13年ぶりの来日公演に向けて、P.ライトフット「新たなフェーズに入ったNDTを」
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左から小尻健太、中村恩恵、ポール・ライトフット、刈谷円香、唐津絵理。
6月に愛知、7月に神奈川で上演されるネザーランド・ダンス・シアター(NDT)の来日公演に先駆け、本日6月11日に東京・オランダ大使館で会見が行われた。会見にはNDTの芸術監督であるポール・ライトフットのほか、NDT所属ダンサーの刈谷円香、過去にNDTに所属していた中村恩恵と小尻健太、そして愛知県芸術劇場のシニアプロデューサー・唐津絵理が出席した。
13年ぶりとなる来日公演にライトフットは「NDTは進化する、変化するカンパニーです。クリエーションの重要な柱として、古典バレエとモダンを掛け合わせながら約60年の歴史の中で約800作品を生み出してきました。日本とNDTとの関係においては、前芸術監督のイリ・キリアンによるところが大きいと思いますが、来日公演がなかった13年の間に、たくさんの振付家が作品を作り、NDTも新たなフェーズに入っております。今回、たくさんの方のご尽力があって日本公演が実現でき、感無量です」と挨拶した。
今回の公演では、常任振付家ソル・レオンとライトフット振付の「Shoot the Moon」「Singuliere Odyssee」、クリスタル・パイト振付の「The Statement」、マルコ・ゲッケ振付の「Woke up Blind」の4作品が上演される。ライトフットは各作品の見どころを語り、“現在のNDT”の多様性をアピールする。
「Shoot the Moon」に出演する刈谷は「日本公演が実現でき、非常にうれしい」と顔をほころばせ、「私が出演する『Shoot the Moon』では登場人物1人ひとりの感情が強く描かれていて、男女の関係性をさまざまに理解できると思います」と語る。
中村は「私がダンスシアターをやめて20年が経ちます。先日、久しぶりにオランダでNDTの作品を観たのですが、劇場に行くとき、同じバスに乗り合わせた若い人たちがとても盛り上がっていて、また帰りのバスでは作品を観たお客さんたちが活発に議論を交わしていて、人に知的好奇心や感動を与えるカンパニーなのだと改めて感じました」と感慨を述べる。
NDT在団中には来日公演がなかったと話す小尻は「楽しみでもあるし、やっぱり日本公演は特別なことなので、自分もやりたかったです」と悔しげな表情を見せ、会見場を和ませる。さらに「NDTではどの時代もダンサーたちが輝いていて、自分を出すということを全力でまっとうしている。今回の日本公演を、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです」と言葉に力を込めた。
ポール・ライトフットが芸術監督を務めるNDTは、1959年にオランダで設立されたコンテンポラリーバレエカンパニー。日本人ダンサーからは、これまでに中村や小尻のほか、湯浅永麻、金森穣らを輩出している。公演は6月28・29日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、7月5・6日に神奈川・神奈川県民ホール 大ホールにて。
※小尻健太の「尻」の字は、かばねに丸が正式表記。
「ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)」
2019年6月28日(金)・29日(土)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
2019年7月5日(金)・6日(土)
神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール
「Shoot the Moon」
振付:ソル・レオン、ポール・ライトフット
音楽:フィリップ・グラス
「Singuliere Odyssee」
振付:ソル・レオン、ポール・ライトフット
音楽:マックス・リヒター
「The Statement」
振付:クリスタル・パイト
音楽:オーエン・ベルトン
「Woke up Blind」
振付:マルコ・ゲッケ
音楽:ジェフ・バックリィ
※「Singuliere Odyssee」の「Singuliere」1つ目の「e」はアクサングラーブ、「Odyssee」1つ目の「e」はアクサンテギュ付きが正式表記。