宮崎駿に師事した糸曽賢志の初劇場アニメが公開、花澤香菜や梶裕貴ら出演
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「サンタ・カンパニー ~クリスマスの秘密~」キービジュアル
日本とフィンランドの外交樹立100周年を記念し、劇場アニメーション「サンタ・カンパニー ~クリスマスの秘密~」と「コルボッコロ」が12月に公開される。本日6月10日、プロジェクト発表会が東京・フィンランド大使館で行われた。
両作の監督を務めるのは、10代でスタジオジブリの宮崎駿に師事して演出を学び、今回初めて劇場アニメーションを手がける糸曽賢志。いち早く国内外のクラウドファンディングを用いるなど、製作委員会方式に頼らず自主制作を続けてきた。フィンランド大使館の公式キャラクター・フィンたんをデザインし、同キャラクターのアニメーション制作を手がけるなどフィンランドとの親交も深い。
「サンタ・カンパニー ~クリスマスの秘密~」は、2014年に糸曽が自主制作したオリジナル短編作品。当時まだ珍しかったクラウドファンディングでの制作資金集めや、二次利用として体験しながら学べるアニメ教材を教育機関に提供するなど、さまざまな手法で利益を生んだ企画だ。今回、より多くの人々に届けるため新たなシーンを多数追加してリメイクされる。
物語はサンタ部、プレゼント部、トナカイ部の3つの部署からなる大手企業サンタ・カンパニーを舞台とした、クリスマスにまつわるファンタジー。サンタクロースを手伝う主人公・ノエル役の花澤香菜、ノエルに思いを寄せる少年・ベル役の梶裕貴、さらに戸松遥、釘宮理恵、櫻井孝宏、近藤雄介ら声優陣が出演決定した。キャラクターデザインは左、アニメーション制作は旭プロダクションが担当。劇伴はSUPA LOVEが手がける。劇場公開に向け、6月20日からはSony Bank Gateで投資型クラウドファンディングを開始。さらに8月頃より国内向けにMakuake、海外向けにKickstarterで購入型クラウドファンディングを実施する。糸曽はリターンに関して「キャラクターの命名権や出演権、試写会やイベントの参加権などを予定しています」と明かし、「皆さんを巻き込んで一緒に盛り上げていきたい」と意気込んだ。
同時上映される「コルボッコロ」は、さまざまな文明や宗教が混在する世界を舞台に、不思議な力を持つ巫女の血を継承する14歳の少女・鈴と自然の精霊・コルボッコロが出会うところから始まるSFエコファンタジー。2007年に糸曽がほぼ個人で制作した本作だが、今回「サンタ・カンパニー」とのつながりが明らかになる構成に改変される。キャストや主題歌アーティストは調整中。
発表会にて、フィンランド大使のペッカ・オルパナは「この映画が両国の関係をさらに密にすると確信しております」と期待を込めた。また糸曽はスタジオジブリでのエピソードとして、宮崎や鈴木敏夫が同席した集団面接を述懐。宮崎が受験者を試す質問をした中、唯一の合格者となった糸曽は「宮崎さんに『エンタテインメントに携わる人は、人の話を鵜呑みにするんじゃなくて考えることが重要だ』と言われました」と恩師の言葉を振り返った。
YouTubeでは「サンタ・カンパニー ~クリスマスの秘密~」の予告編が公開中だ。