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三月のパンタシア、オーディエンスと四季を旅したワンマンライブ

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みあ(Vo)(撮影:則常智宏)

三月のパンタシアが6月9日に東京・EX THEATER ROPPONGIでワンマンライブ「ガールズブルー・ハッピーサッド」を開催した。

三月のパンタシアは昨年8月より音楽、小説、イラストが連動する自主企画「ガールズブルー」を展開し、今年の3月に本企画を軸とした最新アルバム「ガールズブルー・ハッピーサッド」をリリース。みあ(Vo)による書き下ろし小説をもとにクリエイター陣が楽曲を制作したこのアルバムでは、季節をテーマにさまざまな女の子の物語が描かれている。三月のパンタシアは本公演で四季をテーマに春、夏、秋、冬の4つのブロックに分けて楽曲を披露。ステージ中央にそびえ立つ大きな木とLEDスクリーンを用いた演出と共に、移りゆく季節を表現した。

ダイスケリチャードのイラストからなるオープニングムービーを経て、ライブは夏のブロックで幕を開ける。ステージに現れたみあ(Vo)は最新アルバムの収録曲「パステルレイン」でライブを始め、バンドが奏でるリズミカルなサウンドに乗せて透明感のある歌声を響かせた。続く2曲目は、ひと夏の恋を描いた楽曲「青春なんていらないわ」。LEDスクリーン内で花火が打ち上がり、センチメンタルなメロディと共に観客は夏の世界観に浸っていた。その後最新アルバムのみならず、1stアルバム「あのときの歌が聴こえる」からも夏曲「青に水底」がピックアップされ、その世界観はさらに深みを増していく。疾走感あふれる楽曲「ソーダアイス」では、みあが感情を解き放つように切迫感のある歌声を披露。ステージセットの木は緑葉で生い茂り、鮮やかな夏の光景が描かれた。

秋のブロックはハロウィンをテーマにした楽曲「ビタースイート」でスタート。みあはスタンドマイクで、艶やかなバンドサウンドに乗せて悲痛な恋愛の物語を歌い上げた。そして「ラフスケッチ」でステージセットの木は緑葉から紅葉へと移り変わっていく。真赤に色付いた秋の景色をバックに、みあは観客に語りかけるように「ルビコン」を届けた。

「恋を落とす」で始まったのは冬のブロック。スクリーンに映し出された雪降る街を背景に、みあは自身で作詞した楽曲「東京」をエモーショナルに歌い上げた。「街路、ライトの灯りだけ」では軽快なリズムに合わせて、オーディエンスが楽しげに腕を上げる。「コラージュ」では冬木に緑葉が付いていく様子が描かれ、場内にピースフルな空気が広がった。

夏から始まったこのライブはいよいよ春の季節へ。満開の桜をバックに、跳ねるような鍵盤の音色が響きわたったのは「ピンクレモネード」。「シークレットハート」ではポップなメロディに乗せて、切ない恋心が歌われた。ライブも終盤を迎え、みあは「夏から始まって秋を経て、少し冷たい冬も超えて、春まであなたと一緒に季節の旅をしてきました」とこの日のライブを振り返る。そして「『今は梅雨の季節なのに、どうして春で終わったの?』と思っていますか? それは私がとっても春が好きだから、そして『三月がずっと続けばいい』と思っているからです!」と述べ、最新アルバムのリード曲「三月がずっと続けばいい」を披露。観客がクラップを楽しんだり、コーラスパートを合唱したりと、大盛り上がりの中本編は終了した。

アンコールで再び登場したみあは「アルバム『ガールズブルー・ハッピーサッド』では、私の書いた小説をもとに楽曲を制作したり、サウンド面でもバンド色の強い楽曲が増えたり、いろんな挑戦をしています。でも、根底にある“言いたくても、言えない切なさ”を表現し続けることはずっと変わっていません。私たちは変わらないまま、変わっていきたいと思っています。そうやって一歩ずつ前に進んでいくための物語を、これからもあなたと長く丁寧に紡いでいきたいです」とオーディエンスに語りかけ、大歓声を浴びた。最後には「私たちはいつも、この始まりの物語でつながっています!」とメジャーデビュー曲「はじまりの速度」を晴れやかに歌唱。歌い終えたみあは「私に居場所をくれてありがとう!」と伝え、観客全員とジャンプしてライブに幕を下ろした。

三月のパンタシア「ガールズブルー・ハッピーサッド」2019年6月9日 EX THEATER ROPPONGI セットリスト

01. パステルレイン
02. 青春なんていらないわ
03. 青に水底
04. ソーダアイス
05. ビタースイート
06. ラフスケッチ
07. ルビコン
08. 恋を落とす
09. 東京
10. 街路、ライトの灯りだけ
11. コラージュ
12. ピンクレモネード
13. シークレットハート
14. 風の声を聴きながら
15. 三月がずっと続けばいい
<アンコール>
16. day break
17. はじまりの速度