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ジョン・ダウランド リュート・ソング集 400年前のイギリスの流行歌を体験

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16〜17世紀に、イギリスをはじめ、広くヨーロッパで、リュートの名手・作曲家として活躍したジョン・ダウランド(1563-1626)のリュート伴奏歌曲は、秀逸なメロディと多声音楽の技法を駆使した緻密なリュート・パートと、陰影深く美しい子音に彩られた英語の歌詞が紡ぎ出す繊細極まりない織物のような音楽だ。シェイクスピアに代表される演劇文化が花開き、悲劇、メランコリーを愛したこの時代のイギリスならではの演劇的かつ憂愁に満ちたスタイルは、400年後の今も新鮮に響くのだから驚かされる。ロック界のスーパースター、スティングもその魅力にとりつかれた1人で、名盤『ラビリンス』を録音したことも記憶に残る。

今回ダウランドの歌を披露するのは、学生時代からダウランドの音楽に惹かれていたという小倉麻矢。イギリス留学を経て現在はイギリス古楽のほか、モーツァルト、ヘンデルなどのプログラムでも活躍している期待の若手歌手だ。リュートの名手つのだたかしとの共演による今回のステージでの、伸びやかでみずみずしい歌唱に期待したい。

小倉麻矢(歌) MAYA OGURA

フェリス女学院大学音楽学部声楽科を卒業後、イギリス古謡の世界に惹かれてロンドン王立音楽大学 (Royal College of Music)に留学、古楽科演奏ディプロマ取得。在英中はリュートソング・デュオ Dialogo Amoroso としてナショナル・ギャラリーを始めとしたロンドン各地にて演奏活動を行う。 帰国後はリュートソングの演奏や、親子で楽しめる古楽アンサンブル・コンサートなど、各地で演奏活動を行う。またラモー作曲 オペラ『プラテー』、ヘンデル作曲 オペラ『デイダミア』、『フラーヴィオ』に出演するなどバロックオペラにも活躍の場を広げる。声楽を竹澤嘉明、波多野睦美、 ジェニファー・スミスの各氏に師事。演技、舞台表現法をティモシー・ハリス氏に師事。

つのだたかし(リュート) TAKASHI TSUNODA

独奏に加え、伴奏楽器としてのリュートの魅力を追求、歌とのアンサンブルに力を注ぐ。エマ・カークビー、ロベルタ・マメリ、エヴリン・タブ、波多野睦美ほか内外の名歌手の厚い信頼を得て共演、イギリスのリュートソング、イタリアのマドリガーレなど、16-18 世紀の声楽作品を中心としたプログ ラムで国内外でのコンサート、音楽祭に多数出演。モンテヴェルディのオペラ『オルフェーオ』、シェ イクスピアの『十二夜』などの舞台作品、映画の音楽も手がける。古楽器バンド《タブラトゥーラ》 主宰。自身の古楽レーベル『パルドン』からソロCD「リュート」他、歌手との共演作品を多数発表し、「レコード芸術」誌で特選盤、大賞に選出。

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