森崎ウィン登場、STUDIO4℃『トゥレップ』予告編 『海獣の子供』原画展も
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STUDIO4℃の映画『トゥレップ~「海獣の子供」を探して~』の予告編が公開された。
現在公開中のアニメーション映画『海獣の子供』のSTUDIO4℃が手掛けた同作は、「海獣」「海」「生命」「神話」「対話」「宇宙」といったタイトルが付けられたビデオテープを残して行方不明になった男の行方を追う「ドキュメント・オデッセイ」。それぞれのタイトルに沿った専門家へのインタビュー映像、男のボイスメモ、「21世紀の日本の街の風景」などで構成される。監督は山岡信貴。なお「トゥレップ」は、ミクロネシアのマーシャル語で「航海や目的のある旅」、アイヌ語でアイヌの主食オオウバユリを指し「神様の贈り物」として大切にされてきた「命をつなぐもの」を意味するという。公開は6月15日。
予告編では、森崎ウィン演じる謎の失踪を遂げた男の「7月41日、肉体に制限がなくなれば心はもっと自由になるんだろうか。結局、生命の可能性を知るのに、生命そのものを知らなすぎる」というモノローグや、生物学者の長沼毅、獣医学者の田島木綿子、『海獣の子供』の原作者・五十嵐大介、精神科医の名越康文、水中表現家の二木あい、人類学者の中沢新一、理論物理学者の佐治晴夫の姿などが確認できる。
また山岡信貴監督のトークイベントが6月15日に東京・アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、6月16日に神奈川・横浜シネマリン、6月22日に大阪・シネ・ヌーヴォ、6月23日に愛知・名古屋シネマテークで開催。さらに6月15日からアップリンク吉祥寺、千葉・柏のキネマ旬報シアター、横浜シネマリン、富山・中町のHOTORI×ほとり座ほかで『海獣の子供』の生原画展が行なわれる。今回の発表とあわせて『海獣の子供』の渡辺歩監督のコメントが公開。
渡辺歩監督のコメント
自由だ。
語りべたちはそれぞれの見地で。
宇宙の。自然の。生命の。
そして私たちの意味を解こうとする。深く聞き入ると。
知らぬ間に人知の岸からはなれて。
帆も錨も持たぬ思考の船は。
生き物の気配に満ちた宇宙をただよう。その宇宙では。
言葉は音階のぬけたリズムでしかなく。
心地よいままにただうなずく自分に気がつく。
これは自由な映画だ。答えがあるのか。
答えがないのか。
それをめぐる全ての思考が絶対的に自由なのだ。ここまで書いて良いことを思いついた。
この映画のフィルムの頭と尻をつなぎ。
終わらぬ上映としたらどうだろう。
観客は好きなところから見て。
好きなところで席を立てばよい。それほどの自由さをこの映画は持っている。
どうか自由に味わってほしい。