」などが出品。森達也の最新作トレイラーも上映される。