青木豪×河原雅彦「黒白珠」開幕、松下優也&平間壮一が“似てない”双子を好演
ステージ
ニュース
「黒白珠」ゲネプロより。左から松下優也演じる信谷勇、平間壮一演じる信谷光。
「黒白珠」が昨日6月7日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕。これに先駆けて同日、囲み取材と公開ゲネプロが行われた。
青木豪が書き下ろし、河原雅彦が演出を手がける本作は「エデンの東」をモチーフとしたオリジナル作品。1990年代の長崎を舞台に、双子の兄弟を軸とした家族の物語が描かれる。
信谷家の長男・勇(松下優也)は、高校を卒業後、職を転々とし、真珠の加工・販売会社を経営する父・大地(風間杜夫)を心配させていた。勇の双子の弟・光(平間壮一)は、大学進学のために東京に出ていたが、一時的に長崎に帰省。勇と光は、2人が幼少の頃、不倫の末に駆け落ちして家を出た母・純子と思わぬ再会を果たす。この巡り合わせをきっかけに、信谷家の隠された秘密が明らかになり……。
松下は、自身の出生に疑念を抱き、苦悩しながらも懸命に生きる勇をまっすぐに熱演。一方、平間は、とある秘密を抱え、どこか陰のある優等生の光を繊細に演じた。本作にはこのほか、勇の恋人・松原花苗役の清水くるみ、花苗の伯母・吾妻邦子役の平田敦子、大地のはとこ・須崎英光役の村井國夫、その娘・沙耶役の青谷優衣、そして謎の男・薮木三郎役の植本純米が出演している。
ゲネプロ前に行われた囲み取材には松下、平間、村井、高橋、風間が出席。まず松下は「稽古でやってきたことを、お客様にどう感じてもらえるかとても楽しみです」と思いを述べる。悩みながら稽古をしていたと言う平間が「いろいろありましたが、初日が開いてよかったです」と笑顔をこぼすと、松下は「壮ちゃん(平間)は、本当に悩んでいました。人に相談をしときながら自分で解決しちゃんですけどね(笑)」と笑いを誘った。
双子役を演じることについて松下と平間に質問が投げかけられると、松下は「見た目は全然似てない双子です(笑)」とコメントし、「壮ちゃんとは5・6年前に舞台で共演してから仲がいいので、今回もお芝居の内容についての会話からスタートできました」と平間に視線を送る。対する平間も「双子役だから、という意識はなく、自然体で演じられています」と松下に信頼を寄せた。
村井は「試行錯誤を重ねた稽古が実ってくれたら」と語りつつ、自身の役どころについて「おしゃべりでセコい男。私自身そういう性格なので、等身大でやっております(笑)」と冗談めかす。続く高橋は「家族それぞれの思いや苦悩が描かれた魅力的な作品です。村井さん、風間さんのベテランお二人のやりとりも見どころです!」とアピールした。
さらに風間は「脚本の直しもあった稽古でしたが、カンパニー一丸となって初日を迎えられてうれしく思います」と感慨を述べ、演出の河原について「非常に穏やかで繊細な演出家。俳優陣の疑問にも丁寧に答えてくださいます。素敵な出会いになりました」と信頼を寄せた。
最後に松下は「僕と壮ちゃん、清水くるみさん、青谷優衣さんという平成生まれの若手4人と、大先輩方が力を合わせて、長崎弁で芝居をがんばっています。笑える要素もありますし、“家族とは何か?”について考えてもらえるような作品になっています。ぜひ劇場に足をお運びください」と結んだ。
上演時間は途中休憩を含む約2時間20分。東京公演は6月23日まで行われ、その後、兵庫、愛知、長崎、福岡を巡演する。
「黒白珠」
2019年6月7日(金)~23日(日)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2019年6月28日(金)~30日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2019年7月6日(土)・7日(日)
愛知県 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
2019年7月10日(水)
長崎県 長崎ブリックホール 大ホール
2019年7月13日(土)・14日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
脚本:青木豪
演出:河原雅彦
出演:松下優也、平間壮一、清水くるみ、平田敦子、植本純米、青谷優衣、村井國夫、高橋惠子、風間杜夫